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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2012/07/07(Sat)

(No.166) リーダーシップとは?についての考察 (2/2)

 前回に続きリーダーシップについて考えていきたいと思います。
従来、リーダーシップとはあくまでもリーダーの素質であり、その人の属人的要素であると一般的に考えられてきました。  

 これに対してトーマス・F・ストローは、部下がどの様な集団であるかによってリーダーは彼のもつリーダーシップを発揮できるか否かが決まると主張しました。つまりワンパターンのリーダーシップのスタイルは使い物にならない、素晴らしいリーダーシップを発揮するには原理原則があることを体系的に発表したのです。  

 AさんにはAさんのスタイルややり方、BさんにはBさんのリーダーシップのスタイルがあると思われていたものを根底からひっくり返したのであります。世の中のリーダー達にショックと驚きを与えた人であります。

 つまりリーダーは相手の性格や気質、力量に応じて相手に合わせたリーダーシップの方法をとってこそ初めてリーダーシップを発揮できるのだと主張したのです
 
 相手や部下の特性に合わせて、あなたが変化しなければいけません、相手を変えようと思うのは思い違いですと説いています。

 トーマス・F・ストローは、かの有名なH理論の提唱者であります。リーダーシップのスタイルや相手の力量を5つの型に分類して、それぞれ①独裁型リーダーシップ ②父権型 〃〃 ③対話型 〃〃 ④民主型 〃〃 ⑤放任型 〃〃 の5つのスタイルがあると体系化して発表しました。
  
 車の運転では、状況に応じて車のギヤを入れ替えるようにギヤがHの形をしているためにH理論と呼ばれています。(現在はオートマティック車が主流でマニュアル車は少ないため理解しにくいかもしれませんが・・・) ①から⑤についてそれぞれ簡単に説明します。

独裁型は、相手の力量に関わらず緊急時や重大事などの時に相手に有無を言わせぬやり方で、黙って私に付いて来て欲しいなどの時のスタイルです。思わぬ出来事が発生したり新事業の立ち上げ時などが想定出来るでしょう。

父権型は、相手の自意識がまだ低くて子供のように未熟で成長していない状態の時です。社会に出て間もないため体験不足で世事にうとく、何でも初めての若い方々に接する時などでしょう。

対話型は、相手の自意識が高いため、話し合いにより相手を説得して引っ張っていくケースの時です。
部下のスタンドプレーが多く、チームワークを強化したい時などに効果的でしょう。

民主型は、我々も一票を投じたい、私にも一言、言わせてくれ、私も意思決定に参画したい、多数決で決めて欲しいと相手が考えている時のスタイル。人数が多い時や、情報知識が不足している時は不向きでしょう。

放任型は、相手の力量が相当高くてかつ動機付けも出来ているため、細かいところは敢えてふれずに任せても支障がない相手の時などと考えてよろしいでしょう。 任せられれば人は皆やる気になって頑張るものですが、ただの放任は問題が生じることもありますので周期を定めてレビューする必要があります。
 
 以上のように部下や相手をリードしていくには、部下の心を知どの様な心理状態で働いているのかを知り、部下の心に働きかけなくてはいけません。上から考えますとリーダーシップですが、部下や下の方から考えますと「私をどうか上手に動機付けして下さい」となります。

 リーダーシップとは考えてみますと当然のことですが動機付けと同じテーマに落ちていくのです。 要は、いかに上手な動機付けをするかというテーマであります。

 最後に本日のテーマは、素晴らしいリーダーシップを発揮するには、動機付けは当然必要なのですが、それだけではなく相手の性格や力量に会わせて、それなりの技術を身に付けなければ発揮は難しいのだと言うことがご理解されたことと思います。

 相手の人間を知るためには、こちら側も人間力を高めておく必要があるため、知識・技術・理屈を中心にした経営学のみでは到底太刀打ちは不可能であります。

 たかがリーダーシップと侮る無かれとの教であります。私の部下は良く動いてくれるので私はリーダーシップを発揮しているはずだ、とお考えの方はひょっとしたらヘッドシップで動かしているのかも知れませんね。  

 かく言う私自身を含め、今一度ご自身のリーダーシップのスタイルの現実を振り返えられることを提言したいと存じます。

 
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2012/07/13(Fri)

(No.167) 述べて作らず信じて古を好む(孔子より)(1/2)

 ある人と私の、日頃の何気ない会話を紹介したいと思います。

(ある人) 「ところであなたは昔から、人生論や人物論や人間学といった類いの本がお好きだったのですか?」
(私)   「いえ、私は30代の頃までは職業柄でしょうか、いわゆるハウツー的なものが中心で、ビジネス書や経営に関する本の類いばかりを読んでいました」
(ある人) 「やはりそうでしょうね、経営学中心だったのですね」

(私)   「ところがだんだん年齢を重ねるに従って、そういう本は当座の役には立っても、人間としての自分の価値を高めてくれるものではなことに気がついて、遅まきながら人間学を中心とした人生論的なジャンルの本を読み漁るようになったのです」
(ある人) 「いつもおっしゃっておられます、経営学と人間学は車の両輪であるとの話ですね。一方だけでは片手落ちであり、前に進まないということなのですね」 (経営コラムNo26 No9参照)

