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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2010/11/06(Sat)

(No.79) 社長として断固なすべき10の仕事 (2/3)

④ “新たな収益源を創り出す”ことです。

 外部環境の変化や景気の循環に左右されずに成長発展を可能にするために必要です。
新商品、新サービス、新規事業、新業態の開発の準備です。企業が持つべき基本的2大機能の一つである「革新機能」の発揮のことです。
 
 そのためには、日頃の経営活動の中で、マーケティング戦略の体系に自社を当てはめてみて常にマーケティング活動が実施されているかどうかがポイントになります。マーケティング活動とは、企業を中心に据えた活動でなく、顧客や市場を中心に置いた経営活動のことを言います。
 
 目の前の売上や販売に注力ばかりしていると短期的志向に陥りがちになり、長期的志向であるマーケティングという視点が欠落しがちであります。時間をかけながら取り組んで下さい。
 
 企業を取り巻く経済環境の概念である好不況は周期を伴って必ず循環します。2008年9月のリーマンショック以降の世界的経済不況は長期循環波動説(コンドラチェフのサイクル)とも言われています。20世紀と21世紀をまたぐ潮目の変化・兆しと捉えましょう。いろんな要素が複雑に絡み合って新しい状態に創造進化している兆しが露呈しているのでしょう。
 先進地域と新興国の世界経済が平準化・均質化するまで、この状態は続くといわれています。

⑤ “社長と社員の心を一つに合わせる”ことです。

 「異体同心」の組織を創ることです。「大同小異」で良いと思います。「同体異心」の状態では、各人がバラバラで組織としての力やエネルギーや勢いが発揮できませんから、何をやっても効果は期待できないでしょう。
 
 社長は集団のパワーを一点に集める人であります。社長が自分の利益のみを目的とし、私心があれば、下は心からついてこないものです。社長に公的精神があれば、下は納得し尊敬してきっとついてくるものです。要は社長の人間性・志一つで決まります。「」という字は、十の心(沢山の人の心)を一つにすると書き、リーダーや社長のことを指した文字です。リーダーの必須条件の一つであります。

⑥ “組織を活性化”させることです。

 腐った組織ではダメです。組織には何かを創造しようとするエネルギーがあるものです。また、組織とは頭から腐っていきます。下からと考えがちですが、上から腐るものです。1+1=2、2+2=4、この論理は知識と理性の世界です。組織の力は運用の仕方によっては、1+1が2.5にも3にも、2+2が5にも6にもなるものです。これがエネルギーです。
 この世界を感性の世界といいます。結果として、相乗効果が出るし出せるものです。目には見えないエネルギー発揮の世界のことです。
 
 組織構成員が命令受領型になってしまってはエネルギーや勢いは望めないでしょう。自主的で前向きに動く、動機付けが進んだ組織を創って下さい。上から指示を受けたり、言われないと動かない人達は動機付けができていない状態です。
 指示を受けずとも自ら積極的に動く人が動機付けが充分にできている人とお考え下さい。回りを見渡すと一目瞭然で判別できるものです。
 地位や権限や命令などの理性で引っ張るのではなく、人間性を中心にした感性で引っ張っていくのが効果が上がるでしょう。理性より感性の方が力があるのです。
 
 社長が一人で機関車の役割を果たし、動力(源)を備え、幹部や社員は客車で動力を備えてないと、社長一人で引っ張るには相当のエネルギーが必要となります。今後は一人一人、一両一両が、動力を備えた列車の編成にすることが必要でしょう。そうなれば、組織力やパワーが格段に向上します。

⑦ 社員の努力が実るような“賃金決定”をすることです。

 成果主義・能力主義・分配主義の研究と導入実践です。正社員、非正社員、パート、アルバイト等と人間を区別区分しがちですが、それらは理性型の社長が損得主義で考え出したシステムにすぎません。もっと常識にとらわれない個性ある柔軟なシステムを構築しないと今後の中小企業は成長発展が難しいものと思われます。業種にもよると思われますが・・・・。
 
