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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2012/11/03(Sat)

(No.183) 経営管理には「6つの機能」がある (マネジメントサイクル)(4/4)

 今まで数回にわたり、①目標 ②計画 ③組織 ④実施の各機能について見てきました。引き続き見ていきましょう。

⑤ 統制機能

 計画通りに実施がなされているか否かを、部下と一緒に振り返りをする機能です。「レビュー機能」ともいいます。 もし計画通りに出来ていない時は、その理由や原因を一緒に考えてあげ、もし部下の考え方が未熟で醸成されてないときは、部下を温かく見守り、部下の成長を祈って、愛情を持って指導する行為になります。人を育てることであり大切な機能であります。

 部下を監視することとは大いに異なります。日頃の仕事を通して部下の人間性を高めて上げるのがポイントです。

 考え方が未熟であれば、仕事とは?組織とは?人間とは?人生とは?などの大きなテーマで話し合うことも必要でしょう。また上司の若い頃の体験談などを話すことも大切でしょう。

 もし熱意がないのなら、いかにしたら情熱や熱意を持って取り組んでもらえるのかを考えなくてはなりません。個人の問題なのか企業側か上司側か、視点は様々と拡がって行くでしょう。

 能力についてならば、知識や技術などがテーマになるでしょう。今後の育成プランを一緒に考えてあげることが必要でしょう。その時は「継続と反復が力なり」を忘れないで下さい。

 「修己治人」の教訓通りで、己を修めてないと、人は治められません。リーダーとしての修養が大事になるでしょう

⑥ 調整機能

 生業家業から成長して従業員数が増えて少し規模が大きくなると、この機能が必要になってきます。 他部署との調整機能で、経営管理者の大事な仕事の一つになります。

 営業と生産、営業と経理などと、どんどん領域が拡がっていきます。言った・言わない・聞いた・聞いてないなどと内部での意志の疎通がうまく行かず、お客様に迷惑を掛けたり顧客満足どころか不満を与える結果を生じたりします。

 コミュニケーションとインターフェイスが悪くなり、創造どころか衰退を招く企業もあります。内部の細かい事情は外からは良くは見えないのです。お客様は内部の活動は細かくは認識できなくとも、接点である営業部や営業マンの態度や対応で驚くほど敏感に推察するものです。

 調整機能は以外と軽視し勝ちですが、顧客サイドから眺めてみると大事な機能であり、決して軽視してはいけない機能になります。仰々しく会議などをしなくても内部間で部署間で調整ができていれば問題はないでしょう。

 ある程度規模が大きい組織では、会議体系を整備することで解決できます。現状の会議体系を表にして自社の現状をチェックなさって下さい。必要な会議や不必要な会議などが発見できるでしょう。

 現在はIT技術の発達によりパソコンやテレビの画面を通して会議が可能になりました。遠くて距離があっても時間と空間を意識せずに共有化できる様になっています。

 最後になりますが、今までの説明を読まれてみて、自社のマネジメントサイクル(経営管理機能)の現状を正確に認識して下さい。

 弱い機能や改善すべきことが見つかったなら、早速、強化改善をして下さい。きっと従来にない成果が得られると思います。それは管理機能の水準のレベルが向上するからなのです。

 また、マネジメントサイクルは、問題発見・問題解決の道具や物差にもなります。もし業績が低迷していたり、問題が生じているならば、6つの物差しに当てはめてみて下さい。

 すると現状は、どの機能がどの様な水準なのかが、明らかになっていきます。その水準を向上させたり機能を強化するだけで、容易に問題解決、引いては業績の向上につながって行くものです。

 原点を振り返りますと,マネジメントという言葉は「目的に向かって、必死になって努力して、何とか工夫して実現させる」という意味であります。また経営管理の本質をやさしい文章で表現しますと、

 「経営管理とは職場に割り当てられた仕事をなし遂げる為に、人を通じて、人、物、金、時間、情報、場所等を効果的かつ経済的に活用して、計画を立て、実行させ、かつ、その結果までを振り返る事である」といわれます。

