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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2012/10/06(Sat)

(No.179) 経営管理には「5領域」がある (空間の拡がり)(2/2)

 前回の①営業②生産③開発に続き、今回は残りの2つ④人事⑤財務について説明したいと思います。

人事管理 とは?
  
 中期的経営計画立案後の募集・採用面接活動・配置・教育訓練・動機付け・動機付けシステムの開発等の各領域があります。人間を対象とするので難度の高い領域になります。各領域の詳細についての説明は省略させて頂きます。

 短期的志向や成り行きではいけません、常に長期的な展望を描いた上での意志決定になります。人をものと同じように考えた思想では早晩行き詰まることになるでしょうから、人を幸せにするためにはという視点をはずさないで計画を立てて下さい。 内部管理諸規定集の作成も含みます。就業規則や賃金退職金規程集等の作成になるでしょう。

財務管理 とは?

 PLに関する点で、収益・費用・原価・人件費・経費・減価償却費・利息・固定費・変動費・限界利益・経常利益等の各項目を集計したトータル売上・利益計画の立案策定とりまとめを行います。

 同時にBSに関する点で、資金計画・資金調達・資金運用その他、資産負債のバランス・自己資本の構成比・総資本利益率・回転率・資産の圧縮等で、その他の税務・節税対策など財務も結構広い領域になります。

 PL面では会計税理士事務所で組んだ試算表(税務会計)を経営に役立つように、管理会計に組み替える必要もあります。(販売流通業はそのままでも可であります。)自社単独でできないならば、税理士会計士の協力体勢が必要になります。

 単年度の計画は勿論、中期的な事業発展計画書の立案取りまとめ能力が要求されます。M&Aの案件も増えて行くでしょうが、その時に基礎となるのが財務管理です。 経営というものは、不確実で見えない要素の連続です。しかし、不確定要素の確定化作業が財務の「計数」管理になります。

 中小企業の社長は、最低条件として財務面の「計数」と「戦略」に強くなければなりません。21世紀は絶対条件になっていきます。弱点である領域ならば力を付けるように努力することが求められます。金融機関においても、これからは社長の「財務経営力」を重視する動きが見られます。

 数字に弱い社長であれば、はっきり申し上げて企業を成長発展させるのは非常に難しい時代に突入したと思って下さい。私は持論として、厳しい言葉ですが「数字に弱い者は経営をしてはいけない。弱いならば時間をかけて力を付けよ」と常々口にしております。過去の体験が言わせるのです。

トータル経営管理 とは?

 上述の①~⑤の5つの各領域を一つにトータルした領域になり、一番空間的には広くなります。全ての領域を一人でマスターするには限度があります。従って各領域には専門職を管理者やマネジャーとして配置します。トータル経営管理は社長・専務・常務等トップ経営陣の役割になります。

 専門職を配置しているからといって、経営陣に全く知識がなくてもいけないでしょうから、最低の知識を保有していることが求められるでしょう。

 一般に仕事のできる人には、基本的に3つの能力が求められます。一番目にテクニカルスキルと呼ばれる専門的知識技能、二番目にはヒューマンスキルと呼ばれる人間関係調整能力、三番目にコンセプチュアルスキル呼ばれる問題発見・解決能力があります。

 組織内で上級経営者になればなるほど、三番目の問題発見・解決能力が求められることになります。専門的な知識や技能はなるべく若い人に任せるように心がけて下さい。ちなみに人間関係調整能力は年齢や役職に関係なく全員に求められる能力になります。

 最後にまとめとして、「5つの領域」の仕事を眺めただけでも、結構広くて深いのに気づかれたと思います。自社でまだ取り込めてない仕事もあったかも知れませんね。心配はご無用です。

 決して焦らずともよろしいですから、重要度緊急度の視点でランク付けをなさり、一つずつ解決して頂ければよろしいかと思います。「千里の道も一歩から」といいます。 その時は、幹部を巻き込みながら進めて頂きたいと考えています。きっと将来の底上げにつながると確信しております。

    
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2012/10/13(Sat)

(No.180) 経営管理には「6つの機能」がある (マネジメントサイクル)(1/4)

 日頃の経営活動では最大に重要な項目になります。なぜなら、各機能の水準や進め方次第で、業績の良し悪しに直結して行くからであります。 今回のテーマは、経営者及び管理者の正しく効果的な仕事の仕方を表わしたものです。と同時に仕事の時間的な流れを示したものです。現在の実務とすり合わせをしながら活学して下さい。

 前回説明致しました、経営管理の「5領域」の中にそれぞれ「6つの機能」が働いていないといけません。今回概説します、この「6つの機能」の水準やレベルを上げると業績が必ず上がりますので、身につけて自分の発揮能力まで高めるぞ、との気力を持って望んで下さい。

 そもそも経営管理の“本質”には2つあります。

 “本質”の1つ目は、① 経営管理とは「事前障害除去活動」であるということです。つまり障害や問題が発生する前に取っ払う、除く除去してしまえと教えるものです。

 「結果」は誰にも変えられません。過ぎ去った貴重な時間も戻ってはきません。ですから経営者や管理者・幹部にとって特に重要なのが 「計画を管理する」という考え方であります。

