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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2016/05/07(Sat)

(No.366) 経営計画書は奇跡をもたらす「魔法の書」である (1/2) 

経営計画書は、社員を変える前に社長自身を変えるものです。というのは、経営計画によって社長は初めてわが社を知るからです。経営計画以外に、会社全体を知る手段はないというのが、経験を通しての私の実感であります。

 

経営計画によって、社長は自ら何をしなければならないのかを知り、同時に増収増益の道を知るのです。迷いは吹っ切れて、自信を持って事業を経営することが出来るようになれるのです。もし「私は未来に向けて、社長として何をしたら良いのかが良くわからない」と思われている社長であれば、経営計画を自ら率先して立てることを提言したいと思います。

 

社長が、自らの未来像を明示しなかったら、社員はどうして自らの未来を考えることができるのでしょうか。社員の最大の不安がここにあるのです。この不安を取り除いてやることは社長の責任であります。これは経営計画書を作ることによって自然に解決できるのです。だからこそ、経営計画書を作り、これを発表した途端に会社が変わってしまうのです

 

  この様に経営計画書こそが、社長自身を本当の意味で事業経営に目覚めさせ、かつ自らの心に革命を起こさせるものになります。同時に、社員に対しては会社の将来に関する不安を解消させ、社長を信頼し希望に燃えて働く意欲を心底から起こさせるという効果をもたらすものです。経営計画書というものは、社員の心にも革命をもたらし、と同時に会社に奇跡をもたらすという、まさに「魔法の書」と言えるものです

 

経営計画が完成したら、その後の実施については、部下に思い切って任せ「ああだこうだ」とあまり言わない方が良いでしょう。特にやり方について、色々と指示するのは厳禁にして下さい。要は目標を達成すれば良いのですから、やり方は言わずに目標達成をあくまでも要求することです。

 

そのためには、任せっぱなしではいけません。定期的にチェックする必要があります。チェックをしないのならば、最初から計画や目標などは立てない方が良いでしょう。チェックをやらないとすれば、目標は飾り物になってしまうでしょう。経営計画は経営者の決意を表明したものであり、チェックはそれを達成しようとする執念の現れなのです。是が非でも実現するという執念こそが経営者にとっては大切なものなのです。

 

  リーダーシップの第一要件は「自らの意図を明らかにする」ことです。このリーダーシップを発揮するための最大のツールが、この経営計画書なのです。経営計画書には、社長の決意、目標、方針、行動の要諦などが明確に示されています。これらに社員は動機づけられるのです。

 

  そもそも、社長は会社の最高責任者であります。その社長がわが社の未来を決める最高方針の樹立と目標の設定を自らの責任と意思において、自らの手によって作り上げることこそが本当なのです。その重要な事を他の人にやらせるということは、明らかに社長の重大な責任回避になります。つまり、経営計画書を必ず自らの手で書き上げることこそ、社長として絶対にやらなければならないことなのです

 

  もしも、目標を定めずに成り行き経営を行って、懸命に努力して、結果はどうなったのかは、決算書で見るというのでは、正しい事業経営などできるものではありません。「事業経営は逆算である」ことを、社長は肝に銘じて経営を行わなければならないのです。その逆算は利益計画から始まります。つまり、「手に入れたい利益を目標として設定し、その利益をあげるために必要な売上高を逆算する」という風にであります。

 

  ところが、このことを知らずに、「まず可能な売上高を予測し、その売上高にもとずいて利益を計画せよ」と教える人は数多いものです。これでは計画ではなく「計算」にしか過ぎないのです。

 

 (次回に続きます)

 

 

 

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2016/05/14(Sat)

(No.367) 経営計画書は奇跡をもたらす「魔法の書」である (2/2)

前回にも少し触れましたが、わが社の未来を決めてしまうほど重要な、経営計画の作成を他の人にまかせたりして、作成時間を節約するというほど、間違った時間の使い方はありません。経営計画時間をかけることこそ、時間の最も有効な使用法であるとも言えます

 

というのは、経営計画に費やした時間の数千倍から数万倍の時間が、それ以降に節約できるからです。その意味は「利益が増大する」ということです。仮に一年で利益が二倍になれば、一年間節約したことになるのです。

 

また、人間というものは、目標があれば、それに向かって努力するという不思議な動物なのです。同時にこの目標指向は誰もが持っています。そして恐らくは人間だけしか持っていない、この特性を有効に利用しないという手はないのです。社員を動機づけているものは、社長自らの決意と責任から生まれる会社の未来像であり、その中に示された目標なのです。ここに全員参加の経営が生まれるのです。そして業績は見る見る上がってゆくものです。

 

目標とは手に入れたい結果です。だから、その通りにいくことが望ましいことは言うまでもありません。がしかし、現実にはその通りにいくことなど、まれにしかありません。それを「望み通りにならないから目標を立てても無駄だ」と考えるのでは、話になりません。そういうことでは難しい企業経営のかじ取りなどできるものではないでしょう。

