(No.361) 起きる出来事はすべてに意味がある (2/2)
前回のポイントの(1)は、もし自分の周囲で不都合な出来事が起きたら「その出来事は自分の天命や使命や、人生の目的を達成するために必要なもので、天に不必要なものや無駄は一切ない」と、すべてを受け入れることが大切であること。
と、もう一つのポイント(2)は、「すべての出来事や問題にはデメリットだけではなく、メリットが必ずある」と述べて参りました。
少し横道にそれますが、「我が身に降りかかってくる一切の出来事は自分にとっては、“絶対必然”であると共に、かつ“絶対最善”である」という考え方があります。この“絶対最善”という考え方はライプニッツという哲学者(独)が唱えた有名な説であります。英語では「オプティミズム」と言って“楽天主義”とか“楽観主義”とかに訳されています。
この考え方は現代社会でも少数でしょうが普及しているようで、「自分にとって、あらゆる事柄や出来事は、禍福に拘わらず“絶対必然”であり(その理由は因果の法則が働いているから)、かつ“絶対最善”である」という一つの「人生観」になっているようです。ひとつの哲学として立派に存在しています。
この「絶対必然」で「絶対最善」であるとの考え方は、自己に与えられた全運命を感謝して受け止めて、天を恨まず、人を恨まず、いや恨んだり咎(とが)めたりしないだけでなく『楽天知命、故に憂えず』(易経)と同じ思想で「天命を信じる故に、天命を楽しむ(その心構えができた時に人の憂いはなくなりますよの意)」という境地のことであります。
もし、これが道理だとしても、この考え方を「なるほど」とうなずくということ自体がひょっとしたら難問と言えるかも知れません。では、なぜこの道理は容易にうなずきにくいのかと言いますと、それは物事には全て裏と表があるからです。先述しましたデメリットとメリットが必ずあるからです。マイナスとプラスと言ってもよいと思います。言い換えれば表の日向(ひなた)と裏の日陰の両面があるからです。
人間というものは、とかく自分の好きな方や欲する方に執着して、他の半面は忘れやすいものです。「冬は太陽ポカポカの日向がよい」と思い、「夏になれば日向はごめんだ日陰がよい」と誰もが考えるものでしょう。
ところで、我々人間は自分が順調に日常を送っている間は、とかく人の情けとか他人の苦しみなどという様な事には、なかなか気づきにくいものであります。順調ということは、表面的にはいかにも結構の様ですが、精神的にたくましくはならず、逆に、徐々にではありますが弱く軽く、かつ甘くなりつつあるということです。
つまり、表面上のプラスに対して、裏面にはちゃんとマイナスがくっついているということです。プラスとマイナスは表裏一体の関係であり、プラスとマイナスはワンセットであり、二つで一組みなのです。前回にも触れましたが、このニュートラルで中立の状態が常でありますから、物事はすべてが完璧にバランスをしているということなのです。
同様に表面がマイナスであれば、裏面には必ずプラスがついているのです。ただ、悲しいことに我々人間は自分ではそうとはなかなか気づかないもので、表面のマイナスばかりが気になるものです。そして、裏面に秘められているプラスの意味や貴重な価値が分からないのです。その様にして投げやりになったり、やけを起こしたり、自暴自棄になったりするものです。すごく残念であります。
要するに、人生万事、プラスがあれば必ず裏にはマイナスがあり、表にマイナスが出れば、必ず裏にはプラスがあるという訳です。さらに考えると、“プラス・マイナス ゼロ”であり、人生や世の中はみな公平そのものであるとも考えられます。だから、そんなにあせがって他と比較することもないし、他と競争をする必要もないのです。
私たちの人生で起きたこと、また、これから起きるかもしれないことは、良くても悪くても、すべて宇宙からの贈り物でプレゼントなのです。とは言うものの、一見マイナスに思える出来事の裏に潜む、隠れたプラスの贈り物を理解するには時間がかかるものなのですが・・・。この辺がなかなか理解していただくのが難しい点になるのですが・・・。
そうなのです
「天命は いかなることも 意味がある 天に棄物や 無駄はないのだ」これが基本です。また
「人生は 心ひとつの 置きどころ 良くも悪くも 使い方のみ」なのです。心ひとつなのです。
「人生は 受け止め方で どんなにも 変化するもの ありがたきかな」であり、自分の心をどう使うかです。もし万が一、苦や困難や辛いことに遭遇したら、
「苦に合えば ただちに変えよ 感謝して 喜びにして 受け止めること」であります。きっと心が高まり人生が豊かになるはずであります。
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