 実務体験が乏しく初歩の経営管理者はほとんどが、「結果」に重点を置き、管理できていると錯覚されています。ベテランにおいてもマンネリに陥った方や、もしくは今まで経営管理について、学習時間のなかった人も言うまでもありません。初心者と同様なやり方をなさっています。これでは業績は改善しません。根本から間違っているからです。

 要点を整理しますと、「結果を管理する」のではなく「計画を管理せよ」となります。結果は大事なものですが、あまり時間を消費せずにチェックや確認だけにして、今後何を行動しようとしているのかに力点を置いて時間をかけて下さい。

 次に“本質”の2つ目は ② 経営管理とは「機会損失減少活動」であるということです。経営の究極は業績の実現です。利益の最大化か、損失の最小化です。短期的でも中長期的でも同じ思考をして下さい。

 「機会損失」とは聞き慣れない言葉かも知れませんが、実行した方法よりも、もっと優れた方法が他にあり、もし他に考えられたとすれば、それは現実に実行案を採択することによって、企業や会社は損失をこうむったと考えるものです。もし案があり検討したけれど何も実行しなかった場合もあるでしょうが、この考え方を「機会損失」(チャンスロス)と言います。この機会損失を少しでも減少させなさいと教えるものです。

 なかなか難しい概念ですから少しやさしい例を上げますが、小売店でお客様が商品を買おうと思ったけれど、たまたま在庫が底をついて品切れだったとします。この時に機会損失をしたと表現します。

 次に、ある経営者がたまたま出張で不在のため、ある会合に出席できず、情報を得ることができず将来に禍根を残したりすることがあります。具体的に商談に参加できずに大型商談1000万円を受注できなかったとすると、その時は不在したため1000万円の機会損失をしたと表現します。

 また経営資源を有効に活用できれば、100の成果が当然望まれるケースで、結果として70の成果しか達成できなかった場合は、30の機会損失があったと考えるものです。目標の最大成果と実際成果の差が機会損失となっていきます。経営管理が有効に機能を発揮されずに推移すれば当然の結果として露呈されていくのです。

 この様な事例を参考にしながら、色んな場面や機会を想像なさってみて下さい。きっと機会損失の概念が理解できて自分のものとなるはずであります。説明が長くなったのは、経営管理の本質根幹に関わる大切なポイントになるために、解説が長くなりましたことお許し下さい。

 私の中小企業の長年の指導業務を通して、この①の事前に障害を除去する活動の不足と、②の機会損失のロスが相当あるのが実務体験としての実感です。

 この本質である2つの「事前障害除去活動」と「機会損失減少活動」を少しでも改善できれば、つまり経営管理の「6つの機能」の水準を上げ機能を強化することで、まだまだ業績を向上できる会社や企業が沢山あります。

 経営戦略構築以前のテーマなのです。どうかチャレンジして業績を向上させて下さい。

(次回に続きます)
  
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2012/10/19(Fri)

(No.181) 経営管理には「6つの機能」がある (マネジメントサイクル)(2/4)

 では本題のマネジメントサイクルの説明に入っていきます。次の「6つの機能」を含めた概念になります。 6つの機能とは①目標 ②計画 ③組織 ④実施 ⑤統制 ⑥調整の各機能のことです。仕事の流れ、時間の流を示したもので、マネジメントサイクルと呼ばれています。サイクルですから、一通り終わればまた最初に戻り、何度も何度も循環していきます。一つずつ見ていきましょう。

目標機能

 最大かつ重要な経営機能のスタートであり、社長や経営陣の大切な仕事であります。 将来の実現したい状態を「定量的」に数値で表現することです。経営はほとんど数値で表現することができます。数値以外だと抽象的になり他の人に伝えられず、意志統一ができないからです。言葉や文章は抽象的ですが、数値では具体化するからです。

 目標の種類には、大目標(経営理念や事業コンセプト・ビジョンなど)や中目標、小目標があります。 一般的には単年度の短期目標と、戦略を構築した中長期目標に分けられるでしょう。 詳しくは、以前執筆致しました「創造の原理」の「目標明確化の原理」をご参照下さい。(経営コラムNo.169 以降を参照)

計画機能

 これも重要な経営機能で社長や経営陣の大切な仕事になります。一般的には弱い機能であります。最終的には、「5W1H」まで落とし込んで下さい。

 上の目標を実現する為の、手段をいろんな角度から検討立案する仕事になります。最後は行動計画までブレイクダウン(具体化)する必要があります。「定量的」よりは、むしろ「定性的」領域になります。

 具体的には、目的と手段の連鎖体系表を作成したりします。そのためには論理的思考力が求められるでしょう。目的と各個別の手段の間には、それぞれにつながっている、一つのストーリーになっていることが重要な意味を持っています。