 

目標実績の差は、客観情勢のわが社に及ぼす影響を量的に知らせてくれるものです。別の表現をすれば、目標実績の差とは、客観情勢をどれだけ見損なっていたかの度合いを表わしているものなのです。見込み違いが分かってこそ、正しいかじ取りができるものです。だから、「目標はその通りにいかないから役に立たない」のではなくて、「その通りにいかないからこそ役に立つ」ことを知らなければいけないのです

 

その他にも経営計画書の波及効果はあります。実は経営計画書は銀行の態度をも変えることができるのです。

 

そもそも、銀行はお金を貸すのが商売です。その銀行が一番心配するのは、貸すことではなくて、将来返してもらえるのかどうか、ということです。つまり、返済能力についてです。それを知りたいために銀行はいろいろと手を尽くします。しかし、頼りになるのは、銀行用に粉飾しているかもしれない決算書と毎月のように変わる資金繰り表だけで、その会社の社長が一体何を考え、今後どのようにしようとしているかは、社長の話しだけでは銀行はさっぱり分からないのです。

 

そこへ、その会社の経営計画書が銀行へ提出されたということになれば、銀行としては願ってもないことであります。この瞬間から銀行の態度が変わり、お金を借りるのが楽になって行くはずです。ここで注意して頂きたいことは、毎期連続して赤字の経営計画で、元金の返済能力も出ないような計画では借り入れは難度が高いかもしれないという点です。ご注意下さい。

 

銀行へ自社の経営計画書を提出した後に、さらに、毎月の実績を銀行へ報告すれば、もう言うことなしであります。状況のよく分かっている会社と、分からない会社の、どちらに銀行は融資するのか、言うだけヤボになるでしょう。活学実践を期待いたします。

 

 

 

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2016/05/21(Sat)

(No.368) 最高責任者としての社長のあり方と正しい姿勢 (1/3)

昔に申し上げたことがありますが、いい会社とか悪い会社とかはありません。あるのは、いい社長悪い社長であります。事業経営の最高責任者である社長は、まず何をおいても「正しい姿勢」を持たなければなりません。

 

一つは最高責任者としてのあり方であり、もう一つはお客様に対する態度であります。「お客様の要求を満たす」ことこそ、事業経営の根底をなす会社のあり方であり、最高責任者である社長の基本姿勢でなければなりません。社長がこの正しい認識を持つと、その瞬間から会社の業績が向上しだすのを私はこの目でしっかりと見届けてまいりました。

 

よく「ワンマン経営」ということを耳にされると思います。ワンマン経営とは社長がすべてのことに権力を振るって勝手なことをすることではなくて、社長ただ一人が事業経営の全ての責任を負うことを言います。このワンマン経営のないところに、真の経営などはあり得ないのです。

 

もし会社がつぶれた時の責任は言うまでもなく、明らかに「社長ただ一人」にあります。文字通り「ワンマンの責任」なのです。このことを知っていれば、心ない人が「あの人はワンマン社長だ」などという言葉が、いかに誤っているのかが良く分かるはずです。

 

合議制、民主経営などということは全くの誤りであり、「ワンマン経営」以外はあり得ないのです。何事も部下に相談し、会議で決めるというようなことは、厳しい現実に対しては決して正しいことではありません。「ワンマン経営こそが本当」なのです。

 

社長の決断や決定は、すべて外部への対応であり、未来志向であります。それは社員の知らない世界のことであり、社員に意見を求めても意味のないことが多いものです。意見を求めるのは社内より、むしろ社外の人の方が多いのです。それどころか、重要な事ほど社員に意見を求めるわけにはいかないのです。これが事業経営というものなのです。

 

  このことを、平素から社員に話をして理解させておかなければいけません。これをやっておかないと、経営を知らない社員は「うちの社長は我々に相談をしてくれない。ワンマン社長で困ったものだ」というような全くのトンチンカンな見解を持ってしまうという危険があるからです。

 

優れた決定は、多数の人々の意見から出るのではなくて、優れた経営者の頭から生まれるのです。ワンマン決定権力の現れではなく、責任の現れであり、決定の大原則です経営者はすべての結果について全責任を負わなければなりません。何がどうなっていようとも、その責任を逃れることはできないのです。全責任を負う者決定するのが当然であります

 

  経営者の行う決定は、危険だけを伴うのではありません。すべての人が喜ぶ決定も、また現実にはありません。当然そこにあるのは、いろいろな反対を押し切るという、苦しい決定でもあるし、その苦しさは反対を押し切られた側よりもはるかに大きいともいえるでしょう。その苦しさに耐えなければならないのが経営者の宿命なのです。

 

