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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2013/02/02(Sat)

(No.196) “できる人”と“できた人”あなたはどちらの経営者か? (1/2)

一般に世間では、優秀な人間を指して「あの人は、できる人だ」と言ったりします。また「あの人は、できた人だ」という言い方もあります。一度や二度は、どなたも口にしたり耳にしたことがあると思います。
 
私は仕事がら多くの経営者と接してきましたが、この「できる」と「できた」には、「る」と「た」の一文字の違いですが、意味することは大いに違っています。企業や組織を成長させ、売上や付加価値や利益を大きく達成し、稼ぐと言う点では決定的な違いがあります。
 
以下その点に関して特徴や今後のポイントについて述べてみたいと思います。
 
まず「できる人」について。この人は仕事能力の高い人で、仕事の対処能力が高く、経営実践的器量のある人、つまり「経営力」重視や志向の人になるでしょう。
 
 「できる人」の他の特徴は、人間性よりは仕事能力に魅力のある人で・利益をもたらしてくれるだけで充分な人で・謙虚さがなく自分より下の人には威張る人で・仕事上メリットがなければ眼中にない人で・損得勘定だけで人がついてくる人、などと表現できる人になるでしょう。
 
この「できる人」は理性・知性の人で、才能・知能の働きが優れている人です。戦略や戦術・技術・テクニックにおいては、素晴らしい力を発揮する人でしょう。会社にとってはありがたい存在の人になります。自分のために自分の力を発揮する人器量という陽の力を発揮する人になります。大脳生理学的には理屈脳が発達している人になります。
 
しかし、情けや感情や感性などの働き、つまり感情脳の発達が弱くて伴わないために、人を喜ばせることが苦手で「理知・理性の人」「打算的」「冷たい」「情が薄い」といった印象を与えてしまうタイプの人であります。
 
次に「できた人」について。この人は人間的能力や人間的魅力が高い人で、人間性や度量の大きい人になるでしょう。耳に痛いことでも聞くべきことは受け入れる心の広さを持った人です。
 
 「できた人」の他の特徴は、人望があり、人間性に優れた徳のある人・人々から信頼と尊敬を集める人・謙虚な心を持ち、威張らず人を見下すことがない人・あの人についていきたいと思わせる魅力がある人・損得勘定を抜きに付き合ってもらいたいと思われる人、ただし前の「できる人」に比べると仕事の対処能力やパフォーマンスは少し劣る人かも、などが考えられます。
 
要は「できた人」とは、他の人のために、他の人が育つために力を発揮する人です。その力つまり度量を発揮するのは陰の力になります。度量がないと後継者や部下の養成は非常に難しく、簡単にはできないのです。
 
人を育てたい、人を育てなきゃと日頃考えている経営者は、この点は極めて大事なポイントでありますから、自分には陰の力である度量があるか否かを振り返ってみて下さい。知識や技術を教えたり、伝えたりするのは誰にでも出来ますから考え違いをしない様にお願いします。知識などは本を読むだけでも理解し身に付けることが出来るものです。
 
「できる人」ではなく「できた人」つまり人間的魅力のある人を育てるのは簡単には実現不可能なのです。時間の長さで言えば最短で10年はかかると覚えておいて下さい。即効薬はありません。人間造りには促成栽培はきかないのです。
 
今まで「できる人」と「できた人」の違いや特徴を見てきましたが、企業や会社で、将来、成長発展させ大きく稼ぐのは間違いなく「できた人」であります。なぜなら、組織は集団の力学であるため、トップに立ち、大勢の人間を動かそうとしたら、人の信頼と尊敬を集める「人間力」や人望が必要になるためであります。
 
(次回に続きます)
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2013/02/09(Sat)

(No.197) “できる人”と“できた人”あなたはどちらの経営者か? (2/2)

どんなに優れた経営者でもトップ一人の力では組織の成長には限界があるのも事実であります。そのためにトップや社長に求められるのが「人間力」と人望であります。
 
実際の例として、経営者の才覚や時流に乗じた商品で、急成長させた例は数多いものです。しかしトップだけの孤軍奮闘だけでその隆盛が長続きした例は実に少ないのです。組織は集団の力ですから、トップには強固な組織を編み上げる力が求められるのです。
 