 どうかこのマネジメントサイクルという、経営手法の道具を使いこなして、皆さんの一生の宝ものにして頂きたいと思います。活学応用実践を心から期待いたします。
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2012/11/10(Sat)

(No.184) 作戦要務令に学ぶ指揮の要訣について (1/2)

  古い資料に「作戦要務令」というものがあります。昔の軍隊で作られたものですが、指示や命令の与え方について書かれた資料です。 


  良く味わってみますと約70数年前の考え方が現代でも充分に活用可能な教えである事がわかります。そんな古いものが役に立つのかと笑われる方もおられるでしょうが、これらについて現代流経営とすり合わせしながら考察を進めてみたいと思います。「作戦要務令」とは以下の短い文章です。

 

部下(組織)確実に掌握し、明確なる企図の下に 適時適切なる命令を与えて、その行動を律する(実行確認を行う)とともに、部下(管理監督者)に対して大いに独断活用の余地を与うるにありと書かれています。

 

ポイントは5つの点になりますので、一つずつ説明をしていきたいと思います。

                                      

ⅰ 部下を確実に掌握すること

 

部下の能力・性格を把握しているのは基本であり、仕事の与え方や命令をする場合の仕方の第一条件を示したものです。部下の能力や人柄が分からないのに指示や命令は下しにくいことを指摘しています。  

 

よってなるべく多くのことを知るように心掛けて下さい。具体的には、部下の経歴・人柄・勤続年数・年齢・家族構成・地位・インフォーマル(非公式)な情報を日頃から知る努力が求められます。

 

相手の力量に応じてリーダーシップスタイルを使い分けよ、といわれますがこのことに通じると思います。(経営コラム No166 参照)

 

ⅱ 明確なる企図を示すこと

 

目的とか達成目標を示すことは、相手に独断活用の余地を与えること(後述します)に通じます。企図を示さないで方法のみを示すことは、例えますと、行き先を告げずに車を運転させるようなもので運転者(部下)に無用な不安を与えることになるでしょう。指示するときは常に簡単でもいいですから、目的や企図を与えることを心掛ければよろしいでしょう。

                                         

ⅲ 適時適切なる命令を与えること

 

命令を与える時機はタイムリーでなければなりません。命令とは本質的に「聞かれにくいものである」し、また「相手による自我の侵害」ともいわれています。部下の心の中に入っていくことになりますので、上司部下共に状況や情報を共有化している必要があります。

 

例えますと、地震が発生したとします。微少な揺れなら外へ避難はしないでしょうが、だんだんと揺れが大きくなり時間が長引くような状況になれば、お互いに状況が把握されて危機感が共有されていますので、上司の一言「外へ逃げるんだ!!」の指示で一瞬にして、みんなに伝えることができ避難ができます。

 

この事例は何を意味しているのでしょうか?一つ目は、命令は上司ではなく地震であるということ。二つ目は、地震とはコミュニケーションを意味すること。三つ目は、命令は早くてもだめ、遅くてもだめで、タイムリーでなければならないことを意味しているのです。  
 
 この例で分かるように、命令が聞かれるかどうかは命令者の人格には関係がないということなのです。

 

(次回に続きます)

 

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2012/11/16(Fri)

(No.185) 作戦要務令に学ぶ指揮の要訣について (2/2)

 

ⅲ 適時適切なる命令を与えること(前回の続き)

 

前回は、命令が聞かれるかどうかは、命令者の人格には関係がない、ということをお話し致しました。続けて説明を加えていきたいと思います。

 

 従って、人間には不合理が許されますが、合理性を追求する場が企業である限り、上司は職務責任のために命令し、また、部下は上司の命令を聞くべきであるという考え方が成り立ちます。つまり上司という役割、上司の持つ職務権限がその行為をさせているのだということになります。

 

昔は役割が一目で分かるように腕に腕章を付けていましたが、今は首から下げた名札というかネームプレートが多いようです。その「役割が命令を下しているのだ」と考えれば理解がしやすいと思います。