  次に最高責任者としてのあり方として、欠くことのできないことがあります。それは、社長とは年単位でものを考える人であるということです。年単位で何年も先を考える人でなければなりません。もし月単位でものを考えている様では、目先のことしか見えない近視眼的経営になってしまい、何年も先のことなど考えられるものではないからです。月単位での思考これは社員がやるべきことになります。

 

  会社にとって重要な革新であれば、それを軌道に乗せるのに、少なくとも二年や三年はかかり、実りあるものにするには五年くらいはかかってしまうものです。だから、五年後にこうなりたいと決心したならば、それを実現するためには、今行動を起こさなければならないのです。

 

  それだけではありません。五年後にこうあるためには、二年後はどうなっていなければならないか。三年後はここまで進んでいなければならない、という「中間の目標」が必要になります。それらの目標を達成するための様々な活動と、その間のバランスをとらなければなりません。この様にして初めて目標が達成されるのであります。

 

 (次回に続きます)

 

 

 

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2016/05/28(Sat)

(No.369) 最高責任者としての社長のあり方と正しい姿勢 (2/3) 

  前回は、社長の経営者としての正しい姿勢は「ワンマン経営こそが本当の姿勢である」ことと、社長は「年単位でものを考える人である」と述べてきました。今回は「優れた企業、優れた社長は必ず優れたビジョンを持っている」というテーマについて述べてみたいと思います。

 

  まず最初に、会社は絶対に潰してはいけません。いつ、いかなる場合でも利益をあげて存続させなければなりません。これが経営者の最低限の社会的責任であります。そこに働く人々の生活を保証するという社会的責任をもっています。次に地域や社会に貢献するという責任を持っています。そのためには、会社自体が繁栄しなければならないのです。繁栄は社会がその会社を必要としていると言う何よりの証拠であります。

 

  経営者は、まず以上のような社会的責任を自覚してもらいたいと思います。さらに、従業員に対する人間的な責任があります。「とにかく食って行ければいい」「もうこれ以上大きくはしない。こじんまりやるのが私の主義だ」という様な社長に、よくお目にかかります。こういう生き方は社長個人としてならば結構であります。はたから、我々がとやかく言うことはありません。

 

  しかし、経営者は従業員を抱えているのです。社長がこの様な気持ちでいたら、従業員は浮かばれません。人間はみな生活の向上を願い、自己の才能を発揮したいという欲求をもっています。一個の人間としての「自己拡大・自己実現の欲求」の本能を持っています。会社を発展させなければ、従業員の自己拡大の欲求と自己実現の欲求は満たされないのです。

 

  要は、会社を発展させなければ、従業員の人間としての欲求を無視することになるのです。厳しい表現をしますと、一旦、経営者を頼って入社してきた人間の欲求を満たしてやろうとしないのは、人間性無視も甚だしいと言えるかも知れません。従業員を人間でなく、単なる物と同じように考えているからでしょう。

 

  経営者は、以上のような社会的責任と、従業員に対する人間的な責任の両方を負っているのです。そのためには、どうしても長期的な繁栄を実現させなければならないということになるのです。そんな簡単ではなく、すごく厳しい条件だとは思いますが・・・。

 

  この自覚が経営者の使命感になるでしょう。この使命感のない経営者は経営者としての資格がないと言えます。この使命感の土台の上に、経営者のもつ人間観・人生観・宗教観・世界観などの哲学を積み重ねて「わが社の未来像」を心に描く必要があるのです。

 

  それを繰り返し、繰り返し反すうし、温め、次第に高めてゆく。その未来像は、自分に言い聞かせるだけでなく、絶えず従業員に語り掛け、社外の人に話すことが求められます。そのことが従業員に希望をもたせ、社外の人々の援助や協力が得やすくなるからです。社長自らは、それが自然に潜在意識に植えつけられて「必ず実現してみせるぞ」という信念が生まれてきます。

 

  こうなればしめたものであります。未来像に基づく、長期目標が設定され、目標達成のための設計図が引かれ、発展への軌道に乗ることになるのです。

 

  経営者の使命感を土台にした未来像のないところに経営はなく、繁栄はありません。すぐれた企業は必ずすぐれた未来像とビジョンを持っているものであります。

 

  この様に会社の業績は、社長の考え方と行動によって決まるのです。「企業は人なり」というのは、社長次第ということであって、社員のことではありません。社長は部下の能力を向上させるための教育をしようとする前に、まず「優れた経営」をすることを自ら誓い、これを実行することこそ本当であります。そうすれば、自然に人材が集まり、人材が育つのであります。

 

  優れた経営者は常に「うちの社員はよくやってくれます」と人に語り、能力の低い経営者ほど、自社の社員の無能ぶりを他人にこぼすものです。「企業の業績が上がらないのは、社員の無能の故である」と考えるほど、間違った考え方はありません。

 

(次回に続きます)

 

 

 

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