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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2010/01/09(Sat)

(No.36) 組織を永続的に保つための社長の心得とは?

【ケース1】 実務能力不足の社長のケース

  結論から言えば、社長は一つひとつの技や力などの実務能力で社員と競う必要はありません。既に周りに力のある賢人達が集まっているので、その人達と競う必要はないのです。それぞれの職場の人達よりも社長が優れている必要はありません。自分より実務能力がある社員をまとめていけば良いのです。

 むしろ、能力のある人達が社長の周りに沢山いるほど、会社は伸びていきます。社長はその一人ひとりに実務能力で劣っていても構わないし、むしろ自分以上の技術者や自分以上の力を発揮する人達が周りにいた方が良いのです。
 
 そういう社長は能力が無いのではなくて、「大いに組織を保つ能力がある」と言えるのです。 何故ならば、その職場において一人ひとりの賢人達の力を十分に発揮させることができるからです。それが社長の務めなのです。

 そのためには、実務能力を磨くより話すより聞く能力、相手の心を読む能力、譲る能力、後継者を育てる力を付けて、何よりも我社の一人ひとりの人材の能力を発揮させることが重要です。つまり、各人が本来持てる力をあますことなく育てて開花させる、これが社長の役割なのです。

 賞賛されるべきケースであり、「こういう状態の方が将来も順調に推移する」と古典は教えています。
また、アンドリュー・カーネギー(鉄鋼王)は、「経営とは自分より賢い人間を自分の周りにおくこと(成功の秘訣)」と同じような教訓を残しています。

【ケース2】 社長だけが能力実力ありきのケース

  前のケースと正反対で、社長一人だけに能力があって周りの人達がどうしても社長に勝てないという状況です。中小企業では社長はスーパースターが多い様で、なんでもできる社長がいます。プレーもでき、マネジメントもこなすプレーイングマネージャーです。

  このケースでは、社長は毎日大忙しで、周りの皆から信頼され賞賛され大切にされます。 しかし、社長の能力が優れ過ぎているために周りがなかなか育ちません。
 
 前述の“実務能力不足の社長”のケースでは、実務を社長に任せておくと心配ですから、周りは必死になって頑張ります。ですから社長が暫く入院しても業績は上がるか、キープできます。 社長は社員を信頼して社員の能力開発に努めていますから信頼関係もできています。
 
 しかし、このケース2(社長だけが能力実力ありき)では、社長がうっかり寝込めません。 自分に最高の能力があるのですから、社長はどうしても頑張らなければなりません。 社員一人ひとりには尊敬され、大切にされますが、これは危うい状態です。 悪くはないけれども、“実務能力不足の社長”のケースより落ちる又は危険性が高と考えて良いと思います。

 その理由は“人を育てる”という最大機能が発揮されていないからです。なかなか後継者が育たず、世代交代ができず、交代すれば破綻が恐いからです。

 さて、あなたの会社は、どちらのケースに近いのでしょうか?

〔補足〕

 業種、業歴、規模に関係なく会社はケース1か2に区分ができるようです。 やはり経営者は、創業当初から“人づくり”に注力しておかないと時間が経てば経つ程、人が育ってないのを実感するものです。

  “人づくり重心経営”を!!
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2010/08/07(Sat)

(No.66) あなたの会社の「組織風土」は好ましいものと言えますか?       -その1-

-ある社長との対話から-
〇 社長:
 うちの会社では、せっかく良質な社員が入社してくれて助かったと思ってましたら、1年も経たないうちに辞めてしまいました。期待していたため、すごく残念な思いをしました。
◇ 私 :
 今回が初めてのケースなんですか?
〇 社長:
 実は思い出してみますと今までにも何回かこの様なことがありました。定着率が悪く、人をつくらねばと思って人を育てる気持ちはあるんですが、なかなか人が育ってくれません。
また、社員の方にも向上心をあまり感じたことはありません。今後どうしたら良いのでしょうか?アドバイスを頂きたいのですが・・・・。
◇ 私 :
 そうですか一度だけではなくて、何回か発生したんですね。かねがね、私が申し上げている「人をつくりなさい。企業は最終的には人が財産だ。人材育成をしない企業には明日はありません」との言葉は、良く社長はご理解なさっている様でしたが、現実はなかなか思うようには進んでいない様ですね。
〇 社長:
 はい。理想と現実は食い違いばっかりです。何か具体的な解決策はないものでしょうか?
◇ 私 :
 じゃもう少しお話をお伺いしましょうか。まず、社長の使命感とか、価値観、経営観などの具体的表現としての経営理念当コラムNo.25参照)は明文化なさっておられますか?
〇 社長:
 数年前に一所懸命頭をひねり、他社の理念を参考にしてなんとか完成させました。
今では当社のホームページのトップに経営理念として掲げてあります。
◇ 私 :
 ほう、それは素晴らしいですね。じゃその経営理念は全社に浸透して、社長の使命感や価値観が社内全体で共有化できているかについては如何でしょうか?組織全体が「同志的結合体」になっているかどうかで考えてみて下さい。
〇 社長:
 ウーン。そう言われてみれば、全然浸透していない様に思われます。私一人で、無い知恵を絞って作成致しましたし、幹部には少し説明しましたが、それ以降は何もそれらしき行動はしておりません。知らない社員も多いかもしれません。私の部屋に額に入れて飾ってあるだけです。
◇ 私 :
 そうですか。残念ですね。経営理念だけが一人歩きをしている状態ですか ・・・・。
今後は何かアクションが必要になられるでしょうね。
〇 社長:
 なるほど、やっぱりそうでしたか。何か対策が必要なのですね。わかりました。
◇ 私 :
 では次の質問ですが。会社の成長発展に向けた活発な意見具申とか、提案とかの動きについては如何でしょうか?
〇 社長:
 そうですね、今まで私に対して意見具申とか「顧客の不満を解消するために、こうしましょうか」などの提案は、ほとんどあったことはありません。全て私が考えて私のトップダウンで販促政策なども実行してきました。もう20年近くこの状態でやってきています。全体的にぬるま湯的というのか、現状に安住しているのか、幹部を見ても、将来に対しての危機意識や問題意識は感じたことはありません。
◇ 私 :
 そうですか、全体的にぬるま湯体質ですか。また、危機感や問題意識が幹部の方々にもあまり感じられませんか。御社は、創業以来、順調に発展を続けられ優良企業だとの外部評価が高いため、危機感が薄いのかも知れませんね・・・・。
〇 社長:
 そうなんでしょうか。今までは何とかやってこれましたが、やはりこの不況でしょう。来期以降、利益が出る保証はこれっぽちもありません。私は危機意識でいつも頭の中は一杯なんですが・・・・。
◇ 私 :
 少し会話を整理してみましょうか。
  ① 良質な社員が入社1年未満で退職された。過去にも何回か同様なケースがあった。
    定着率は悪く、なかなか人が育たない。社員の向上心もあまり感じられない。
  ② 経営理念は明文化されていて、ホームページで対外的には発信しているが、
    内部に対しては浸透はしてなくて共有化はなされていない。
    「同志的結合体」とは呼べない状態。理念だけが一人歩きしている。
  ③ 活発な提案とか意見の具申はほとんど無く、ワンマンでトップダウン方式。
    ぬるま湯体質で危機感や問題意識は感じたことが無い。
 と整理できると思われます。
〇 社長:
 人が定着せずに育たない点、経営理念の件、危機意識の無さの3点にまとめて頂きましたね。
◇ 私 :
 これら3つの課題を、ひと言で表すならば「組織風土」もしくは「企業文化」(コーポレートカルチャー)のテーマといって良いでしょう。
もち論、社長が考えておられることは、「組織風土」が好ましい状態ではないので、なんとか解決をして、好ましいものに改善したいが、との相談になると思います。

