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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2010/01/02(Sat)

(No.35) 「エントロピー」と「シントロピー」

  一本の釘がある。それはいつかは錆びてボロボロになる。この様に、物事が破壊や崩壊へ向かって進む過程を「エントロピー」といいます。「エントロピー」の変化の速度は、環境によって大きく左右されます。塩分を含んだ海沿いの場所では釘は錆びやすいが、塗料でコーティングすれば錆を抑えることができます。
 
  また逆に破壊・崩壊の流れを修復・再生へと向かわせる過程を「シントロピー」といいます。
全ての命、生きもの、組織や企業は死が宿命づけられている以上、「エントロピー」の流れの中に存在しているのです。

 しかし、自然の摂理は「エントロピー」の機能と同時に「シントロピー」の機能も命に与えています。
 
 人間の体は驚異的な機能である新陳代謝で再生されています。病気になれば、自然治癒力(回復力)が働きます。全て「シントロピー」機能の働きなんです。有難い機能です。

 しかしながら、「シントロピー」機能が正常に働くためには、自然の摂理に則した日常の生活が必要なんです。
例えば「よい食事」や「よい生活習慣」や「精神力の状態モチベーション」や「水・休養・運動」などが必要です。その結果、細胞・血液などは約120日(4ヶ月)でほとんど入れ替ると言われています。

 人間の体は正直そのもので、ウソはつかないものなんですね。自分の体で実践してみると「シントロピー」の機能を確認できるかも知れません。

  話は転じて、経営も人間の体と全く同じであります

 信じ難いでしょうが、経営体も「エントロピー」と「シントロピー」の機能を保有しています
「シントロピー」の機能が正常に働くには、経営者が「天地自然の理」を知り、これに従って実践することが必要であります。
 
 この事は№15にて、松下幸之助氏が同じことを教えられています。
「天地自然の理や宇宙の哲理に反したことをすれば必ず滅びます。それは真理に反しているからです」と。

 「目先のこと、自分のことばかりに執着すると真理に反しているから必ず行き詰まる」と、ドキッとする程、厳しい教えでしたね。
 
  幸之助氏は「エントロピー」と「シントロピー」の機能をその当時から、ひょっとしたら、ご存知だったのかも知れませんね。今となったら知るすべもありません。 「エントロピー」と「シントロピー」、聞き慣れない言葉でしたが、ご参考に。

〔追伸〕

  新年明けましておめでとうございます。
当コラムがスタートしてから早いもので2年目に入りました。
昨年は読者の皆様から励ましの言葉・感謝の言葉などを賜り厚くお礼を申し上げます。
 本年も一心不乱の気持ちで執筆させて頂きますので、宜しくご指導ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。
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2010/01/09(Sat)

(No.36) 組織を永続的に保つための社長の心得とは?

【ケース1】 実務能力不足の社長のケース

  結論から言えば、社長は一つひとつの技や力などの実務能力で社員と競う必要はありません。既に周りに力のある賢人達が集まっているので、その人達と競う必要はないのです。それぞれの職場の人達よりも社長が優れている必要はありません。自分より実務能力がある社員をまとめていけば良いのです。

 むしろ、能力のある人達が社長の周りに沢山いるほど、会社は伸びていきます。社長はその一人ひとりに実務能力で劣っていても構わないし、むしろ自分以上の技術者や自分以上の力を発揮する人達が周りにいた方が良いのです。
 
 そういう社長は能力が無いのではなくて、「大いに組織を保つ能力がある」と言えるのです。 何故ならば、その職場において一人ひとりの賢人達の力を十分に発揮させることができるからです。それが社長の務めなのです。

 そのためには、実務能力を磨くより話すより聞く能力、相手の心を読む能力、譲る能力、後継者を育てる力を付けて、何よりも我社の一人ひとりの人材の能力を発揮させることが重要です。つまり、各人が本来持てる力をあますことなく育てて開花させる、これが社長の役割なのです。