 人事考課も人物評価から達成度評価にシフトしつつあります。何よりも実績を評価することです。彼は何々ができるはずだ、できそうだとの「保有能力」を見るのではなく、彼は何々を実際にやっている、何々ができたとの「発揮能力」で人を評価して下さい。過度な成果主義中心の考え方は、数年前から見直されつつありますからこの点はご注意下さい。

 (次回に続きます)
 
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2010/11/13(Sat)

(No.80) 社長として断固なすべき10の仕事 (3/3)

⑧“学習と成長の仕組み”を作ることです。

 「教育とは、馬に水を飲ませるが如く難しい」と言われます。本人がその気にならないと、おいしい水は飲んではもらえません。また、のどが渇いてないと、おいしいとは決して思いません。教育・愛情・勉強みんな同じであります。押しつけ教育では効果なしとの意味であります。
 
 また、コップが立ってないと、いくら水を注いでも水は入りません。その本人の“”を立ててあげることです。心・意識まで変える必要がありますが、人間の魂や核心にせまる問題ですから難問中の難問であります。
 要はきっかけ作り、動機付けがいかに最重要かと言うことであります。トップの力量が大いに問われていきます。(当経営コラムNo.49参照)

 学習内容とステップについては、知識・技能・習慣化・体験と順々に進めることです。究極は人間性、人格、徳性の向上であり、徳性の上に立った才能の運用という点が到達点になると考えて下さい。
 
 知識や技術や資格などは、仕事や人生を有意義にするための道具にすぎず、いかに道具が素晴らしくても、それらを使用する本人が人間として立派でないと有効に活かされないからであります。(当経営コラムNo.21参照

⑨“顧客を訪問する”ことです。

 買う側の人々の本物の心理をわかることです。顧客は、何が不満なのか?何が不足なのか?何が不便で不安で不快で不要なのか?を教えてくれるものです。
 社内で社長室で穴熊のごとく一人でいろいろと想像して考えるより、現場に出向いて常に顧客に尋ねてみることが重要です。ただそれらのニーズや望みに合わせるように仕事を進めるだけで良いのです。
 
 社長は優れた“トップセールスマン”になるのではなく、“マーケッター”になることが今後の経営活動ではすごく大事な点になることでしょう。
 ④(当経営コラム№79参照)で述べた“新たな収益源を創り出す”ためにもこの活動は絶対避けてはならない項目であります。

最後の⑩“毎期の利益目標を確実に達成”させることです。

 “固有技術”でも“社会技術”(人事や組織運営の技術のこと)でもなくて“管理技術”の問題です。(当経営コラム№30参照)主に「計数管理」面の領域です。計数管理とは、その技術の優劣で利益の増減に直結するテーマです。計数を駆使できるか否かで儲けの度合いが左右されると言っても良いでしょう。
 ③(当経営コラム№78参照)でも触れましたが、適正利益を毎期確実に達成させることにつながる領域です。 

 決算は12か月の業績の集計作業ですが、決算間近になって慌てても時が既に経過した後であり、業績を変えることは手遅れで不可能です。決算業務を他人まかせの企業が多くて困ったものです。
 
 年間を4期に分け4半期毎(3ヶ月毎)の計数管理を導入し、“過去管理”から脱却し“未来先行管理”に切り換えることです。毎月の月次試算表のチェックは当然必要であります。計数に強い社長を目指して下さい。
 
  財務会計から管理会計への日頃の組み換えは当然です。経営の為の会計処理ですから外部報告用の会計では役に立たないと考えて下さい。報告用では経営に応用ができないからです。営業や人事の様に答えが不明確な問題を扱うのではなく、定量的で答えが明確である問題を扱いますから割と簡単でもあります。実務への応用理論や公式は沢山ありますが十分に活用されてる企業は少ない様に感じております。残念ですが・・・・。
 