(私)  「そうなのです。今ではそれらは、私の愛読書になっています。そのきっかけや縁は師と思える人物たちとの出会い、巡り会いでありました。今ではその方々に読書を通して秘かに私淑させていただいています。東洋思想の古典が多いため、当然、故人が多いです。愛読書となったのは、本物の人物にふれ、魂が揺さぶられるほど、人間が変わるほど、本物にしびれたからでしょう」 

 以上がある人との会話の内容です。

 ところで、毎週執筆させて頂いています当週刊経営コラムは、古典と歴史から学んだことを私なりに解釈して、形にして説いている、述べているだけで、私のオリジナルというものはほとんどありません。ただリーダーや指導者の皆さんにお伝えしているだけであります。

 読者の方々に対して、それらが少しでも何かのヒントになり、今後の人生や経営面でお役に立てれば幸いであると考えているからであります。

 私が私淑している安岡正篤師は「人間は哲学の泥棒になれ」と教えを残され、また、論語の中にでてくる 孔子の「述べて作らず、信じて古(いにしえ・聖賢の書)を好む」の教えに忠実に従っているだけであります。(経営コラムNo18参照

 すなわち、先人や聖賢の教えを祖述することが、私の役割だと思っているからです。もっと具体的に申しますと、我が国の将来を背負う人々、つまり「将来の指導者やトップリーダーの育成につながれば、喜ばしいなぁ」と心の底から考えているからであります。
 
  大したことはかなわなくても、一人でも人をつくる、一人でも人を育てるのが、私に課せられた使命であると考えているからです。なぜならば、そういう方々が将来の我が国の財産になり宝になるからであります。

(次回に続きます)
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2012/07/20(Fri)

(No.168) 述べて作らず信じて古を好む(孔子より)(2/2)

 我が国の指導者層の現状をつぶさに観察していますと、現在の指導的立場の人やリーダー達は、自分のみ、目先のみ、損得のみの価値観で固まっている人が多い様です。

 また欧米中心主義の価値観で武装している人が多く、勝ちか負けか、損か得か、善か悪か、成功か失敗か、幸か不幸かなどの二元論的価値観に基づき、いかにしたら人生や仕事の勝者になるかが根付いていて、アンドリュー・カーネギーやナポレオン・ヒル、ポールJマイヤーなどが提唱した欧米流の成功哲学を中心とした思想を実践している人が多いと思われます。

 これらは「目標達成型」という哲学や生き方であり、受験に合格する、資格を取得するなどの短期的目標については有効な手段なのです。がしかし、長くこの哲学や思考を続けていますと、もっともっと、と欲望が際限なく拡っていき達成感は得られても、心の底からの安心感や幸福感は生まれていきません

 逆に「失敗したり上手くいかなかった時にはどうしよう」などと敗北感を恐れる気持ちばかりが高まっていくのです。自己中心主義に偏りすぎて他己中心や全体最適の思想からは遠ざかってしまう欠点があるのです。ちなみに、この二元論から離れて周囲を見渡してみると何気ない日常生活の中に幸せを感じることが満ちあふれているのにです。

 この「目標達成型」生き方とは別に「天命追求型」の哲学や生き方があります。将来の目標に縛られることなく、周囲の人々の笑顔や幸せを優先しながら自分の置かれた環境でベストを尽くす、それを続ければ天命に自然に運ばれ、いつか自分で予想もしない高みに到達するという考え方です。

  この「天命追求型」の哲学は、自分だけの夢を叶えるfor meフォーミィ型より、他に喜びや笑顔を与えるgiveギブやfor youフォーユゥー型の精神つまり真の志が優先される、人のため、世のため、喜他利他、後世の人々のための思想になります。

 実はこの「天命追求型」の思想や生き様は、我が国日本に大昔からあった考え方なのです。西洋型の二元論的価値観では損得の「得」が中心ですが、日本人は損得の「得」ではなく道徳の「徳」を生き方の中心に置いてきました。
 
  明治の初期までは多かった様ですが、いつの間にか忘れられてしまった感があります。恐らく戦後の教育制度の改革で、ガラッと教育の思想体系が変化し、あまりにも欧米型を追従したからだと考えられます。かく言う私も戦後の生まれで団塊の世代であり、戦後教育をそのまま受けて育った人間であります。
 
 その後約70年近くの時間が経過し、私の想像するところでは日本人の多くの人々に「目標達成型」一辺倒や重視の生き方や思想が浸透し蔓延している状態ではないでしょうか?