 賞賛されるべきケースであり、「こういう状態の方が将来も順調に推移する」と古典は教えています。
また、アンドリュー・カーネギー(鉄鋼王)は、「経営とは自分より賢い人間を自分の周りにおくこと(成功の秘訣)」と同じような教訓を残しています。

【ケース2】 社長だけが能力実力ありきのケース

  前のケースと正反対で、社長一人だけに能力があって周りの人達がどうしても社長に勝てないという状況です。中小企業では社長はスーパースターが多い様で、なんでもできる社長がいます。プレーもでき、マネジメントもこなすプレーイングマネージャーです。

  このケースでは、社長は毎日大忙しで、周りの皆から信頼され賞賛され大切にされます。 しかし、社長の能力が優れ過ぎているために周りがなかなか育ちません。
 
 前述の“実務能力不足の社長”のケースでは、実務を社長に任せておくと心配ですから、周りは必死になって頑張ります。ですから社長が暫く入院しても業績は上がるか、キープできます。 社長は社員を信頼して社員の能力開発に努めていますから信頼関係もできています。
 
 しかし、このケース2(社長だけが能力実力ありき)では、社長がうっかり寝込めません。 自分に最高の能力があるのですから、社長はどうしても頑張らなければなりません。 社員一人ひとりには尊敬され、大切にされますが、これは危うい状態です。 悪くはないけれども、“実務能力不足の社長”のケースより落ちる又は危険性が高と考えて良いと思います。

 その理由は“人を育てる”という最大機能が発揮されていないからです。なかなか後継者が育たず、世代交代ができず、交代すれば破綻が恐いからです。

 さて、あなたの会社は、どちらのケースに近いのでしょうか?

〔補足〕

 業種、業歴、規模に関係なく会社はケース1か2に区分ができるようです。 やはり経営者は、創業当初から“人づくり”に注力しておかないと時間が経てば経つ程、人が育ってないのを実感するものです。

  “人づくり重心経営”を!!
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2010/01/16(Sat)

(No.37) P/PC バランスとは? (スティーブン・R・コヴィー)

  イソップ物語に“ガチョウと黄金の卵の有名な童話があります。
毎日、黄金の卵を生むガチョウがいましたが、一日一個しか生んでくれません。農夫は町へ出かけて行き、黄金の卵をお金に換えて、金銭的に裕福になっていきました。

  ある日、農夫は一度にもっと黄金の卵がほしいと考えて、ガチョウを殺してしまいました。お腹の中を開けてみてガックリ、中には一個の卵もありませんでした。

  欲張って目先のみ、自分のみ、損得のみの判断で結果(利益)ばかりを一度に求めようとした為に貴重な資源(ガチョウ)を無くした愚かな者(経営者・社長)、この様なストーリーです。

 経営や仕事、日常の生活で活用・応用が充分できる含蓄のある論理であり、“P/PC バランス”の教えになっています。
とは、Performanceの頭文字で、目標達成・結果を出すことで目的です。

 PCとは、Performance Capabilityの頭文字で、目標達成能力、結果を繰り返し生み出す資源のこと原因であり手段です。
 
 このストーリーでは、金の卵がPで、目標を達成すること、又は結果を手に入れること、経営で考えると生産性の向上や利益を意味します。

  ガチョウがPCで、目標達成能力であり、結果を繰り返し生み出すための資源であり、経営で考えますと、人的・物的・金銭的資源を意味します。つまり、経営の三要素と言われる、ヒト・モノ・カネに相当します。

  この物語はひとつの法則、あるいは原則を教えてくれています。
つまり“真の効果性とは何か”を示唆しているのです。

 ほとんどの人は、効果性あるいは成功について考える時、黄金の卵のことだけを考えがちであります。生産や売上を上げ、目標を達成しさえすれば、それが効果的だと思いがちです。しかし、“真の効果性”とは一方だけでなく二つの側面があるのです。

 反復になりますが、目標達成や結果を得る(黄金の卵)ことと、結果を得るための資源、又は目標を達成する能力(ガチョウ)の二面が必ず存在しているのです。

  つまり、ガチョウをおろそかにし、黄金の卵ばかり追い求めてもダメだし、反対にガチョウの世話ばかりして黄金の卵のことを全く考えないのも、収入が途絶えてしまいダメになってしまいます。

