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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2018/06/15(Fri)

(No.473) リーダーは「上位目的」を持って国の危機に対処せよ (1/4) 

  デフレによって凋落してゆく日本

 

政治、経済、外交など様々な分野で課題が山積している日本ですが、その中でも最大の危機は何かと言えば、1995年頃からデフレに陥り、20年以上にわたって経済成長していないことではないでしょうか。そういえば少し前まで「失われた20年」という言葉が大流行していましたよね。

 

デフレとは物価が継続して下がっていくことですが、デフレにより売上単価が下がっていけば、企業はそれ以上に経費を削らなければ存続ができません。企業において最大の経費は従業員の賃金ですから、デフレ下では物価の下落以上に賃金が下がって行きます。要するに、日本では過去20数年にわたって「国民の貧困化」がドンドン進んできているのです

 

経済統計データによりますと、20年間で日本の世帯収入(二人以上)が大幅に低下していることが分かります。1995年には世帯当たり、年間660万円程度の平均収入があったにもかかわらず、20年後の2015年には546万円程度と114万円も低下しています。率にして17.3%のダウンです。さらに高額所得者が減少し200万円から400万円という低所得者層が大きく伸びています。

 

生活保護世帯も、1995年頃には60万世帯を下回っていたのですが、現在はその倍以上の160万世帯を越えて、最近も年々受給世帯数は増えております。生活保護の受給者総数も約210万人を超えた数になっております。この理由は高齢化のためだと言う人もいますが、この急増を高齢化だけで説明するのは無理があります。やはり日本は全体的に貧しくなってきたのです。「高齢化する貧困層」とか、「子供の貧困化」とか、「中高年女性の貧困化」などの文字が目に付くようになってまいりました。

 

また、世界と比較しても、全ての地域の国が経済成長しているにもかかわらず、日本のみが1995年以降、全く成長しておりません。そして、かつての日本は世界のGDP(国内総生産)シェアの約18%を占めていましたが、今やわずか6%程度という水準にまで落ち込んでいます

 

多くの人は日本を世界の経済大国だと思っているかも知れませんが、もはや世界に対する存在感は、かつての三分の一以下にまで低下しているという現実を受け入れなければなりません。ご存知の様に我が国のGDPは米国についで世界第2位でしたが、残念ながら2015年には中国に抜かれて3位に落ちてしまいました。ドンドン世界から差をつけられている様であります。

 

政治家やメディアには、こうした事実に対する危機感が全く欠けていますが、「日本丸」という船がまさに今沈没しようとしているのにその音が聞こえてないのでしょうか。兆しが観えていないのでしょうか。例えて見れば、自分が乗っている船が今沈みつつあるというのに、その船の中にある売店の経営者が、その日の売上や利益に夢中になって一喜一憂している様なものだと思いますが、いかがなものでしょうか。全体の将来の危機を知らずに目の前や目先のことで、本末転倒なことで悩んでいてどうなるというのでしょうか?この例えは、ちょうど今の日本の状態を表している様な気が致します。

 

では、なぜ日本だけがデフレから脱却できずに、経済成長ができていないのでしょうか?


 結論を先に述べますが、その大本の原因の一つが20年間にわたる「公共投資」の大規模な削減にあるのです。従来、日本では財務省を中心に「財政が厳しい」「無駄使いだ」などといって「公共事業叩き」がずっと行われてきました。皆さんも覚えていらっしゃると思います。そのため政治家もマスコミも、インフラ整備が国の経済成長に与える良い影響について主張することができなくなり、公共事業をこの20年間でかつての半分にまで縮小してきたのです。それが経済成長ができていない大きな原因であります

 

(次回に続きます)



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