2013/06/01(Sat)
(No.213) 成功社長から学ぶ最強の5つの力とは? (4/5)
4つ目の力は、真の成功者が必ず持っている力「喜他の力」についてです。
私は常々「自喜喜他」という言葉を口にします。その意味は、「自喜とは喜他を言う」ということで、他の人が喜ぶことをもって自分の最上の喜びとするという意味で人生観を表した言葉であります。
「人生を生きる上で人間として一番大切なもの」そして「真の成功者が共通して必ず持っている資質」とはいったい何でしょうか?考えて見たいと思います。それは「喜他の力」になります。
最澄伝教大師の言葉である「自利利他」という教えもあります。これは「自利とは利他を言う」という意味であり、他に利益や満足を施す力である「利他の力」が源泉となるもので、他を喜ばす力「喜他の力」と似ていると思います。
今回のテーマである「喜他の力」とは聞きなれない言葉かもしれませんが、読んで字の如く「他人を喜ばせる力」のことになります。
私はこの視点で世の中を見渡してみますと、いまの日本人は「あの人を喜ばせてあげたい」「この人を楽しませてあげたい」という気持ちが昔に比べて弱くなっているように思います。自分さえ、自分の家族さえ、自分の会社さえ、良ければそれで充分であると考える自己中心重点主義の価値観が蔓延しているように思えてなりません。
先ほども少し言及いたしましたが、真の成功者たちは価値観や人生観の優先順位の一番を「自分」ではなく、「他人」にしています。そして、すべての行動のベースに「他人を喜ばせよう」という動機があります。
他人のために軸足を置いて頑張ることが、ひいては自分の幸せにつながることを知っているからなのです。つまり自分が幸せになり、心から喜びを感じたいのなら相手や他人を幸せにして喜ばせることが大切になることを哲学として身に付けているのです。
そのためには他人を喜ばせる力、「喜他の力」を付けることが必要であり大切になっていきます。この様に真の成功者は誰からも教えられずとも、自分を幸せにしようと思うなら他人を幸せにすることであると心得ているのです。
そう言う意味で学ぶべきは、今後は我々ももっと「喜他の力」を養うことが求められて行くでしょう。経営面ばかりでなく日常の生活においても、初めにテイクありきの考え方ではなく、まずギブあってこそのテイクの精神や、自分のためだけのフォーミーでなく、あなた・あなた方のためにというフォーユーの精神などの心を備える必要があるといっても良いと思います。
自己中心第一主義で「自分を喜ばせる幸せ」だけを追求した毎日では、「マイナス感情」が発生するのです。なぜならば、人は人とのつながり無しでは生きていけないからです。人間は社会的動物であり決して一人では生きられないからです。まして「自分を喜ばせる幸せ」だけを追求している人は、他人を好きになれない人が多いのも事実です。
だから徐々に孤独になっていき、やがて、自分の心に穴が開いてしまいます。一方で「自分以外の他人を喜ばせる幸せ」を追求している人は、次のような特徴や能力を備えている人に成長していきます。
・ 自分自身が好きになる
・ 自分の人生観は間違っていないという信念があるため自分が信じられる つまり自己を信じる力である「自信力」を持っている(これは1つ目の力のところで説明いたしました)
・ 自分の苦労が気にならなくなる 「積極的自己犠牲」ができて割に合わないことでも平気で取り組める人になっている(3つ目の力で説明いたしました)
・ そのプロセス自体が現実的に他人を喜ばせるから、努力が報われていき、またその結果として充実感と充足感、引いては常に生き甲斐を感じて生活している
・ 努力することを「本気」で楽しんでいる 単なる労働でなく喜働の人になっている (3つ目の力で説明いたしました)
・ 助けてくれる人が現れる 他に共感を与えるため、波動の共振・共鳴が起こり、共時性(シンクロニシティ)が働くようになっていき賛同者や仲間が自然に増えていく
この様に良いことづくめで良循環・好循環していくのです。その結果として大成功者や真の成功者へと道が拓けて行くのです。
これとは逆に「自分を喜ばせる幸せ」のためだけに頑張っている人は、うまく行かないことがあると、「マイナス感情」に陥ってしまうことになるでしょう。「もうできない」「もうダメだ」と弱気になってしまいます。良循環どころか悪循環に陥ることになっていくのです。
ところが「心の支えとなる人」がいれば、そのようなマイナス感情は生まれません。「あの人のためなら頑張れる」そういう心の支え(=喜ばせたい誰か)を持つと、とてつもないパワーが出てくるものであります。
(次回に続きます)