 つながりとは因果の論理や、因果関係を意味し、その論理が織り込めているかどうかが、大切な視点になります。ストーリーには必ず時間軸があります。

 苦境を一挙に打開するウルトラCの行動が欲しいところでしょうが、現実の競争下では一点突破の必殺技はなかなか存在しません。そんなに上手い手があったら、とっくに問題は解決しているはずでしょう。仮にあったとしても費用がかさみ、業績が悪化して体力が落ちている状態なら手が出せないものでしょう。

  先述のように、ストーリーには時間軸という時間の経過が伴います。また動画を見るように、行動やアクションを起こす順番が鍵を握っているのです。その順番にこそ因果の論理が求められるのであります。

 反復になりますが、上の①の数値目標の次は②の計画機能になり、最終的には行動計画になっていきます。人や企業によって取りうる行動は一致しません。それぞれの考え方の違いや個性があるからです。百人百様の形になるでしょう。

組織機能

 計画を達成するための役割を明確にする機能です。社内の組織図を作成することではありませんので注意して下さい。役割分担を明確にすることをいいます。プロジェクトチームを組むこともあります。 役割が明確になっていなかったばかりに、計画通り進まなかったり、役割が重複してたため無駄が発生したりなどが起こります。

(次回に続きます)
 
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2012/10/27(Sat)

(No.182) 経営管理には「6つの機能」がある (マネジメントサイクル)(3/4)

 前回までの①目標 ②計画 ③組織 機能に続いて説明していきます。

④ 実施機能

 組織を動かす。部下を動かす。人間を動かす。人間を知る。“素晴らしいリーダーシップ”を発揮する機能です。経営管理者の本領発揮の「他動性」の機能です。「自動性」ではいけません。

 部下からの視点では”私に強い動機付けをして下さい”ということです。「リーダーシップ」や「モチベーション」を十分勉強していないと、なかなかすぐには無理でありますでしょう。

 人を自由自在に動かすことくらい難しいものはありません。性別・年齢・育った環境・学問の深浅・思想・仕事観や価値観の違いなどが一人一人全く異なったものです。簡単そうに見えますが一筋縄ではいかないでしょう。リーダーを悩ませるものばかりなのです。

 その理由をもっと専門的に説明しますと、究極の違いは,普段は全く意識しない領域である潜在意識が各人完璧に異なっているからであります。十人十色百人百様であります。

 その証拠に、「経営の改善は人の改善であり、人の改善とは意識の改善である」といわれます。また「意識の改善とは潜在意識の改善である」ことを意味しています。 いかに実在(顕在)意識ではなく、その人の潜在(深層)意識まで切り込まないと、意識の改善は難しく、リーダーにとっては意識の改善は、難問中の難問であるかということなのです。

 参考のために、人間の実在意識は非常に少なくてほんの10%ぐらいで、潜在意識の方が圧倒的に多く約90%近くを占めていると言われます。エッと驚かれると思いますが、一般的に自分自身は実在意識の方が圧倒的に多いと思っているようです。常識ほど恐いものはありません。 実は常識とはまるで反対であり、潜在意識の方が日常の生活や行動を多いに左右しているということなのです。

 私が常々口にする、「能力の差は大きくて五倍ほど、意識の差は百倍にも広がる」と言うのもこのことを言っているのです。当然、意識とは潜在意識のことを指しています。

 ちなみに実在意識は思考や想像の源をなし、潜在意識は力の源という役割を担っています。よって、潜在意識は他から受けた印象や、自分自身の体験の倉庫になっています。

 潜在意識は人間の生命を生かしたり、守ったりする貴重で重大な役割を持つと同時に、実在意識の思念することを現実化する支援を行うものであります。この二つの意識は協調して働くのですが、最も安心のできる信頼性のある大きな力を持っているのが潜在意識なのです。

 話を元に戻しますが、実務では地位や肩書きや権限で動かそうとする「ヘッドシップ」型が多い様です。それは相手に恐怖を与えることによって人を動かそうとするもので、恐怖のモチベーションといいます。部下にとっても、いつもこの方法で実施を迫られるのでは、長く続けられるといやになるでしょう。

 なにせ喜んで動いているのじゃないですから、業績も押して知るべしでしょう。苦働から喜働への転換を心がけて下さい。また、知識や技術だけでは人はついていかないものであります。「信頼と尊敬」が基本にないと難しいでしょう。

 リーダー当人の人間性・生き様・理念・経営そのものの姿勢等、目には見えない魅力や品格・徳性が人を引きつけるものであります。「経営学」よりいかに「人間学」が大切なのか、つまり、「経営力」より「人間力」の方が根本であり、影響力が大きいのかが痛感されます。

 言うまでもなく、志と礼節がリーダーには必要で、上司やリーダーには、究極的には人間的魅力が求められています。(当経営コラム No.63、 No64、 No95、 No96参照

 経営はリーダーによって業績の差が当然の如く発生します。特にトップのリーダーシップという格差や力量の差が業績に反映していきます。

 「企業は人に始まり人で終わる」と申します。1にも2にも3にも人財なのです。また、「企業の格差は人財の格差」とも言いますが、「経営者の格差」が本質を突いた核心であります。

(次回に続きます)
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