 「目標達成型」と「天命追求型」それぞれ一長一短があるでしょうが、いずれにも極端に偏らず各々の長所を取り入れてバランス良く自己の思想の中に取り込んで生活や仕事に活かせれば良いのだがと思います。
 
  その様な私の思いや考え方などは、ほんの少数派で、ほんの一握りになったような感じがします。寂しい限りであります。いかに時間が掛かっても、もっとこの考え方や生き様を浸透させねばと思っております。

 このままの状態で推移し、意識上の変化がないとすれば、とんでもない社会になるのでは?と日本の国の行く末を心から憂えている者の一人であります。

 我が国は、戦後経済発展至上主義で来た結果、経済的には先進国で、大国で豊かであります。が、その反面悲しいことに国民の幸福感は低いと言われています。もっと国民全体の幸福感を高めるように、「目標達成型」と「天命追求型」のバランスのとれた同時追求の社会を目指して行きたいと思いますが、いかがなものでしょうか?

 最後になりますが、
「一燈を下げて暗夜を行く。暗夜を憂うるなかれ、ただ一燈を頼め」 (佐藤一斎 言志四録より)
(一燈とは志のことで志の大切さを教えています。ちなみに志とは世のため人のために尽くしたいという内に秘めたる強い思いのことです)

「一燈照隅 万燈照国」 (安岡正篤師) 
(どんな人でも素晴らしい役割をもって生まれてきている。その役割を通じて、世のため人のために尽くすことをいっています。一人一燈ならば万人万燈で地域社会や国まで明るくできるの意です。企業内でも応用可能でしょう)

 これら寸言の言葉の重みをつくづくと感じている昨今であります。本日のお話を皆様の何かのお役に立てて頂ければ幸いに存じます。
 
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2012/07/28(Sat)

(No.169) 「創造の原理」を活用すれば成果がまるで違ってくる(その1)

 2002年に上原春男氏(元佐賀大学学長 熱工学特に海洋温度差発電の世界的権威)が世に問うた「創造の原理」というものがあります。世の経営者がその原理を参考にして経営に活用したところ、次から次へとアイデアが浮かび色々な創造が実現できて、業績を急伸させた企業が多く輩出したといわれた理論体系をご紹介したいと思います。
 その「創造の原理」は次の五つの体系で構成されています。

【1】 目標明確化の原理
【2】 自由・競争の原理
【3】 並列進行の原理
【4】 条件適応の原理
【5】 分離・再結合の原理
 の五つです。

 以下に私の意見も交えながら一つずつご紹介をしていきたいと思います。

【1】 目標明確化の原理 について  

 創造性を高めるには明確な目標を持たねばならないとの原理です。発展成長の明確な目標設定が創造を促進するとの原理です。
 創造性を発揮するということは、脳細胞を活性化することと同義になります。
だから創造性を発揮し高めるためには、脳細胞を活性化させる努力が必要になります。
 では脳細胞の活性化度を高めるにはどうすればいいのか?その答えは極めて簡単で、明確な目標を持つことであります。この様に目標の明確化は人間の脳細胞を活性化するのです。つまり明確な目標は創造を生む源泉となるのです。

 
よって少し高めの目標設定は、創造性を高めようと望むならば必ず必要なテーマであります。
逆に全社の目標を前年度より下げるということは、社員の脳の活性化を抑え創造性の発揮を低めてしまうことになります。当然業績は悪くなる方向に向かうしかありません。何としても前年より高めの目標を設定することが創造性の発揮から見て正しいのであります。
 
  逆に目標を軽くしたり、すぐ届きそうな目標では全員が安心して力を抜いたり、目標を意識しなかったりして、弊害が次々に発生したりします。このことは私も実務で体験したことがあります。

 ところで目標には大目標・中目標・小目標の3つがあります。

 大目標とは「あなたの会社は何を提供する企業ですか?」という事業コンセプトのことです。長期のビジョンといっても良いかも知れません。今ある経営理念や社是だけでは、もしそれが常に全社員の意識の中に刻まれていたとしても、理念や社是だけの力では目標達成は難しいのだと考えて下さい。

 次に中目標では、①大目標にそった最適な事業構造の決定 ②事業の対象顧客の決定と展開地域の決定 ③要員計画と設備投資計画と資金計画の決定 ④当面の主力商品・サービスの決定 ⑤並列進行させる商品・サービスの決定などを年度別に数値で明示する事になります。

 その次が具体的な小目標の落とし込みになります。例えば ①販売する商品・サービスの決定 ②商品の製造や購入ルートの決定 ③商品の販売ルート、サービスの提供ルートの決定 ④それらの販売方法や販売促進政策の決定 ⑤それらの価格の決定 ⑥売上高・限界利益額・固定費の決定 ⑦販売時期の決定 ⑧企業の成長率の決定等多岐にわたります。 

 この小目標を実現するために、年度計画を立て各工程において創造性を発揮しないといけません。当然各行程の実現には困難と創造性と忍耐力が必要になるでしょう。
成長力は創造性と忍耐力の積の総和になります。どちらか一方が欠けただけでも成長は難しいのです。

 そもそも経営計画は計画通りにいかないから意味があるのです。心配はご無用です。計画と実績の差がなぜ生じたのかを考えることで脳細胞が活性化され、新たな創造が生まれ利益創出に結びついていくからです。これらの視点で目標明確化について自社を振り返ってみて下さい。

(次回に続きます)

 
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