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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2015/01/17(Sat)

(No.298) やる気を引き出す モチベーションとリーダーシップ (4/4)

モチベーションにおける方向性は個人的なものです。ただ、組織としての方向性はビジョンにあたりますので、ビジョンが共有できれば組織と個人の目的が統合されて、モチベーションの向上に影響をもたらすのです。この様に個人と組織の両側の方向性が確定して初めて行動を立ち上げ、維持しようとしてモチベーションが喚起されるのです。
 
ビジョンとは、組織にとって望ましく、実現可能な未来のイメージを思い描けて、現実的で信ぴょう性があり、魅力的な未来を明確に伝えるものです。ビジョンが明確に示されることで、組織のメンバーは理想と現実のギャップを埋めることが本人にとって魅力的なものであればあるほど、取り組むべき仕事の「やりがい」が生まれ、内発的モチベーションが喚起されていくのです。
 
組織の運営のコツとして、ビジョンとして全社的な方向性を示し、同一の価値観として社内共有を促すことが大事です。一方で、直接接する部下には承認欲求を満たす様に、「褒め言葉」や成果に対する適切なフィードバックをすれば、さらに内発的モチベーションが向上することになります
 
もち論、この関係の基礎には、成果に対する適切な報酬、あるいは昇進といった外発的な報酬が担保されていることが条件となります。そうでなければ、組織との信頼関係が成り立たず、安心して仕事をすることはできません。リーダーシップを発揮できる土壌には、マネジメントがしっかり機能していないと成り立たないのです。この点に関しては、当経営コラムNo232の「動機付け衛生要因理論」をご参照下さい
 
やる気」についての考察を締めくくるにあたり、「やる気」を出す側と促す側の双方に求められる心構えについて触れてみたいと思います。
 
米国発祥のサーバント(奉仕者・奉公人)・リーダーシップという新しい考え方があります。日本でも少しずつ認知が進んでいる様です。これは、従来の支配型・権力型リーダーシップではなく、リーダーは奉仕の精神をもって組織の目的に仕え、部下に対しても同様の心構えで接することによって支援型リーダーシップを発揮するという考え方です。さらには、奉仕の精神を持ったリーダーを受け入れる部下に対しても、上司と同じく奉仕の精神を持って組織の活動の遂行が求められるという考え方です
 
サーバント・リーダーシップに関しては次の10の特性が明記されています。具体的には、話を積極的な姿勢で聞く「傾聴」、相手の立場になって気持ちを理解する「共感」、ストレスを与えない「癒し」、ヒントを与える「気づき」、理解を促す「納得説得」、分かりやすく説明する「概念化」、見通しを示す「先見力」、自分の利益より利他と喜他の実践で喜びを感じ、信頼関係を構築する「奉仕役」(まさにサーバント)、相手を伸ばそうとする「成長への関与」、真の協力関係を構築する「コミュニティづくり」の10項目です。まさにWin-Winの精神そのものです。
 
どれも響きが心地良い言葉ばかりですね。言葉の裏側に流れている、人間性や人格の高さと徳性が感じられます。人間学や人間力を追求している質の高い集団が想像できます。
 
奉仕の精神とは何かに仕えることです。それに加えて、関係する全ての人々が目的を共有するコミュニティのメンバーとして、お互いの存在を承認することが必要不可欠となりますリーダーに限らず全てのメンバーがサーバント・リーダーシップを発揮すれば、一体感があり内発的に動機づけられた組織が生み出されるという考え方です
 
この様な関係は理想に過ぎないと思われるかもしれません。しかし、目的を共有しお互いを尊重するメンバーで支え合えるコミュニティとしての組織運営を目指す気持ちは、いかに時代が変わろうとも、リーダーであろうがなかろうが、立場にかかわらず全メンバーが常に持っている必要がある、この上ない最高の価値観素晴らしいリーダーシップの哲学と言えるのではないでしょうか。
 
長いコラムで専門的な難しい言葉が多いコラムでしたが、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
 
 
補足】 後日整理して、振り返りができるように、キーワードを挙げておきます。
 
「やる気」=モチベーション(動機づけ)
「目標に向かって行動を立ち上げる・方向づけ・支える力」(モチベーションの3要素)
「欲しいという欲求」「動因と誘因」・・・(行動に影響する2つの要因)
「ご褒美と報酬」「罰と恐怖」「アメとムチ」「信賞必罰」・・・外発的モチベーション 
「好奇心」「興味」「達成感」「面白さ」「使命観」「志」・・・内発的モチベーション
 
「やりがい」と「自信を持つ」「自己効力感」(やればできるという自信)「実現可能性・有能感・自己決定感」・・・(内発的モチベーションに影響する要因)
「褒めると褒め言葉」「言語報酬」「承認欲求に答える」・・・(内発的モチベーションを更に高める) 
「欲求5段階説」(AHマズロー)の「成長動機と欠乏動機」
 
「アンダーマイニング効果」(覆す、壊れていく)・・・高い内発的モチベーション+外発的モチベーション(報酬やお金やプレッシャー)=内発的モチベーションの低下減少
「エンハンシング効果」(高める、強める)・・・内発的モチベーション+言語報酬の「褒め言葉」=内発的モチベーションが一層強化
 
「Y理論」(ダグラス・マグレガー)と内発的モチベーションの必要性・・・個人の欲求と組織の目標の一致
リーダーシップとマネジメントの違いと関係 「ビジョン(将来展望・目標・方向性)の大事さ」
サーバント・リーダーシップ「奉仕役」・・・支配型・権力型リーダーシップと支援型リーダーシップの違い 最高の価値観 Win-Winの精神
 
 
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