 要するに“真の効果性”とは、この二つの側面の“バランス”にあることがわかります。だから先述の“P/PC バランス”と呼ばれて有名な言葉なのです。

 先程、経営の三要素(資源)、ヒト・モノ・カネはPCに相当し、目標達成能力だと説明しましたが、人的資源が一番重要だと考えられます。何故ならば、人が物や金の資源を全て支配し、コントロールしているからです。又受注活動や販売活動、生産サービス提供活動など全て顧客との人的関わりが有り、接触しますから特に重要になります。
 
 顧客をおろそかにし、信用信頼を裏切った結果として、固定客という資産(ガチョウ)を失くしてしまった例などは枚挙にいとまがありません。

 多くの会社で口先では顧客満足をうたい文句にしながら顧客と接する社員のことを全く無視している会社も多い様です。

  この“P/PC バランス”の原則で考えるなら、「顧客満足を願うなら、一番大切な顧客に接するのと同じ様に社員にも接しなさい」と言えます。

 人の手足はお金で買う(採用・雇用)ことはできますが、心を買うことはできません。熱意と忠誠心は人の心の中のものです。背中は買えても頭の中を買うことはできません。

  経営者がいつも欲している社員の創造力、創意工夫、改善の精神は頭の中に宿るものです
組織の目標達成能力で最重要な人的資源(PC)を育成するには、社員を顧客と同様に扱う必要があるのです。現在の様に、激しい環境変化に対応しなければならない組織にとっては、社員が率先力を発揮し、熱意と知恵を自発的に活かしてもらう以外に成功する方法は考えられなのであります。

  最後に、どうかPばかり追求せずに、PC活動の重要性を理解され、経営や日常生活で活用されんことを切に望むものであります。きっと良い効果が期待できることでしょう。
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2010/01/23(Sat)

(No.38) 創業〔未済(びせい)〕と守成〔既済(きせい)〕の違いについて (易経より)

 未済(びせい)とは未完成から完成に向かう時を表しています。未(いま)だ済(ととの)わずです。済(せい)とは、大きな川を渡るの意味です。まだ川を渡っていない状態で創業したての会社の時・状況を想定して下さい。

 「未済(びせい)は亨(とおる)」と教えています。創業はやり方一つでうまく行くので、心配はご無用です。

 小狐が川を渡るのは大変なことで、渡れっこないが、どんな小狐でも渡る方法があると言っています。
大人の狐なら川を渡る方法は全てわかっているが小狐は何も知りません。体験もしていません。
 
 だから、「まず自分には力がないことを知りなさい」と言う。しかし、力はないけれど確乎不抜の“大いなる志”は必要なのです。“志”を成就させるために“謙虚に学ば”なくてはいけません。 先人の知恵に先達者に学ぶこと、力もないのに焦って渡り始めるのではなく、自分に足りないものを時間をかけて“謙虚に学ぶ”ことです。
 
 同時に体力や筋力(資本力・社員の力量・固有技術等)をつけておく必要もあります。なにせ大きな川を渡るのですから体力がないと、途中で溺れ死ぬこともあります。
 
 “謙虚に学ぶ姿勢”があれば、必ず指導者や協力者が現れてくると教えています。 時が来たと察知できれば、十分に警戒しながら勇気をもって果敢に渡り始めなさい、と教えています。

  創業の時は、時の勢いがあります。“謙虚に学ぶ姿勢”さえあれば、必ず物事は成就します。助けてくれる人も必ず出て来ると教えています。創業したての会社には、創業に失敗しない道があります。それが未済(びせい)創業(時)の教えであります。心したいものであります。

  次に既済(きせい)とは、完成から未完成に向かう時を表しています。既(すで)に済(ととの)っているから、既に渡ってしまっているからの意味です。
 
 企業では、例えば創業者が事業を軌道に乗せ後継者に承継した時期に当たるでしょう。「既済(きせい)は亨(とおる)こと小なり」と教えています。

 「初めは吉にして終わりは乱れる」と言い、一旦、済(わた)ったものは、必ず時と共に乱れていくとの教えです。 向こう側(対岸)から過去に渡った場所や時を振り返って見ることです。初心やその当時に努力したり、苦労を乗り越えた過去がありありと思い返されます。