 (次回に続きます)
 
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2010/08/15(Sun)

(No.67) あなたの会社の「組織風土」は好ましいものと言えますか?     -その2-

〇 社長:
 「組織風土」や「企業文化」のテーマなんですね。少し具体的に教えて頂けますか?
◇ 私 :
 「組織風土」とは、組織の構成員に「共有化された価値観」のことをいいます。日常の考え方や行動の規範となっているものです。社員の皆さんの日常の行動を通じて、長い時間をかけて次々と伝播(でんぱ)していき、やがて企業の風土・体質となっていくものです。価値観といっても、はっきり目に見える形で現れませんから漠然としています。無形のものなのです。
 
 社長が精魂かけて作られた経営理念は、「共有化すべき価値観」を表現なされていますが、それは単に将来、目指すべき方向性を明文化したに過ぎないものです。ですから、現状の価値観が共有化されていると考えることとは全く異なるのです。また、風土や文化を発見するには、社員の日常の活動・行動を見て推し測るしか方法はないのです。
 
 社長の今日の相談のテーマは、社長ご自身が社員の言動と行動をずっと観察なさった結果、表面に現れた現象を私に伝えられたもので、それを私が推測して、各種の現象をひと言で風土とか文化という概念でくくって差し上げているだけに過ぎないのです。

〇 社長:
 なるほど、「組織風土」というものが少しわかってきました。「組織風土」とは「共有化された価値観」のことなんですね。創業から現在まで数十年もかかって浸透し蓄積された風土で組織の体質なのですね。
 
 また、私が時間をかけて作り上げた経営理念のことも、良く理解ができました。私一人が、持ち抱えていて満足し、組織の末端まで理解させ、行動規範となるまで、まだまだやるべきことが沢山あることがわかりました。
◇ 私 :
 理解して頂いたようで有難いです。もう少し補足致しますと、「組織風土」というのは、中堅中小企業においては、社長トップの人間性や人格や経営姿勢、生き様など、それらのものが要因となり、その会社の風土を創り上げているものなのです
 
 社長の人格、姿勢、生き様、さらにはそれらの根本にある社長ご自身の価値観が幹部に伝わり、さらに一般社員へ伝わり、やがて企業の風土や体質や文化となっていくのです。
 社長が意図するか否かにかかわらずに、企業の組織とはそうならざるを得ないものなのです。
〇 社長:
 そうなんですか。自分で私自身の価値観を考えてみたこともありません。少し難しい内容になってきましたね。私の価値観が根本で現状の「組織風土」になっているのですか。驚きました。ある面少し怖いきがいたしますね。
◇ 私 :
 社長の価値観が根本であり、「組織風土」が醸成されているという原理に触れられて驚かれた様ですね。でも心配なさることはありません。
〇 社長::
 現在の私にとっては、好ましい風土でない状態を、なんとか解決して、好ましい状態に改善するには一体どうすれば良いのでしょうか?もしよろしければアドバイスを頂けないでしょうか?
◇ 私 :
 「組織風土」を好ましいものに改善したいと願われるならば、まず社長トップ自ら、自己を変革することから始めなければなりません。
 
 そのためには、まず現在の風土を創り出している社長の姿勢や人格についての現状を、社長ご自身が鮮明に認識する必要があります。自分にとって、自分という人間は一番近い存在でありながら、一番遠い存在であり、なかなか自分で自分はどんな人格かを判定したり、判断するのは難しいことなのです。
 
 だから、社長自身が周囲からどう思われているかを、ある方法にて調査し、その尺度を判定基準にすると、わりと簡単に自己が見えて自己変革のスタートにして頂くことができます。
 
 要するに、その調査は他人の評価を基準にするため、全てが納得できるものではないかもしれません。「いやこれは違う、全く他人の評価は当てにはならない」などと、断定はできませんが、面食らう時もあられるかも知れません。
 
 他人の評価と自己評価にギャップがあるのはむしろ当然なんだとお考え頂きたいですね。具体的な調査に基づく資料がないために口頭だけの説明では充分理解して頂くのはちょっと難しい様ですね。
 これ以上の具体的な話は、またの機会に譲りましょう。また、機会を作って下さい。その時に説明をしたいと思います。

〇 社長:
 いろいろと私の悩みを聞いて頂き、お話をして頂き参考になりました。誠に有難うございました。日を改めて、今日の続きをお伺いしたいと思います。

 (次回に続きます)

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2010/08/21(Sat)

(No.68) あなたの会社の「組織風土」は好ましいものと言えますか?     -その3-

 自社の現状の「組織風土」はどの様なものなのか?現状を認識し、また改善するにはどうすれば良いのかについて述べてみたいと思います。

 「組織風土」の良し悪しを判断する物差しには次の“5つの要素”が考えられます。
 
①“同一の危機感”をもっているか否か?ぬるま湯につかっている状態なのか否か?
②“共通の価値観”があるか否か?組織全体が、「同志的結合体」になっているか否か?
③“自信と信頼”に満ちた組織かどうか?お互いが信用できず不信が蔓延していないか?
④“感謝の気持ち”を組織全体が保有しているか否か?礼節が重んじられ、組織の秩序・調和ができているか否か?
⑤“高い欲求水準”や“強烈な達成意欲”はあるのか否か?
 以上5要素について、一つずつ考えていくことにしましょう。

 まず①の“同一の危機感”をもつということを説明します。

 今どれほどの努力がなされ、改善が進行していようとも、「それだけで企業の成長発展が確保される」とか、「このままでも自己の成長や生き甲斐が得られ続けられる」といった「現状安住」の考え方を排斥し、いかなる状況においても常に現在及び将来に対する「危機感」を持ち、より一層の改善を実現していこうとする感情のことを言います。
 
  私達は少しうまく行くと「これだけ改善したからもう良いだろう」とか、「あれだけ努力したんだから仕方がないさ」などの感情を持ちます。
 
  この感情を放置しておけば、組織というものは、いつの間にか「現状安住」の考え方が蔓延してしまい、現状や将来に対する危機感が薄れ、改善意欲がなくなってしまいます。危機が現実に迫っていても、過小評価してしまい、対応が遅れたり、怠ったりして衰退が続き、破綻してしまうこともあります。
 
 よって、本テーマは今日的であり、極めて重要な課題であります

  “同一の危機感”という要素が、万が一、好ましいものでない場合の対応策として考えられることは、①現状を目標(将来実現したい状態)との比較で正しく認識をさせること。②問題形成・認識力を向上させること。③オープンなコミュニケーションルートを整備すること等が考えられます。

 現状と目標のギャップの大きさを正確に理解させることが重要です。人により問題が全く見えない人や、次々と問題を発見する人がいます。問題形成・認識力は大切な力であります。

 ここで、注意して頂きたいことがあります。“同一の危機感”を醸成するとは、「会社が明日にでも倒産する」などと、危機感をいたずらに、あおることとは全く別のことであります。「前向きな意欲」を生み出していくという意味でありますので、ご注意願いたいと思います。

 では次に②の“共通の価値観”をもつということを説明します。

 以前に説明しました様に、「組織風土」とは組織の構成員に「共有化された価値観」のことと定義付けをしましたが、ずばりこのテーマそのもののことであります。
 
 組織の構成員が、ある事象に直面した時に、その事象に対してどの様な価値を認めるのか?についての考え方や見方が共通しているという状態を言います。同じ方向に向かって一致団結して行動しようとする気持ちを生み出す源泉となっているものです。組織力というエネルギーにつながるものです。