最初に触れました「できる人」には、業績達成力や「経営力」は備わっていますが、「人間力」や人望という、大きく稼ぐのに必須の能力が欠けているのです。そんな人がトップになったら大変です。周りに理解されず、協力者もなく孤立し、一人で悪戦苦闘しなくてはなりません。
「できる人」のくちぐせは「なんでこんなことが出来ないのだ」と言う人が多い様です。もしこの言葉が出たら要注意になります。
 
だからといって「できる人」がガッカリする必要は全くありません。もし少人数で「ボチボチ」稼ぐなら、むしろ「できる人」のほうが適任であり、それでいいのです。
 
そのレベルであれば、理性・知性・才能を中心とした戦略や戦術や技術やテクニックで充分に競争に勝てるでしょうし、程々にやっていけるからです。また、そのレベルでは、しばしば失敗の原因となる、義理人情のしがらみに流されることも少ないでしょう。
 
そういう理由で、中小企業の社長には、意外に「できる人」が多いのであります。
しかし、「ボチボチ」以上になり大きく稼ぐようになりたければ、「できる人」から「できた人」へと人間的に成長することが必須の条件になっていきます
 
私が常々口にする、経営者の条件として必要な「経営力」「人間力」は車の両輪の関係と同じで、一方が欠けていると上手く前に進まないのです。陽の力陰の力の働きが必要なのです。陽と陰は、相対立しているように思われるでしょうが、両者相待って、お互いに結ばれて求め合って創造進化していくのです。要は一方だけに偏らない両者のバランスが大切になっていきます。
 
では一体なぜなのでしょうか? 大きな成功には、その人の人間的な何かに惚れ、心から協力してくれる人の存在が絶対に必要になるからです。先ほども申しましたが、トップ一人の力では組織の成長には限界があるからです。もっともっと大きく成長させたいならば、今後一番肝腎で注意していただきたいことは、参謀腹心の部下補佐役の存在が不可欠になっていくことです。
 
この点は過去に有名企業の多くの事例があり、歴史が証明しています。それも小規模で中小零細規模の時代から側近が存在しているところばかりです。
 具体例としては松下幸之助氏と大番頭の高橋荒太郎氏、本田宗一郎氏とマネジャーの藤沢武夫氏、ソニーの井深大氏と森田昭夫氏などが上げられます。 
 
では、あなたの会社には、腹心と呼べる人や側近と呼べる人が、あなたのそばにいらっしゃるでしょうか?
 
もし不在で居ないとおっしゃるならば、中小企業のケースであれば、税理士・会計士をも側近として用いることが考えられます。社内だけでなく社外にも視野を拡げてその道の専門家とタッグやチームを組む方法になります。
 
一人の経営者による「ワンマン経営」から「チームによる経営」への変革も考慮されて良いと思います。今まで、過去に伸びた企業を拝見していますと、社内か社外に必ず側近や腹心や参謀を活用している所ばかりであります。
 
地元の経営者で、この考え方を実践して活用している人は、とても少ないようです。本や経営セミナーで勉強するだけの様です。その結果残念ですが、大きな企業や中堅企業が育ってなく、元気がない状態を呈しております。不景気の影響では決してありません。原因は外側にあるのではなく内側にあるのです。
 
経営姿勢・経営手法・経営哲学、一言でいうと見識の違いなのです。中小企業だからこそ、規模の小さい時からこの考え方を取り入れることが、将来の成長を創り発展の可能性を高めることになるでしょう。
 
中小企業の95%は最高意志決定権者である社長一人の力で「どの様にでもなるもの」と言えますが、トップだけ見ていたのではその会社の将来は分からないものです。トップクラスの側近の力量で組織の器が造られていくのです。
 
最後に、反復になりますが、もし現状では見当らないとおっしゃるなら、社長の腹心・側近・ナンバー2を育てて行くのが重要な課題になられるでしょう。現状の規模の大小に関わらずにです。
この点は社長の心の奧底に意識しておいて頂きたいと思います。いつも目先の業務に忙殺されていては将来の成長などあるはずもないのです。
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2013/02/16(Sat)