  既(すで)に渡った者は、その力に驕(おご)ることなく今の状態をどれだけ長く保てるかを慎重に慎重に警戒していかなくてはだめですよと教えています。

 大きな船のメンテがうまく行かず、あちこちに穴があいて水がしみ込んでくるから慌てて、あたりにあるボロ切れやボロ雑巾で穴を塞(ふさ)ぐが、ふさいでもふさいでも水がまたしみ込んで来ます。
 
  企業や会社でも同じであります。守成の重要さが言われています。 既済(守成)は、社会的に盤石だと思われても、「存して亡ぶるを忘れず」の精神を忘れたら、いつの間にかボロ船となって沈んでいくのですよと戒めています。

  さて、あなたの会社は未済(創業)と既済(守成)のいずれに近いのでしょうか?ご参考に!!

〔補足〕

  「創業と守成といずれか難(かた)きや」との名問答も残っています。唐の太宗と、諌臣(かんしん)達との議論です(貞観政要)。どうも守成の方が難度が高い様です。

 その理由は、業歴が長い企業でブランド力・認知度シェアも高い企業が滅びていくのを現実に見ますとその様な気が致します。

 “永続”は本当に難しい様であります。“永続”するという視点での経営が一番ランクの高い経営哲学であります。 目先や一時的や短期主義での経営は末節の思想で本質ではないとお考え下さい。将来、必ず行き詰まるのです。 それで良いのだとお考えの方は一人もいらっしゃらないと思っております。古典に学び活学を!!
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2010/01/30(Sat)

(No.39) 人間と企業の成長過程について(1/2)

  人間の成長過程には、しかるべき順序とプロセスがあります。
近道してステップアップしようと思っても、絶対に不可能であります。
手抜きをしても、いずれ化けの皮がはがされるのが落ちであります。
 
 社長業、経営者業、ピアノ演奏、テニスの実践、皆同じであります。
それは自然の理に反しているからです。
自分の無力を認めることが成長の第一歩で、「千里の道も一歩から」とは良く言ったものであります。

  本日のテーマである人間の成長過程には、大きく三つの段階があります。
   一段目は、“依存”の状態
   二段目は、“自立”の状態
   三段目は、“相互依存”の状態であります。

 まず、一段目の“依存”について。“あなた”という概念を持っています。あなたが結果を出してくれる。結果が出ないのは、あなたのせいだ。他人に頼らないとダメですの状態です。
 人は皆、最初は依存しきった赤ん坊として人生を始めます。他の人によって方向づけられ、育成され、養成されます。
  しかし、年月が経つにつれ、人は徐々に肉体的に経済的に知的に、そして精神的に成長していくことになります。

  基本的に自分のことは自分でやり、自己決定のできる独立した人間に成長していくのです。
これが、二段目の“自立”の状態です。“”という概念が中心です。私はできる。私の責任だ。私が結果を出す。私は選択できるの状態です。
自立だけでも大変な成功です。しかし、自立は最も高いレベルとは言えません。
 現代社会の概念は自立を最上位の王座につかせています。残念ですが・・・・。
現代社会において自立が強調される主な原因は、今までの深い依存状態、他人にコントロールされ、利用され、操られることに対する反動でもあります。

 次に三段目の“相互依存”について。これは最後の最高の段階であり、相互依存の状態といいます。相互依存は“私たち”という概念であります。
私たちはできる。私たちは協力するの状態です。
 自分の努力と他人の努力を引き合わせて、最大の成果を出すという概念であります。
私たちが保有している才能と能力を合わせれば、もっと素晴らしい成果を出せる」という考え方のレベルであり、最高のレベルであります。
 “相互依存”は自立より、はるかに成熟した高度な概念であります。

  次週に続きます。経営に応用して、考えていきます。
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