 価値観とは各人の考え方であり、各人の行動決定の基になるものであります。人間観・人生観・世界観・使命観・職業観・経営観などと細目に別れていきます。100人いれば100人の考え方があり行動も違います。組織にあっては個々人に任せておれば組織力、全社のエネルギーや勢いが発揮されないばかりか、バラバラでは崩壊してしまいます。
 
  よって目標や目的達成に向けた価値観の共有化が大切になるのです。そのためには組織のトップである社長のリーダーシップが当然必要になります。人心の掌握と意思の統一、十分に心を開いてのコミュニケーションが大事になります。

 “共通の価値観”が形成されてない場合には、組織として共有すべき価値観を明確にすることから始めて下さい。次にそれらの価値観を明文化し、共有すべき価値観として、全組織の末端まで浸透させることが必要となります。
 
 口で言うほど簡単ではありませんが、時間をかけてでも取り組んで頂きたいと思います。「経営理念」や「社員の行動規範」として形になさると良いかと思います。形になった後のフォロー、浸透活動も忘れないで下さい。

 (次回に続きます)
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2010/08/28(Sat)

(No.69) あなたの会社の「組織風土」は好ましいものと言えますか?         -その4-

 次に③の“自信と信頼”をもつということを説明します。
 
 「自信」とは、自分の持っている能力・価値・可能性を信じる気持、ないしは自分の存在を頼もしく思う気持であります。
「信頼」とは、他人の持っている能力・価値・可能性を信じ、頼りにする気持であります。いずれの感情も積極的でチャレンジングな行動を生み出すのに必要不可欠なものであります

「自信」が高じて「自信過剰」にならないこと、傲慢にならないことです。また、信頼関係も、注意しないと馴れ合いに変化します。心してかかりましょう。

 “自信と信頼”を保つには、豊富な「疑似体験」をさせることや、できるだけ多くチャレンジさせ、「成功体験」をさせることです。必要な権限を委譲して支援してあげること、また、その体験を積極的に評価してあげることです。
 
 読書や人の話を聞くことで「疑似体験」ができます。人によって雲泥の差が生じるのは、自分の周りから各種のことを学ぼうとする、ほんのちょっとした「姿勢」の違いで差が生じるものです。日頃の「目的意識」の違いと言っても良いと思います。皆、各人各様に異なるものです。一日の差は小さいものですが、数年の差は誠に大きなものになっていきます。
 
 また、長い仕事人生の中では失敗もあります。実際に失敗の体験もします。一回目の失敗は失敗ではなく良い経験であると思い、同じことを二度と繰り返さないことが大事です。何度も同じことをしていることを失敗といいます。人間とは痛い思いを体験しないとなかなか改心しないものです。骨身に沁みないものなのです。

 ④番目の“感謝の気持”をもつということを説明します。
 
 自分が現在の状態でやっていけるのは、他者から受けた力添えの結果であり、お蔭であることに「気づき」、心からありがたく思う気持ないしは心情のことです。他者に対し貢献していこうという意欲や献身的な行動を生み出す基になる感情であります。この気持があればあるほど、他者に対して何らかの形で報いなければならないとの気持が生まれていきます。例えどんな状況になろうとも、誠実に仕事をせねばという姿勢も生まれてくるものです。
 
 ところで、この気持は人によっては、同じ状況に出会っても強かったり、逆に全く感じないという人もいます。それは心の持ちよう、つまり「気づき」の度合いが人によって違うからであります。感性、感受性、心の受信装置の違いと呼んでもいいでしょう。人によって千差万別なのです。
 
 例えば、ごく平凡な食事を頂いても「気づき」の深い人は、「本当にありがたい」と感じるでしょうし、そうでない人は、どんなに豪華な食事を頂いても「ありがたい」とは思わないものです。
 
 この“感謝の気持”が、組織に充満していけば、雰囲気はなごみ、人間関係もマイルド、穏やかなものになっていきます。「組織風土」も変化していきます。
 
 自己中心主義、私利私欲のみから、他己中心主義、公利公欲、周りのため人のためへの気づきや価値観の転換が求められていきます。
 
 日頃のトップ・社長の力量が試される非常に難度の高いテーマになります。その理由はトップ自身の人間性、人格、経営姿勢、価値観が多大な影響力を持っているからです。

  “感謝の気持”が弱い組織であるなら、トップの自己変革が成されれば周りがどんどん変化していきます。にわかに信じ難いでしょうが、私は、何回も経営指導の場面で体験しております。「他人を変えようと思えば、自ら変化せよ」とはよく言ったものであります。

  日常では、周りの人々に「気づき」の場を与えること、「気づき」の感情を持続させる努力をされること、“感謝の気持”が起こりやすい状況を作ることなども大切なことだと思います。
悩んだり問題を抱えている人に対しては、人間としての思いやりのある支援をするなども大切になるでしょう。

 (次回に続きます)

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2010/09/04(Sat)

(No.70) あなたの会社の「組織風土」は好ましいものと言えますか?      -その5-

 最後、⑤の“高い欲求水準”を保つということを説明します。
 
   今どんなに好ましい状態にあろうとも、その状態に満足することなく、常に自己を律しながら、もっと素晴らしい状態を獲得していこうとする欲望や情熱のことであります。

 その様な欲望や情熱が鮮明に意識され、その実現の可能性が明確になればなるほど、困難に妥協せず、粘り強く行動したり根気強く物事を追求していこうとする姿勢が引き出されていくものです。
 
  その為には、個々人の欲求を喚起させること、組織の中で欲求を実現していく方向を明らかにすること、欲求を更新し高めていくこと、「人生は長いように思われてるが、短いもので、また一回限りで二度とない」ことを身にしみるまで教えることです。
 また各人の志を確乎たるものにすることや人生計画を立てさせることなどが有効でしょう。人間の最高次の欲求である「自己実現の欲求」を教え導いて一緒に考えてあげることなどが大切になるでしょう。

 「この広い世界でたった一人しかいない私 たった一回しかない人生で 本当に自分というものを生かさなければ この世に生まれてきた甲斐がないじゃないか そうだ どこまでやれるか 実現できるか チャレンジしてみよう」
と、この様な言葉を繰り返し唱えることが、欲求を常に高める助けになると思います。

 「人間というものは、情熱を失わない間だけが真に生きていると言って良い。内面的な情熱が枯渇した時は、すなわち生命が萎縮した時である」 また、「年を重ねるだけでは人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。情熱を失う時に精神はしぼむ」とも古人は寸言を残しています。

 意味することは、心に年をとらせてはいけない。常に青春であれ、すると、ものの見方・考え方が若々しくなっていき、希望がいつも湧いてくると戒めていると思います。

 最後に整理し、まとめることに致します。どの様な企業にも、自社独自の「組織風土」が形成されています。これまでの“5つの要素”についての説明を読まれて、自社に形成されている「組織風土」について、現状認識する基準は、ご理解されたものと推察いたします。
 
  もし「うちの会社はこの要素については、まだまだだなあ」とか、「すごく弱い要素である」とか、「この点は非常に好ましくなく、問題が大きい」などの気づきが生じ、経営課題として、認識されましたら、明日からでも、より好ましい「組織風土」へと改善なさって下さい。
 
  その為には実践行動プランを策定され、確実に実践なさることを、心から提言致します。
その理由は、いかに将来に向けた「経営戦略」を立案し保有されていても、その組織に「好ましい組織風土」が存在しないと、戦略の遂行や実現は徒労に終り難しいからであります。

