2014/03/01(Sat)
(No.252) ドラッカーの「5つの質問」に学び実践で活用を (2/3)
3.(第三の質問)顧客は何を価値と考えるか?
この質問は、顧客にとっての価値は何か?顧客は本当は何を買っているのか?我が社の本当の商品は何か?を問うています。物やハードでなく心的状態、つまり心地よさや、満足感などになるでしょう。物そのものでなく、「○○するコト」を買っているのではないでしょうか?
顧客はなぜ、何を求めて我々を選択してくれたのか?を言い当てることは難しいでしょう。顧客は本当は何を買っているのだろうか?もし車を扱っているのであれば、車を購入する目的は交通手段の為か?富のシンボルが欲しいのか?かっこ良さを求めるのか?顧客の心理は色々と考えられます。
過去と比べますと顧客を取り巻く市場環境も、顧客自身も常に変化しています。一昔前と比べても比較できない程変化のスピードが激しくなっています。インターネットやスマホ・タブレット(多機能携帯端末)の普及でネットショッピングなど従来より顧客が見えにくくなっています。
だから企業や組織体は顧客を知る活動に注力することが必要になってきます。売上が増加しているから、それで良しと考えるだけでなく、見えにくくなった顧客を相手にして全ての顧客を訪問し対話することが求められています。
そのためにトップ自ら外に出ることです。特に離れた顧客に接触することです。失注した自社の営業担当に話を聞くことなどが必要になるでしょう。全ては無理でも姿勢としては大切なものになります。勝手な憶測で顧客を理解したつもりになってはいないだろうか?を振り返って見ることです。
以下は、顧客をもっと知るための問いを掲げておきますから、皆さんその問いに答えて見てはいかがでしょうか。今後の参考になさって下さい。
① 顧客が買うのは何か?顧客は何を価値あるものと考えているのか?顧客は我々の商品サービスを買うことによって、本当は何を買おうとしているのか?顧客の真のニーズ、充足したいと思っている満足とは何か?のテーマを探究することです。
② まだ満たされていない顧客の欲求は何か?いかなる分野において顧客はまだ満たされてない新しいニーズ、ないしは十分満たされてないニーズを持っているのか?を探究することです。
③ 顧客あるいは顧客でない人達は現在、他社から何を購入しているのか?それらの購入は顧客にとっていかなる価値があるのか?いかなる満足を与えているのか?を研究することです。
④ いかなる状況が我が社の商品やサービスなしでも済むようにしてしまうのか?我が社は顧客の経済・事業・市場の何に左右される様になっているのか?経済性かそれとも豊かな社会における物からサービスへの流れなのか?低価格から便利さへの流れなのか?を予測することです。
⑤ 完全に不合理に見える顧客の行動の本質は何か?顧客の現実であって我が社に見えていないものは何か?を探究すること、などが大切になって行くでしょう。
4.(第四の質問)われわれの成果は何か?
成果や業績は組織の外にあります。つまり顧客の中にあります。成果とは顧客と共有可能なものになります。売上高ではありません。売上の数字は顧客と共有できないものなのです。
組織の中に成果は存在しません。全ての成果は外の世界にあります。顧客・社会の中にあるのです。
一般には成果・業績指標といえば売上数値目標のことを指しますがそうではありません。それは成果に後からついてくるご褒美のようなものです。成果は仕事をしたことで得られる何かの好ましい結果であります。安心・安全・便利さ・効果・不満の解消・満足の増加など、それは各社がそれぞれ定義しなくてはいけません。
成果について深く考え厳しく評価していくことが、自分達の事業の成功に決定的に影響を及ぼします。成果は売上数値目標から離れた頭で考えるのが重要なポイントになります。また成果は顧客と共有できるものにすることです。
売上のノルマは顧客と共有できませんから「今月、私のノルマはこれだけの額ですから一緒に頑張りましょう」と言うわけには行かないのです。しかしながら成果は顧客と共通・共有のものとすることができるのです。