(No.198) どうすれば組織を より活性化できるのか? (その1)

 会社の組織を運営するには原則があります。また経営組織を活性化するには、それなりの組織のルールがありますから、それらを理解した上で運営しなければ、効率の悪い組織になり業績も実現達成が難しくなっていくものです。
 
 今回は組織(=会社)を活性化させるための手法について数回にわたり考えていきたいと思います。
 
 組織を活性化させる手法を考える前に、まず「企業や会社にとって組織とは何か?」という基本概念
について押さえておくことが大切だと思います。
 
 まず企業にとって組織とは何でしょうか?組織とは人間の集まりであります。しかし単なる集まりで
はありません。
 
あえて「企業にとって組織とは何か?」と考えてみますと、次の様な考え方が最も適していると思います。つまり「組織とは手段である」ということです。
 
もう少し具体的に表現すれば、「組織とは、企業目的を達成するために、企業構成員を効果的かつ効率的に協働させるための手段である」ということになるでしょう。
 
 言い換えれば、企業目的を達成するためには、企業を取り巻く環境の変化に応じて、組織を最も効果的に運営できる様に変化させ続けていく必要があることを意味しています。
 
つまり、組織とは決して固定的なものではなく、経営環境の変化や、その企業の経営戦略の変化に応じて、流動的に組織編成を行うものであります。固定的ではなく常に変化するものが組織であります。
 
 まして昨今のような経営環境の変化が激しい時代においては、組織を固定的にする経営など「何をかいわんや」であります。常に流動的であらねばならないのです。朝令暮改でも恥ずかしいことではありません。
 
 一般社員と同様に、経営者も幹部も、組織の一構成員であると同時に、自らも職務遂行のために部下を組織化させる立場でもあることを忘れてはいけません。「組織は人事に関する問題だからトップや人事総務に任せている」などと、固定的で硬直化した組織が長年続いている様なら、考え方や意識を根底から変えることが大切になるでしょう。
 
自部門やセクショナリズムにどっぷりつかってしまうと、部分最適で有ればよいわけで、組織は固定化してしまいます。組織を活性化するなら、構成員みんなが全体最適を意識できるかどうかにかかっていきます。そうなると結果として全員経営の思想につながっていき、今回のテーマである組織の活性化につながっていくでしょう。

 では、現在のあなたの会社組織、または部門や部課の組織は、目的に対して好ましい手段となっているのでしょうか?即実践で活用していただくために、以下の手順に従って自己診断をしてみて下さい。
 
1.あなたの会社(または部課)の現在の組織図あるいは役割分担表を絵にして下さい。
 
2.次に、あなたの会社(または部課)の最重要課題や経営戦略を具体的に箇条書きにして下さい。
 
     例えば、新商品であるAを既存のスーパーマーケットの販売ルートを通して売ること。とか商品力を上げるため商品企画部門や生産部門の体制を見直すこと。その他、新商品の開発や新規事業の推進のため専門部署を立ち上げることなど、企業によって様々な経営課題(解決すべき事柄)が考えられるでしょう。
 
.前項の2.で書いた最重要課題を達成するために考えている手段を列挙して下さい。日頃考えてなければ考えてみて下さい。
 
その結果として、直間比率の配置の問題や大して付加価値を上げていない部署などが浮かんでくるものでしょう。内製化や外注化アウトソーシングなどの視点も発見されるでしょう。強み弱みが明確になり、他社との提携や連携の視点も発想可能になることでしょう。
 
4.次の作業は、あなたの会社(または部課)の現在の組織形態は、2.の最重要課題を達成する上で好ましい形になっているかどうか、または、3.の手段を実行する上で好ましい形になっているかどうかを考えてみて下さい。
 
同時にあなたの会社(または部課)が最重要課題を達成する上で最も好ましい形態になるように、将来の想定組織図を描いて見て下さい。すぐには解決できないなら時間をかけてでも解決するように努力する必要があるのが理解できると思います。
 