 「経営戦略と組織風土は企業の存続と発展の2大要件」であり、車の両輪であります。両者のどちらが欠けても前には一歩も進まないことを充分に承知なさって下さい。両者の優劣は付けにくいものであり、それほど企業経営にとっては2つともに重要なテーマであるのです。

 以上5編にわたっての長い経営コラムでありましたが、根気よくお付き合い頂き誠に有難うございました。何かひとつでも参考やヒントになさり経営改善の一助にされんことを心の底から願いながら筆を置くことに致します。

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2013/02/16(Sat)

(No.198) どうすれば組織を より活性化できるのか? (その1)

 会社の組織を運営するには原則があります。また経営組織を活性化するには、それなりの組織のルールがありますから、それらを理解した上で運営しなければ、効率の悪い組織になり業績も実現達成が難しくなっていくものです。
 
 今回は組織(=会社)を活性化させるための手法について数回にわたり考えていきたいと思います。
 
 組織を活性化させる手法を考える前に、まず「企業や会社にとって組織とは何か?」という基本概念
について押さえておくことが大切だと思います。
 
 まず企業にとって組織とは何でしょうか?組織とは人間の集まりであります。しかし単なる集まりで
はありません。
 
あえて「企業にとって組織とは何か?」と考えてみますと、次の様な考え方が最も適していると思います。つまり「組織とは手段である」ということです。
 
もう少し具体的に表現すれば、「組織とは、企業目的を達成するために、企業構成員を効果的かつ効率的に協働させるための手段である」ということになるでしょう。
 
 言い換えれば、企業目的を達成するためには、企業を取り巻く環境の変化に応じて、組織を最も効果的に運営できる様に変化させ続けていく必要があることを意味しています。
 
つまり、組織とは決して固定的なものではなく、経営環境の変化や、その企業の経営戦略の変化に応じて、流動的に組織編成を行うものであります。固定的ではなく常に変化するものが組織であります。
 
 まして昨今のような経営環境の変化が激しい時代においては、組織を固定的にする経営など「何をかいわんや」であります。常に流動的であらねばならないのです。朝令暮改でも恥ずかしいことではありません。
 
 一般社員と同様に、経営者も幹部も、組織の一構成員であると同時に、自らも職務遂行のために部下を組織化させる立場でもあることを忘れてはいけません。「組織は人事に関する問題だからトップや人事総務に任せている」などと、固定的で硬直化した組織が長年続いている様なら、考え方や意識を根底から変えることが大切になるでしょう。
 
自部門やセクショナリズムにどっぷりつかってしまうと、部分最適で有ればよいわけで、組織は固定化してしまいます。組織を活性化するなら、構成員みんなが全体最適を意識できるかどうかにかかっていきます。そうなると結果として全員経営の思想につながっていき、今回のテーマである組織の活性化につながっていくでしょう。

 では、現在のあなたの会社組織、または部門や部課の組織は、目的に対して好ましい手段となっているのでしょうか?即実践で活用していただくために、以下の手順に従って自己診断をしてみて下さい。
 
1.あなたの会社(または部課)の現在の組織図あるいは役割分担表を絵にして下さい。
 
2.次に、あなたの会社(または部課)の最重要課題や経営戦略を具体的に箇条書きにして下さい。
 
     例えば、新商品であるAを既存のスーパーマーケットの販売ルートを通して売ること。とか商品力を上げるため商品企画部門や生産部門の体制を見直すこと。その他、新商品の開発や新規事業の推進のため専門部署を立ち上げることなど、企業によって様々な経営課題(解決すべき事柄)が考えられるでしょう。
 
.前項の2.で書いた最重要課題を達成するために考えている手段を列挙して下さい。日頃考えてなければ考えてみて下さい。
 
その結果として、直間比率の配置の問題や大して付加価値を上げていない部署などが浮かんでくるものでしょう。内製化や外注化アウトソーシングなどの視点も発見されるでしょう。強み弱みが明確になり、他社との提携や連携の視点も発想可能になることでしょう。
 
4.次の作業は、あなたの会社(または部課)の現在の組織形態は、2.の最重要課題を達成する上で好ましい形になっているかどうか、または、3.の手段を実行する上で好ましい形になっているかどうかを考えてみて下さい。
 
同時にあなたの会社(または部課)が最重要課題を達成する上で最も好ましい形態になるように、将来の想定組織図を描いて見て下さい。すぐには解決できないなら時間をかけてでも解決するように努力する必要があるのが理解できると思います。
 
量的な面や質的な面からの視点が拡がっていくものと思われます。なぜもっと早くから手を打たなかったのかなどと、自社の経営に対する後悔や反省がなされるかも知れませんが、それはそれとして仕方のないことでありますから、気づきを得ただけでも進歩発展していると前向きに考える様にして下さい。
 
(次回に続きます)
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2013/02/23(Sat)

(No.199) どうすれば組織を より活性化できるのか? (その2)

       前回テーマの組織とは何か?に続いて、今回は「組織運営の原則」について述べていきたいと思い
ます。沢山ある原則の中から代表的な4つの原則について触れたいと思います。
4つの原則とは①指令系統統一の原則 ②統制限界の原則 ③責任明確化の原則 ④職務割り当ての原則であります。一つずつ見ていきましょう。
 
 (1)「指令系統統一の原則」
 
     この原則は組織秩序を保持するために、各組織構成員に対する直接の指揮・命令権者は一人である必
要性を主張したものです。
 
     例えば、ある組織にA部長、B課長、担当者Cがいるとしましょう。
この組織において、A部長が担当Cに指示をする場合は、一旦B課長にその指示を下し、それからB課長が担当Cに指示を出す。これが「指令系統統一の原則」に沿った指示の出し方であります。ここまでは常識としてすんなり理解ができると思います。
 
 ところが、A部長が何らかの理由で、B課長を飛び越して直接Cに指示を出したとします。当然、B課長はその指示については何も知らず、彼の部下であるCはB課長の出した指示以外の仕事に従事していることになります。B課長は不審に思い、Cに何をしているのかを尋ねるでしょう。すると、CはA部長から直接に指示を受けたことをB課長に告げることでしょう。
 
 これを聞いてB課長はどの様に感じるでしょうか。B課長は疎外感を持つかもしれませんし、自分がA部長から信頼されていないかも?と思うかもしれません。また、部下であるCもA部長の指示とB課長の指示と、どちらを優先すればよいのだろうかと戸惑うことになるでしょう。
 
 いずれにしても、この様な状態が続くなら組織は形を成しながらも、人間関係もギクシャクして、組織としての秩序は崩壊してしまうでしょう。この様な事態を防ぐには、次の2つの手続きを踏む必要があります。実務で明日からでも即実践なさって下さい。
 
① 通常はA部長 → B課長 → 担当Cというルートで指示を出すことです。
いかなる場合においても、A部長が担当Cに直接に指示を出したい場合は、必ずB課長に指示を出し、B課長から担当Cに命じてもらうのが原則になります。
 
② 通常以外の場合は、A部長は指示をする事前か、あるいは事後にB課長に連絡をとることが必要になります。たまたまB課長が不在や出張の時には、A部長 → 担当Cと直接指示を出します。この場合は、事前に、あるいは指示を出した後に、できるだけ早くB課長にその旨を連絡することが必要になります
 
と同時に担当Cも直接A部長から指示を受けたことを、出来る限り速やかにB課長に報告することが必要になります。上と下が同時にアクションを起こすことがポイントになります。
 
この原則は、「面倒くさいなぁ」と思われるでしょうが、実は原則通りであり、指示の出所が1つであることを求めたものであります。上司が複数の部下に直接に指示を出すことは、ごく当たり前のことであり、実務では一向に差し支えありません。経営はスピードが大事であり当然であります。
 