 

あたかも人格とは関係がない腕章が、命令を下す大もとであり、その腕章が権限を保有しているために、当時は「腕章論」といわれていました。上官達が下命を躊躇(チュウチョ)することを排除するために、また勇気を持って下命を実行するために、分かりやすく「腕章論」と表現していたのかも知れません。昔の人には頭が下がる思いです。

 

ところが、今の管理者や幹部の方々は命令や指示を出せなくて、下命を躊躇(チュウチョ)して心理的にストレスを感じている人が多いと聞いています。ひどい人は胃潰瘍や軽いうつ症状に悩んでおられる人もあるらしいです。

 

それは自分自身である生身の人間、私という人格が、命令を下していると考えて錯覚しているからであります。先述したように命令は人格とは関係がないのが本質であります。

 

現実の組織ではほとんどの幹部は、この様な考え方を誰からも教わらずに部下を抱えてしまうため、ストレスに悩まされる方々が多いのでしょう。

 

 命令が人格と多いに関係があると思えば、自分より年齢が上の人、スキルも体験も上の部下に命令するときは、緊張し遠慮などが入り、こんなことを指示や命令すれば馬鹿にされるのじゃないか、足下を見られ反発を買うのじゃないか、などの心理が働くのかも知れませんね。気が弱い人や神経過敏の人は終日不安定な心理状態なのかも知れません。

 

ただ指示や下命の時の言葉使いや口調だけは、慣れないと反発を買うことも無きにしもあらずかも知れません。注意なさって下さい。今まで説明致しました、このテーマを命令の非人格化と申します。明日からでも、この考え方に転換なさって、勇気を持って下命をなさって下さい。

 

次に命令や指示を出すときには、具備すべき用件があります。それは簡潔に「5W2H」に注意せよといわれます。具体的には When  Where  Who  What  Why  How to   How much の7つのことを指し、いつ(からいつまで) どこで 誰が 何を どのような目的で どんな方法で いくら(の予算)でとのことを意味しています。ただし、通常は必要なものだけを指示すればよいでしょう。

 

 実行確認を行うこと(その行動を律する)

 

部下の実行がなされている途中において、実行されているか否かを上司がチェックすることを教えています。現代は皆さんが携帯電話を所持していますので簡単に可能でしょう。必要ならば要件を追加することもあります。中間報告を受けたいときもあるでしょうから「いつまでに誰にどのような形(文書か・口頭か・携帯か)で報告して下さい」などが想定できるでしょう。

                                         

ⅴ 大いに独断活用の余地を与えること

 

 指示命令に際して、部下に余り細かな実行方法を指示することを避けることをいっています。どんな状況の変化にも、部下が対応出来るように最小限の指示をすることを教えています。それが引いては部下を信じる事でもあり、部下に能力を発揮させることにつながります。     

 

また、これらは前述ⅱの明確な企図を示すことによってのみ得られるものであります。いかに企図や目的を与えることが大事かを物語っています。

 

以上で指示や命令を出すときの心得についての説明を終わりますが、読者の皆さんは経営者や幹部の方が多いでしょうから、現状の自分自身の指示命令の出し方と比較していただき、もし気づきがあれば何かの参考にしていただき、どこがどの様に異なっているのか、また、それ以上の立派な指示や命令を下しているのかなどの比較をなさって下さい。

 

以外と5つの点を網羅できている経営者幹部の方は少ないかも知れませんね。現代の一般的な管理者研修では、この様な視点で指導を受けた方は少ないかも知れませんね。古かったでしょうか?