 企業規模が少し大きくなりますと、計数管理もできれば部門別、顧客別、商品別、地域別、営業所別、営業マン別、本社共通費などの収益管理の導入と実践が必要です。勘定科目も柔軟に経営目的に合わせて変化させて下さい。その理由は、問題が発生した時に、細分化情報が整理されていないと速やかに手が打てないからです。ハイスピードマネジメントが主流になりつつあるのに時代の波に乗り遅れては効率性や効果性を追求するのが不可能になるからです。
 
 ITツールは一昔前と比べたら格段に進歩しています。あくまでも道具であり手段でありますが、大いにIT技術も活用すべきだと思っています。

 今まで10項目にわたり、社長業として是非取り組んで頂きたい最重要な仕事を選んで述べてまいりました。どれも、大きなテーマばかりで短期で一朝一夕に実現できるテーマは一つもありません。目先のことに終始して忙しい社長が多いのは承知していますが、“急がば廻れ”の教えを思い出して頂き、果たしてどれだけ実行できているのか否かを、自己チェックして頂きご活用頂ければ、有難いと存じます。

 (注意)企業の体質により優先順位が異なるため、順不同であります。

 [ 補足 ] テーマの振り返り 10項目

  ①経営理念の決定
  ②経営戦略の策定
  ③適正利益を確保する
  ④新たな収益源を創り出す
  ⑤社長と社員の心を一つに合わせる
  ⑥組織を活性化させる
  ⑦社員の努力が実るような賃金決定
  ⑧学習と成長の仕組みを作る
  ⑨顧客を訪問する “トップセールスマン”ではなく“マーケッター”を目指す
  ⑩毎期の利益目標を確実に達成する
 
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2010/11/20(Sat)

(No.81) 社長の人間観である経営姿勢と経営観を確立させよう (1/3)

 企業が永続的に存続し成長するには、どんな経営姿勢と経営観で臨めば良いのでしょうか?
今から約100年以上前の頃に、「日本資本主義の父」「日本実業界の父」と言われ、500超の会社を起こした実業家、渋沢栄一氏の教えを紹介したいと思います。
 
 「論語と算盤は表裏一体。義と利は表裏一体」「富を得る前提に道徳がある。実業界には道徳が必要である。論語の精神でやれば必ず事業はうまくいく」との教えが中心でした。彼の言葉通り、実際その通りになりました。有言実行の人でありました。

 彼よりもっと大昔に、中国古典の「菜根譚」には、「徳は事業の基なり」との教えがあり、他の古典である「大学」には、「経営の基礎に人間の道があってこそ盤石である」と両古典とも同じことを述べ伝えています。今から約2500年も前から聖賢が教訓を述べ、現代に生きる我々にまで道しるべを残してくれていると思えば感動せざるを得ません。

 日本で一流と言われる企業には、渋沢栄一氏や聖賢の教えの通りに、「義」と「利」がイコールとなる哲学があります。二流三流の会社には、その様な哲学は、微塵もなく、ただ商品と経営技術があるのみです。

 何百年と続いた企業には、その哲学が経営理念の中に折り込んであり、何代も何代もトップが代わっても経営思想や哲学は引き継がれ存続しているものであります。

 ところで、「」(人間としてあるべき道)が基になり生み出されるのが「」であります。「信」つまり信用・信頼のことです。「企業の最大の宝は、社会的信用である」この言葉はあまりにも有名で知らない経営者は一人もおられないと思っております。確かめたことはありませんが・・・・・・。

 人や組織・企業とどう付き合うか?あるいは付き合うべきか否か?を決定する基準になるのが「信」つまり信用・信頼であります。 信用はお金では決して買えないのは、皆さんご存知の通りであります。(当コラム№47参照)

 本題に戻り、我々企業経営にたずさわる者は、日頃どんな経営姿勢で臨めば良いのか?を少し具体的に考えていきたいと思います。

 先程の「信」についてですが、信用を創るには一体どうすれば良いのでしょうか?言葉で述べるとすごく簡単でありますが、誠実であり決して嘘をつかないことです。また、約束したことはきちんと守ることです。