この事例での私の新入社員当時の苦い思い出があります。まだ新入社員研修を受ける前でしたから、そんなルールがあるとは全然知らずに、課長からの指示を受けて仕事をやっていました。すると上司の係長から、こっぴどく叱られ「組織を乱すな」と一喝されたのを40年以上経過しても昨日の様に覚えております。
 
 やはり新入社員が組織に入ってくると、組織のルールや仕事上の原則は、なるべく早めに教育指導しないと組織の運営は難しいことが教訓としてあげられます。中途の社員であってもしかりであります。
 
 私のコンサルティング体験で申しますと、中小企業では会社経営者でも「知りませんでした。初めて知りました」という方が大勢おられました。「基本が習得できていない人がいかに多いか」と言うことであります。この様な会社では組織の活性化どころではないのは当然であります。
 
(次回に続きます)
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2013/03/02(Sat)

(No.200) どうすれば組織を より活性化できるのか? (その3)

前回の(1)「指令系統統一の原則」に続き、残りの組織運営の原則について述べていきます。
 
 (2)「統制限界の原則」  二つ目の統制限界の原則について。
 
 この原則はコントロール・スパンとかスパン・オブ・コントロールといいます。一人の管理者が管理できる部下の人数には自ずと限界があり、この範囲を逸脱すると適切な管理ができないことを主張したものです。例えば20人や30人を一人で管理することを想像していただければ意味が理解できると思います。
 
そうかと言って、あまり小さな単位で管理をさせると一対一になり、かえって無駄が発生しますから、「統制限界の原則と無効果性の原則」ともいわれる原則です。では何人ぐらいが適切なのかについては、この限界値は仕事の内容=職種により異なったものになりますから、一概に決めつけることが出来ないものであります。
 
現在は意志決定を早めるために、組織の階層を重ねずにフラットな組織が多いようです。しかし一長一短がありますので自社にあった適切な組織を編み上げる様にして下さい。
 
 (3)「責任明確化の原則」  次に三つ目の責任明確化の原則について。
 
 責任すなわち職務範囲と達成水準を明確に定めることを主張したものです。これを明確にしておかないと、ある2人の職務領域が重なり合っている場合には、お互いに譲り合いをしたり、反対に自分の職務ばかり主張していさかいを起こすなど、職務遂行に支障をきたす恐れがあります。
 
この原則を理解する上において、一つだけ注意を要することがあります。それは、「責任はそれと同じ大きさの権限によって裏打ちされる」ということです。つまり、部下には責任を全うする義務と同時に、失敗する可能性を容認される権限があるという意味であります。
 
責任と権限については別途次回に説明をしたいと思います。
 
 (4)「職務割り当ての原則」  次に四つ目の職務割り当ての原則について。
 
この原則は、以下の3つの基本原則から成り立っています。
       整合性は? 割り当てられた各々の職務は、本来の企業目的に対して整合性のとれたものでな
ければいけません。
 
       能力向上は? 職務割り当ては、個々人の能力向上を考慮に入れて行わなければいけません。
ここで注意を喚起したい事は、あなたは部下に仕事を与える時は、いつも部下の能力が向上するように考えて与えておられるかどうかと言う点です
 
以外とマンネリに陥ってしまって出来ていない人が多いのではないでしょうか?意識もせずに指示や命令を下しているものです。これでは部下や担当者の能力向上は難しいでしょう。仕事を通じて人は向上していくものであります。現状を振り返って見られることを提言したいと思います。
 
 ③ 非重複性は? 割り当てられた職務が、他と不必要に重なり合っていてはいけないということです。
 
 以上2回にわたって述べてまいりました(1)指令系統統一の原則(2)統制限界の原則(3)責任明確化の原則(4)職務割り当ての原則の「4つの組織運営の原則」を満たした組織運営がなされているか否かを、経営者や幹部は常に気をつけていなければいけません。
 
何か一つでも気づきがあれば、即実践で組織の活性化をなされることをお薦めしたいと思います。
「知っている」と「出来ている」とは、全く次元が異なることを思い出して下さい。「知行合一」と言って「本当に知っているとは、実践が伴っている事である」と言う事なのです。
 
   (次回に続きます)
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2013/03/09(Sat)

(No.201)  どうすれば組織を より活性化できるのか? (その4)

前回までの「組織運営の原則」の4項目に続いて「責任と権限」について説明を続けていきます。
 
責任とは? 権限とは? について述べていきます。
 
 人はある職位に就くと、様々な仕事(職務)を担います。そして、それに伴い彼は自分の仕事を果たす「責任」(職務責任)も担うことになります。
 
そこで、彼にはその「責任」を果たすにあたっての必要な力が与えられます。それが「権限」(職務権限)であります。

 彼は、自分に与えられた権限を利用して、仕事を果たそうと努力します。そして、一つの仕事が終了します。その結果について、彼は自分の当初の責任をどの程度果たせたか、という責任が問われることになります。これが「結果責任」であります。
 
 この様に、責任、権限、結果責任は三者とも対応しているのです。つまり、責任が重ければ、それに対応した権限が付与されるべきで、それがあってこそ初めて結果責任を追求することができるのです。
では一つずつ見ていきましょう。
 
(1)   「責任とは?」 (手段的責任)
 
「責任明確化の原則」で説明しました様に、責任とは職務範囲とその職務の達成水準のことであります。必要最低限の仕事の事でもあります。この場合の責任は「手段的責任」と呼ばれています。あまり普段聞き慣れない言葉かも知れません。後述いたしますが、結果責任である「目的的責任」とは区別されて使われています。
 
少し具体例を示しますが、ビルの守衛さんの仕事を想像して下さい。何時にA地点、何時にB地点の見回り点検をするとあらかじめ決まった仕事があったとします。これらの決まった仕事をきちんと時間と場所を守り巡回監視して点検することは手段的責任と呼ばれます。もし、この手段的責任が果たされていない時には、その守衛さんは徹底して責任追及がなされても仕方がありません。
 
蛇足になりますが、この際、皆さんの手段的責任を振り返ってみられては如何でしょうか。以外と曖昧なものであり、実行が出来ていない仕事もあるかも知れませんね。
 
(2) 「権限とは?」
 
責任の認識と同じく不明確なのが権限の認識であります。権限とは手段的責任を通して目的的責任、つまり結果責任を果たすのに必要な能力のことであります。この結果責任(目的的責任)についての解説は次回にゆずりたいと思います。
 
 一般に組織運営では、各自に割り当てられた部分目標が達成されないと、全体目標の達成も期待ができません。
 
期待されている目標を達成するためには、時には敢えて危険を犯すことも必要であります。職務遂行責任者に、ある程度の危険を犯す権限が保障されていないと、彼は必要な意志決定を自由にできなくなる恐れが出てきます。
 
この考えは、以前の経営コラム「作戦要務令に学ぶ指揮の要訣について」で述べましたように、「大いに独断活用の余地を与えること」と同じ事であります。(当経営コラムNo185をご参照下さい)
 
従って、小さな誤りについてはこれを容認し、職務遂行責任者が必要な意志決定を自由に行うことを保障しようというのです。よって、許容された範囲であれば、経営者または幹部は部下を叱ったり批判をしては決していけないことになります。
 
俗に言う権限の委譲」を行なって、本人がやる気をアップさせ、能力を充分に発揮して、組織の活性化・効率アップを図り、業績を向上達成させようとの意図がはたらくものであります。
 
(次回に続きます)
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2013/03/16(Sat)

(No.202)  どうすれば組織を より活性化できるのか? (その5)