 

 マネジメントサイクルの「目標・計画・組織・実施・統制・調整」の「6つの機能」は(経営コラムNo180.No181No182.No183参照)学ばれた方は多いでしょうが、その中の一つである実施機能についての、より深い説明を申し上げました。活学を期待します。
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2012/11/24(Sat)

(No.186) 人間の仕事上の貨幣価値には3種類がある(1/4)

人間の仕事上の貨幣価値には三種類が考えられます。一つは市場価値、二つ目は社内価値、三つ目は時間価値であります。以下一つずつ考察していきたいと思います。

 

一番目の、市場価値について。これはヘッドハンティングやスカウトを受ける時や、逆に実行する時の年俸の提示額であります。自分の市場価値を知っておきましょう。現状の社内だけの価値ではなく、世間一般に通じる価値を創っておくことが大切になるかも知れませんね。

 

 特に将来転職を考えておられる人々は、それに向けて準備をなさっておられる方々も大勢いらっしゃるでしょう。理想的には自分を高く評価していただき、高く売り込みたいものでしょう。

 

今は就職難の時代ですが、特に力のある方なら引っ張りだこであるのも現実的な話しであります。何らかの領域で特技や強みを磨いておくのも、万一に備えておくことにつながるでしょう。

かく言う私も転職を経験しましたが、若かりし頃が懐かしく思い出されます。準備が万端であったわけではありませんでしたが・・・。 

 

二番目の、社内価値について。この社内価値は、企業や会社の中で、現在受けている給与の額になります。日本の企業においては、従来長い間、終身雇用制度や年功序列賃金制度が一般的でした。年功序列では年齢給・勤続給・職種給で基本給が決まっていました。

 

この制度は給与テーブル表があればシンプルで自動的に計算ができ、悩む必要がなく、簡易なやり方ですから長いあいだ伝統的手法として温存されてきたのでしょう。しかし今後はもっと、成果主義・能力主義・実力主義が主流になって行くでしょう。

 

現実的には定期昇給やベースアップも横並びが崩れつつあります(2003年頃よりの流れです)。自社にとって最適の人事給与システムを立案作成するのが世間の常識になってしまいました。

 

 ところで、現在の皆さんの社内価値は、市場価値より高いのでしょうか?それとも低いのでしょうか?低い人は転職の可能性が高くなるでしょう。もし高い人は恵まれていると考えてよいでしょう。がしかし、その様な人は将来賃金カットやリストラや退職勧奨の対象になりやすいかも知れません。いつまでも安心安泰とはいかないでしょう。

 

三番目の、時間価値について。パートさんやアルバイトの人達(非正規社員と呼ばれています)は、自分の時給は明確に認識しておられます。が正社員の方々は、ほとんど自分の時間価値については、意識せずに知らないで仕事している人が多いのが現状でしょう。

 

時給に関する最低賃金の法律もあります。2012.9月現在、長崎県は653円(前年比7円の増)です。ちなみに全国平均は749円(前年比12円の増)ですから96円低い額です。最も高いのは東京都で850円(前年比13円の増)。最も低い県で652円です。高知と島根の両県です。長崎県は最低県とほぼ同じ額で、あまり変わりありません。

 

この最低賃金が、働かなくても支給される生活保護を下回っている地域が全国に6県もあるのには驚いてしまいます。矛盾を早く解決して欲しいと思います。

 

現実を直視しますと、将来もっと元気になって上げていきたいものであります。政官民総力を上げて知恵を出して実現させて行きたいものであります。地方の所得底上げや非正規社員の待遇改善につなげて頂きたいと思っています。

 

給与を支給する側の経営者は極力少なく押さえたいのが本音であり、受け取る側は一円でも多く望んでいます。立場が違えば完全に考え方が異なり、この対立概念は永遠のテーマであります。

 

全国最低賃金の最低のランクに長崎県が位置している限り、若い人達に魅力は感じられず、県外に人口が流失する可能性が高くなります。また、県外からUターンして長崎に戻りたくてもブレーキがかかりそうな気がいたします。他県でも同じことが考えられます。

 

このままで手をこまねいて、対策を打たない限りは、いずれにしても打破はできにくい様ですから、志や見識の高い経営者や学識者や行政を交えてテーブルに着き、真剣に脱出策を講じるべきでは?と心を痛めております。             

 

(次回に続きます)

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