 日頃の挨拶をきちんとする。付き合う上での礼節を守る。引き受けた仕事は早くきれいに仕上げる。手抜きなどは絶対にしないことです。正直で素直で謙虚であり要領を使わないことです。割に合わないことでも進んですることです。人格がある、などなどであります。難しいことは、何一つない様です。全ての行為を一度に実行する事はありませんが、常に意識せずとも、習慣化できるまでならないといけない様です。

 知識や技術(付属的要素)でなく、人間の本質的要素である徳性習慣のテーマであり、実践できて初めて「」となり「道徳」となり、「」が醸し出されるものです。ある程度時間がかかるものであります。

 (次回に続きます)

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2010/11/27(Sat)

(No.82) 社長の人間観である経営姿勢と経営観を確立させよう (2/3)

 前回、「信」について考えてみましたが、「信は商売やビジネスの原点」であります。
では、もう一歩具体的に考えて、買う側やお客様に対する姿勢や活動はどうあるべきなのでしょうか?

 企業側を中心に据えて、商品やサービスを“買う側の立場”から離れ、自社中心、自己中心、損得一辺倒、私利私欲、利己の心のみ、目先のみの姿勢では“買う側の立場”から見ると感動も満足もあったものではありません。一時的には売上や受注や販売が成立したとしても永続や継続という視点で考えると否定せざるを得ないと思います。

 これらと全く反対の姿勢や心理が大切でしょう。つまり、他己中心、利他の心、喜他の心、公利公欲、全体の利益、公的精神などを中心にした経営活動でないと永続は不可能であると思います。

 その理由は、本来企業や会社とは、私事・私器ではなく、公事であり、社会の公器であるからなのです。会社や企業は誰か一人や二人だけの、私物では決してないのです。商店も会社も企業も事業も経営も商いも、みんな同じで“公事で公器”なのです。

 それは違う、私達数人が資本金を出資して設立したので全て私達数人の私有物であると考える方の気持ちもわからないではありませんが、その気持ちから脱却できない限り、成長や発展はある時期まではできたとしても、それ以降の発展はどうあがいても不可能であるでしょう。

 もし万が一、その様な考えと姿勢をお持ちで経営をなさっておられるなら即刻考えを改められることを提言いたします。「私」を極力無にする事です。さすれば成功の条件の最低条件をクリアしたことになります。

 先程述べた「利他」とは、まず自分達より先に、他人に、相手に利を与えるの意味であり、人のために尽くす、役に立つ、満足させる事をいいます。次に「喜他」とは、他人を心から喜ばす事をいいます。今回のテーマの経営姿勢や経営観においては“己を忘れて、「利他」と「喜他」の姿勢や実践が最高の思想・哲学である”と考えて下さい。

 「人のため世のために尽くすんだ、貢献したい」と考えれば、小さな我や欲が引っ込み、心が高まっていくのは実はここからがスタートであり、社長本人の徳の醸成が始まっていくのです。

 昔から教えられている様に、人間であれば誰でも生命の誕生と同時に備わっている、与えられている「」というものを発揮するのに曇らせたり押さえたりするのは、「」と「」と「」の3つの様であります。簡単には実現できませんが、無私、無我、無欲のことばの深い意味を理解したいものです。

 この様な考え方で、本当に企業や会社が、うまくいくのか?と疑われるかもしれませんが、信じる信じないに拘わらず、絶対必要で絶対必然の原理なのです。経営者が従うべき価値のある真理なのであります。この点が、真に分かって実践できれば、もうすでに王道に入ったも同じであります。

 経営者、社長がこの考え方を“信念化”できれば、が一段とグッと高まるため、幸せにできる人の数が圧倒的に増えていきます。もち論、事業は発展の方向を向いていきます。

 “信念化”できれば、次に部下や周囲の人々に、言葉に出して語って下さい。全ての面で変化、改善、改良が進み良循環していきます。また、即効果が出てきます。

 ここで注意して頂きたいのは、頭で理解しただけでは、“信念化”はなかなか難しいものでもあります。何度も一人の時に静かに沈潜(心を落ち着けて深く考えること)して、自己を深く深く掘り下げて下さい。“信念化”がきっと出来るでしょう。
 
(次回に続きます)

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