前回の「権限とは?」に続いて(3)「権限とは与えられるものではない」の説明を致します。
 
  一般的によく耳にする言葉で「責任ばかりが大きくて、権限はほとんど与えられていない」と聞くことがあります。実は権限は大きく2種類に分かれています。一つは設備や部下など眼に見える有形のものを動かして有効活用する権限と、二つ目は意志決定権や命令権などの無形のものがあります。
 
この無形の権限というものはその人の能力になり、その人が基本的に持っている能力そのものに落ちていくものなのです。権限とは与えられるものと考えがちですが、本質は与えられるものではないのです。ドキッとなさるほどの重大なテーマなのです。
 
少し補足を致しますと、「実体は部下が上司の権限を決めている」と言うことであります。命令権があるということは命令した通りに部下が行って初めて命令権があると言えます。命令を実行するのは部下であり、その部下の考え方、理解の仕方によって命令は左右されるのです。逆に考えれば上司が部下にどう思い、考えさせるか、納得させるかという能力が権限の本質になります。
 
この様に権限とは、その人自身が基本的に保有して身に付いた発揮能力のことをいうのです。決定する以前の保有知識・情報分析力・判断力・指導力・断行力などが必要になります。組織から求められている力なのです。「権限あって能力なし」や「肩書きだけで実力なし」では話にならないのです。簡単に「権限の委譲」とか「事業の承継」などと口にしますが本質は恐い言葉なのです。
 
前述の「責任ばかり大きくて権限はほとんどない」などと日頃、考えたり口に出す人は、素直に自分自身を、また自分自身の能力を告白している言葉なのです。表面上の責任や権限という前に奥に潜んだ深い意味を理解することが、社長を初め経営幹部の方々に求められているのです。
 
同族企業で割とスムーズに親の後を引き継いで、社長や専務を拝命された方は特に肝に銘じておいて下さい。自信のない方は毎日が勉強の連続でありますから、日々鍛錬をなさって下さい。努力あるのみです。遊び回るのは二の次なのです。
 
(4)「結果責任とは?」 (目的的責任)
 
前回の守衛さんの例にもどりますと、定時刻に必要な場所をチェック点検することは「手段的責任」でありました。しかし彼は数時間ごとに確実に巡回点検という責任を果たしたにもかかわらず、そのビルで盗難や火災が発生したとすれば彼の責任は一体どうなるのでしょうか?この様な防犯防災という「目的的責任」のことを結果に対する責任「結果責任」と言います。
 
 ほかの事例で説明しますと、例えば、多額の開発プロジェクトを任せている部下が、その仕事が上手く行かずに失敗して、会社に多大な損害を与えたと仮定します。この時、その部下は会社に与えた損害を賠償しなければならないのでしょうか?
 
 もしも、失敗した者に賠償責任が求められるのであれば、少額であるならまだしも、多額の賠償金を支払うことはほとんど不可能であると言えます。この意味で言うのであれば、一般の社員は真の意味においての結果責任をとることができないということになります。
 
この2つの事例の様なケースでは、当然、社長トップ結果責任を負うことになります。上層部になればなるほど職務権限も大きいものですが、結果責任(目的的責任)も大きいのが原則であり、当たり前の事であります。金額があまりに大きいケースでは企業破綻もあり得るのです。
 
そこで教訓として意識して欲しい事は、「社長たる者は、事件や事故に関わらず、有事の際の自己を普段から知っておく必要がある」と言うことです。何故ならば、無事・平時の際の自己をいくら知っていても、いざという時には全く役に立たないからです。
 
 それでは一般の社員が、失敗を犯した時に、組織が彼に求める責任とは何でしょうか?それは彼が「多いに反省し、次からは失敗をしない様に、一所懸命に本気で仕事に励むこと」に他ならないのです。
 
通常の会社組織では、各部門の果たすべき仕事としての手段的責任職務分掌規定で示されているものです。が、各部門の目的的責任は何かと言う点になると、ほとんどの企業では不明確であります。
 
 つまり組織単位ごとに結果責任(目的的責任)を明確にし、徹底しなければ理想的な組織運営は出来ないし、組織活性化も簡単には出来ないことを理解して頂きたいと思います。
 
最後になりますが、社長やトップが人間的に優しいが故に甘くなり、厳しさが不足し、ぬるま湯に浸かったような組織が多い様です。幹部から若い人まで、「上司の言うことを聞いていれば給料はもらえるだろう」という甘い意識でしかない人が多いものです。
 
外の環境が厳しいのに、内部の環境に厳しさが欠けている組織では、苦境や逆境を乗り越えて行くエネルギーを期待するなどは夢物語にしか過ぎません。優しさ厳しさ、両面持ち合わせて初めて本物の社長や経営者・幹部と言えるのです。さて、あなたは両面を備えておられますでしょうか?
 
 
 
★ より詳細についてのお問合せ、ご意見、ご感想がございましたら、お気軽にメールでのお問合せをご利用下さいませ。お待ち致しております。  
経営コンサルタント 山口一道 宛のメールアドレスは右記です。 mailto:yamacon@har.bbiq.jp
 
 
 
【 補足の資料添付について 】
 
お陰様で「経営学」のカテゴリーも80回を越えました。今回のコラムは「経営組織論」の分類になります。
今後、皆様が経営の基礎であり基本で、かつ重要なテーマをぜひ身に付けて頂き、活学して事業発展を実現なさることを心から祈っております。
そこで何時でも手軽に振り返りが出来るように過去の重要なテーマを並べてみました。リンクしていますのでクリックしてご活用下さい。
 
(経営管理編)日常の仕事や管理の仕方について。
 
 
(組織風土編)組織風土と経営戦略は発展の必須2大要件です。一方が欠けても進展発展はありません。
 
 
(経営戦略編)中期経営計画の説明とその必要性について。中経のない会社に明日の発展はありません。
 

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2013/04/13(Sat)

(No.206) 激変時代における経営者の必須条件とは?(1/4)

環境激変下における「経営者の必須の条件とは?」について考えていきたいと思います。
 
 経営者には色々な責任があります。株主や金融機関に対する責任、顧客に対する責任、取引業者に対する責任、地域に対する責任、そして、社員やその家族に対する責任であります。要はステークホルダーと呼ばれる利害関係者全てに対する責任があります。
 
その中でも、私は社員さんに対する責任というのは非常に重いものであると思っています。
なぜならば部下は、どの様なリーダーに出会うかによって、その人の一生が決まると言っても過言ではないからです。いい加減な上司に出会った部下はいい加減になり、真剣な上司に出会った部下は真剣になるからです。要はどんな上司かによって仕事観が全く違ったものになると思うからです
 
 また、部下は毎日顔を見て接している、上司やリーダー以上のイメージには考えて見たり想像が出来ないのです。現実のリーダーの姿勢やイメージを固めているものなのです。それだからこそ、リーダーはどんなに苦しい事態に追い込まれようとも、部下の為にもプラスで・前向きで・積極的思考でいなければならないのです。内外の環境がいかように変化したとしても変えてはならないのです。
 
話は横道にそれますが、一般に組織の中には必ず、次の3つのタイプの人間がいるものです。
 
1.言われた事も行わない人・・・愚痴、言い訳ばかりの他責型の人間
こんな人はあまり居ないとは思いますが、組織にとっては全く必要性のない人になるでしょう。
 
 2.言われた事しか行わない人・・・これだけやっているのにと言う他責型の人間
成果に拘わらず言われた事だけは忠実に完璧にやるという人は多いように見受けられます。が、給料をもらっているのであれば、言われた事を100%やるのは当たり前のことだし、それは義務というものでしょう。またその反面そんな人ばかりでは将来、組織の発展は望めないのも事実であります。
 
 3.言われた事以上を行う人・・・自主的に仕事に取り組む人で意識が高く、自分の能力以上の仕事をありがたいと思い積極的にチャレンジし、苦しい時も責任は己にあると思う自責型の人間
 
以上の3タイプであります。さてあなたは足下を振り返って見られれば、どのタイプの人間に近いのでしょうか?
 