量的な面や質的な面からの視点が拡がっていくものと思われます。なぜもっと早くから手を打たなかったのかなどと、自社の経営に対する後悔や反省がなされるかも知れませんが、それはそれとして仕方のないことでありますから、気づきを得ただけでも進歩発展していると前向きに考える様にして下さい。
 
(次回に続きます)
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2013/02/23(Sat)

(No.199) どうすれば組織を より活性化できるのか? (その2)

       前回テーマの組織とは何か?に続いて、今回は「組織運営の原則」について述べていきたいと思い
ます。沢山ある原則の中から代表的な4つの原則について触れたいと思います。
4つの原則とは①指令系統統一の原則 ②統制限界の原則 ③責任明確化の原則 ④職務割り当ての原則であります。一つずつ見ていきましょう。
 
 (1)「指令系統統一の原則」
 
     この原則は組織秩序を保持するために、各組織構成員に対する直接の指揮・命令権者は一人である必
要性を主張したものです。
 
     例えば、ある組織にA部長、B課長、担当者Cがいるとしましょう。
この組織において、A部長が担当Cに指示をする場合は、一旦B課長にその指示を下し、それからB課長が担当Cに指示を出す。これが「指令系統統一の原則」に沿った指示の出し方であります。ここまでは常識としてすんなり理解ができると思います。
 
 ところが、A部長が何らかの理由で、B課長を飛び越して直接Cに指示を出したとします。当然、B課長はその指示については何も知らず、彼の部下であるCはB課長の出した指示以外の仕事に従事していることになります。B課長は不審に思い、Cに何をしているのかを尋ねるでしょう。すると、CはA部長から直接に指示を受けたことをB課長に告げることでしょう。
 
 これを聞いてB課長はどの様に感じるでしょうか。B課長は疎外感を持つかもしれませんし、自分がA部長から信頼されていないかも?と思うかもしれません。また、部下であるCもA部長の指示とB課長の指示と、どちらを優先すればよいのだろうかと戸惑うことになるでしょう。
 
 いずれにしても、この様な状態が続くなら組織は形を成しながらも、人間関係もギクシャクして、組織としての秩序は崩壊してしまうでしょう。この様な事態を防ぐには、次の2つの手続きを踏む必要があります。実務で明日からでも即実践なさって下さい。
 
① 通常はA部長 → B課長 → 担当Cというルートで指示を出すことです。
いかなる場合においても、A部長が担当Cに直接に指示を出したい場合は、必ずB課長に指示を出し、B課長から担当Cに命じてもらうのが原則になります。
 
② 通常以外の場合は、A部長は指示をする事前か、あるいは事後にB課長に連絡をとることが必要になります。たまたまB課長が不在や出張の時には、A部長 → 担当Cと直接指示を出します。この場合は、事前に、あるいは指示を出した後に、できるだけ早くB課長にその旨を連絡することが必要になります
 
と同時に担当Cも直接A部長から指示を受けたことを、出来る限り速やかにB課長に報告することが必要になります。上と下が同時にアクションを起こすことがポイントになります。
 
この原則は、「面倒くさいなぁ」と思われるでしょうが、実は原則通りであり、指示の出所が1つであることを求めたものであります。上司が複数の部下に直接に指示を出すことは、ごく当たり前のことであり、実務では一向に差し支えありません。経営はスピードが大事であり当然であります。
 
この事例での私の新入社員当時の苦い思い出があります。まだ新入社員研修を受ける前でしたから、そんなルールがあるとは全然知らずに、課長からの指示を受けて仕事をやっていました。すると上司の係長から、こっぴどく叱られ「組織を乱すな」と一喝されたのを40年以上経過しても昨日の様に覚えております。
 
 やはり新入社員が組織に入ってくると、組織のルールや仕事上の原則は、なるべく早めに教育指導しないと組織の運営は難しいことが教訓としてあげられます。中途の社員であってもしかりであります。
 
 私のコンサルティング体験で申しますと、中小企業では会社経営者でも「知りませんでした。初めて知りました」という方が大勢おられました。「基本が習得できていない人がいかに多いか」と言うことであります。この様な会社では組織の活性化どころではないのは当然であります。
 
(次回に続きます)
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