 これらの3つのタイプの人々の意識や思考の特徴を分類しますと、前述した通りで1と2のタイプの人は物事を他責(責任を他者に転嫁する)にする人であります。3のタイプの人は自責(自己責任)にする人なのです。
 
他責は読んで字の通りですが、自責とは自分を批判する事ではなく、自分の心の中の痛みを受け止める事が出来ることを言うのです。
 
人間の脳は、生活習慣と同じように、知らず知らずのうちに思考習慣が出来てしまうものです。その人が持っている思考習慣通りの結果(能力)しか出せないのです。
 
故に1と2のタイプの人、つまり「他責型の人間」はどんなにあがいても、将来成功者にはならないのです。当然のように将来成功する可能性が高いのは3のタイプの「自責型の人間」であるのは言うまでもありません。
 
(次回に続きます)
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2013/04/20(Sat)

(No.207) 激変時代における経営者の必須条件とは?(2/4)

 前回は、組織の中には3つのタイプの人間がいて、それぞれの特徴は「他責型の人間」と「自責型の人間」に分類できる話を致しました。引き続いて標題の「経営者の必須の条件」について考えていきたいと思います。
 
仮説として、今あなたの会社におられる社員さんや部下の人達は、もしかしたら将来、会社を辞めるかも知れません。

 しかし、経営者として、本当に社員さん達が大切だと思うなら、また社員さん達に対して「あなた達が大切だ、一生手を離さないよ」と心底思われるなら、彼らの一生を考え、彼らの為にも会社にとっても、前回に触れました3のタイプの「言われた事以上を行う社員」さん達を是非とも作らねばならないのです。
 
 一般的に経営者の皆さんは日頃「人を大切にした経営をしたい」と言う人は多いものです。しかしその反面、口で言うのとは反対で、いつも最低のルールや法律だけは守って解雇や首にしたりして「人の入れ替えなんて簡単だ」と思っている人も多いものです。外の環境が厳しいため、求職者の絶対数が多いので「新規採用や求人なんて簡単だ」と考えているからかもしれません。
 
 先ほど「言われた事以上を行う社員」さん達を是非とも作らねばならないと申しましたが、だからこそ、経営者は社員の人達に数字をあげるテクニック教育をするだけではなく、現状よりもより良くすることを考える「思考習慣」を徹底教育しなければならないのです。その為には時には「厳しさ」も必要になるのです。
 
 今回のテーマである、部下を持つ「経営者の必須条件」で一番大切なのは「部下の一生を考えて厳しく育成する愛と思いやり」であります。つまり「優しさ」「厳しさ」はコインの表裏と同様に切っても切れない一対の関係であります。優しさだけが愛なのではありません。厳しさも当然、強い愛なのです。部下に優しくして潰れた会社は世の中に沢山あります。それは部下が悪いのではなく、経営者に真の愛や思いやりが無かったからであります。
 
 従って今後は、ほんの少しの事でも良いですから、その「優しさ」と「厳しさ」の両刀を使って、前述しました3のタイプの「言われた事以上を行う社員」さん達を育てて頂きたいと思います。あなたの愛する彼らの一生の為にもお願いしたいと思います。その結果は必然ですが会社のためにもいいことばかりであると思います。
 
 そのためには彼らの意識を改善させることが必要になります。究極は実在(表面)意識だけでなく潜在意識までをも変えてあげることが必要になるでしょう。口で言うほど簡単ではありませんが、順序として、まず、トップ自身の意識思考習慣を変えることから始められてはいかがでしょうか?心の姿勢を変えることですからコストは1円もかからないテーマなのです。
 
 不可能思考でなく可能思考で、消極的でなく積極的思考で、悲観的でなく楽観的思考で、マイナスでなくプラス思考で、後ろ向きでなく前向き思考などに転換をなさって下さい。
 
 スタートは意識になります。意識が変われば思考が変わり、思考が変われば言葉が変わり、言葉が変われば行動が変わっていくのです。行動に変化が生じればしめたものであります。好循環していくものです。結果も必ずついていきます。(言葉の影響力の偉大さについては、当経営コラムNo194当経営コラムNo195をご参照下さい)
 
 「周りを変えようと思うなら、まず自己を変えることから始めよ」と賢人が教えている通りであります。
 
(次回に続きます)
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2013/04/27(Sat)

(No.208) 激変時代における経営者の必須条件とは?(3/4)

次に、「経営者の必須条件」の中でも重要である「逆境時の心の姿勢とは?」について述べてみたいと思います。
 
 もう数年前の事になりますが、2008年9月に発生したアメリカのリーマンブラザーズ証券の崩壊を機に負のスパイラルが始まり世界的な大不況が起こりました。まだまだ余震が続いていて世界は激動の真っ最中であります。特に我が国では「失われた20年」といわれ、デフレ経済が10年以上も続いています。皆さんがご承知のように、名だたる大企業でさえも生き残るために四苦八苦の状態を呈しています。

 この様な時代に遭遇して、経営者の心の姿勢において何が一番大切であるのでしょうか? それは「厳しさ」「信念」であると思います。前回も少し触れましたが優秀な経営者という人は「厳しさ」「優しさ」の両面を持っているものであります。
 
 経営環境が順境で好況の時というのは、みんな周りも浮かれている為に、あまり努力せずとも消費が高まり、なんとか経営が出来るものであります。好況時は経営者が「優しい」だけでも会社は回っていくものです。
 
 がしかし、環境が一旦逆境や不況に転じた時は「優しさ」だけでは命取りになりかねないのです。「優しい=甘い」という事になるのです。「優しさ」だけでは甘さが露呈し、「厳しさ」不足のために会社を潰した経営者を私はこれまで何人も見てきました。
 
 日常の「優しさ」は決して悪い事ではありません。しかし、リーダーは、有事に際して、いざとなった時には「信念」を持って部下に「厳しく」仕事を行わせるという事が出来なければいけません。時には厳しく叱責したり、部下にとっては苦言であっても口にすることが必要であります。
 
 それが出来ない経営者は、苦しい時に物事を「不況だから」とか「今、デフレで経営環境が悪いから」とか「幹部や社員がああだからこうだから」と理屈ばかり並べて責任を他者に転嫁して他責にするのです。
 
自ら意志決定し会社の舵取りをしてきたのにも拘わらず自分の責任は棚上げにして、原因は全て自己にあり、当然、結果責任も自己に帰属するという自責の念はどこかに吹っ飛んでしまっている人が多いのです。
 
 人間は苦しい時にこそ物事を自責にしなければ強くならないのです。自責は苦しい時だからこそ大切なのです。苦しくなると一般的にみんなが他責にしがちなのです。
 
 さて、あなたは経営者として有事の際に自責の人で踏ん張れる人か、他責の人で環境のせいにする人かどちらの人に近いのでしょうか?   
 
(次回に続きます)
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2013/05/04(Sat)

(No.209) 激変時代における経営者の必須条件とは?(4/4)

前回、あなたは経営者として有事の際に自責の人で踏ん張れる人か、他責の人で環境のせいにする人かどちらの人に近いのでしょうか?と問いかけを致しました。この件に関してもう少し考えていきましょう。
 
私が提言したいことは、経営者が普段の無事、平時の時に「有事の際の自己」を知っておくのは非常に重要な事であるということなのです。
 
と言いますのも平時の際の自己をいかに知っていても、万が一の有事の際に遭遇していざと言う時は全然ものの役には立たないからであります。どうか自己を振り返ってみて、「有事の際の自己」を掴んでおいて下さい。
 
自責か他責かを頭で単に言葉として理解しているのと、「信念」として自覚して日頃の行動まで出来ている人では180度人間のタイプが分かれて行きます。特に経営者は日頃から「自責の人」を実践していないと、いざと言う時には人間の弱さが出てスッと他責の人にすり替わっていくものです。
 
 今後、万が一会社の経営が苦しくなる様な事が起こったら、それは不況のせいではなく、また他責にするのではなく、全て自分の責任と捉えなければいけないのです。
 
 経営とは、マーケティング(市場開発機能)とイノベーション(革新機能)を起こす事であります。「経営の基本的2大機能」と呼ばれています。
 
実は、成功する人間というのは、こういう不況時にこそ、前回にも触れました様に心の姿勢面で一番大切である「厳しさ」「信念」から知恵を発揮し、真のイノベーションを起こすものなのです。
 
 それらを起こす為に、不況時は「不況だから」とか「環境が悪いから」とか「消費が冷え込んでいるから」という「一切の他責」を許さない信念をリーダーが持ち続け、組織にそれをルール化し浸透化し意識の大転換をしなければいけないのです 
 
 逆境や不況は組織のこれまでの「人・物・金・時間」の無駄な膿みを吐き出し、新しい進化した組織をつくる為に神様がくれたプレゼントなのです。
 
 「不況なお良し、不況は最大のチャンスなり」松下幸之助氏) 「逆境は神の恩寵的試練である」等の箴言の真意をしっかりとかみしめたいと思います。
 
 現状の様な政治も経済も経営も世界的な激変時代は、経営者にとって大変なピンチではなく、1世紀に一度の大チャンスなのです。その大きな激変の時代の中でお互いに生きているのです。その環境をピンチとするかチャンスと考えるかその受け止め方一つで、どんなにも変化することが可能であります。

 「人生は 受け止め方で どんなにも 変化するもの ありがたきかな」であります。
 
最後になりますが、今こそリーダーの資質や必須の条件が、切に求められている環境は他にはないと思います。前向きに考えれば、今は最高の時なのだとも考えられます。反論も聞こえて来そうですが・・・。
 
これを越えた先には、きっと素晴らしい未来が待っていると思います。苦しい時にこそ、積極的な心で前向きでワクワク心で挑む、それが真のリーダーに求められる心の姿勢なのです。
 
 ややもすると傾きがちな己の心を、この際、垂直に立て直して、より切磋琢磨、より刻苦勉励をして行こうではありませんか。無数の未来のために、たった一つしかない今を大事に致しましょう。
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2015/02/28(Sat)

(No.304) 社員の価値観を会社の価値観とつなぎ合わせるには? 

  私達が最高価値観に基づいて実行していない場合は、どこかに納得できない部分が残るでしょう。いつも不満足のままで終わってしまうでしょう。そういう人に限って「人生の目的がわからない」と言って悩むものです。そして不満な部分を何か別なところで満たそうとします。その顕著な例が物質主義になるでしょう。
 
自分がインスピレーションや霊感を通して感じた使命を目的に生きる代わりに物で心を満たそうとするのです。人生の基本の生き方は、使命に基づいて目標に向かう生き方の方が、物質を求めて生きるよりは、ずっと生き甲斐のある、また知恵のある生き方なのではないでしょうか
 
サラリーマンにありがちですが、他人の目を気にしながら自分の価値観を捉えようとしてしまいます。
権威者や上司など他人の価値観に従属してしまっていて、自分の最高価値観に気づかないまま生きている人が多いのも事実でしょう
 
  でも、現実の日本の社会では、会社や上司の期待に沿って生きることが美徳とされているのが現実でしょう。そういう環境の中で、最高価値観を身につけるにはどうしたら良いのでしょうか?しかし、その壁は努力によってきっと乗り越えることはできるはずであります。
(自分自身の最高価値観をいかにして見つけるかについては、当経営コラムNo303をご参照下さい
 
どの会社にも経営理念使命というものがあります。もし社員の皆さんが、自分の最高価値観を会社の価値観である経営理念や自分の業務・仕事とつなぎ合わせることができたら、その会社で働くこと、自分の仕事を遂行することが自分にとっての最高価値観を満たすことになるでしょう。
 
  それができれば本人のやる気やりがいモチベーション)は格段に上がり、それに伴って仕事の生産性も向上します。会社も今よりもっと成長発展することが望まれるでしょう。その本人も会社も同時に満たされて一石二鳥で両者共に成長できるわけで、こんなに素晴らしいことはないと思います。
 
  この状態は、会社や上司に従属して自分を犠牲にしているのとはわけが違います。社員本人が自分の仕事や職務が自分の最高価値観を満たすものだと明確に認識することによって、自発的に働きたいという思いや意志や意識が芽生えていくのです。この時、誰かの指図や外部からの働きかけは必要ないでしょう。働くことは本人の意志であり願望だからです。
 
  外から企業を眺めていますと、多くの企業が抱えている課題は、社員がその会社で働くことに充実感や満足感を感じていないことです。そこでリーダーやトップリーダーの方々に提言したいことは、欲求不満を抱えている社員さん達に尋ねてみて下さい。「私達の職場や会社はあなたの価値観をどの様に満たしているだろうか?」と。私はこのコミュニケーションがとても大事だと考えているからです。
 
  社員がもし、欲求不満・フラストレーションを感じているということは、会社の理念や目標とのつながりを理解していないことを意味しています。残念ですが・・・。
 
だからこそ、経営者やトップリーダーの方々がやるべきことは、コミュニケーションを通して、会社と社員の価値観を上手くつなぎ合わせてあげ、社員の仕事や職務へのやる気・やりがいを高めてあげるサポートや支援をすることが非常に大切だと思います
 
ところで、会社と社員の価値観を上手くつなぎ合わせることは、組織内に「共通の価値観」を持たせ、価値観を共有化させるということになります。以前に触れました様に、「組織風土」とは組織の構成員に「共有化された価値観」のことと述べましたが、ずばりこのテーマそのものになります。
 
 価値観とは各人の考え方であり、各人の行動決定の基になるものです。人間観・人生観・使命観・職業観・経営観などと細かく別れていきます。100人おれば100通りの考え方があり行動も違います。組織において個々人の価値観に任せておけば組織力・団結力・結束力・全社のエネルギーや勢いが発揮されないのは当然で、バラバラでは崩壊してしまいます。成長発展どころではないでしょう。
 
   従って、目標や目的達成に向けた価値観の共有化 が大切になるのです。そのためには組織のトップリーダーである社長のリーダーシップが必要不可欠になります。人心の掌握と意志の統一、十分に心を開いてのコミュニケーションとモチベーションがこの上もなく重要になります
 
  もし「共通の価値観 」が形成されてない場合には、組織として共有すべき価値観を明確にすることから始めて下さい。次にそれらの価値観を明文化し、共有すべき価値観として、全組織の末端まで浸透させることが必要となります。
 
  口で言うほど簡単ではありませんが、時間をかけてでも取り組んで頂きたいと思います。「経営理念」や「社員の行動規範」として形になさると良いかと思います。形になった後のフォロー、浸透活動も忘れないで下さい。活学実践を期待致します。
 
 
 
★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp
 
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