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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2016/06/04(Sat)

(No.370) 最高責任者としての社長のあり方と正しい姿勢 (3/3)

次に社長のあり方と正しい姿勢について大事なテーマですが、経営者は勇敢に、潜在する可能性に挑戦して取り組んでいかなければなりません。危険を恐れてはいけません。凡庸な経営者は、危険を理由にして革新を避けようとします。可能性は、それが革新的であればあるほど、危険も大きいでしょう。逆に危険を伴わない決定などは会社の将来に大した影響のない、次元の低い決定であるでしょう。

 

革新的な決定は、危険だけでなく同時に社内の抵抗や批判も多いものです。厳しい表現をすれば、部下が悲鳴をあげたり、尻込みするような決定でなければ、優れた決定とはいえないのです。当然ですが、社長とは「経営に関する危険を伴う意志決定をする人」になります。この考え方には驚かれるかも知れませんが・・・。

 

  「社長の責任において決定する」という意味は「結果に対する責任は、社長がすべて負う」という意味になります。それだけではありません。「社長が知らないうちに起こったこと」でも、すべて社長の責任なのです。会社の中では、何がどうなっていようと、結果に対する責任はすべて社長がとらなければならないのです。

 

人の上に立つ者は「部下が何をしようとも、それはすべて自分の責任です」という態度がなければ、本当の意味で人を使うことはできないのです。部下の信頼を得ることができないからです。社員というものは、社長を信頼することができない場合には、働く意欲を失い、社長がいくら気合をかけても決してこれに応えようとはしないのです。

 

また「優柔不断は、誤った決定よりもなお悪い」と言えます。決定で大切なのはタイミングです。客観情勢は容赦もなく変わっていきます。グズグズしていると時機を逸してしまいます。決定は巧遅コウチ(優れているが遅い)より拙速セッソク(つたないけれど早い)の方が大切な場合が多いのです。速やかに行動を起こさなければ手遅れとなってしまうかもしれないからです。

 

  たとえ決定が間違っていたとしても、決定しないよりは優っています。早く動きだせば、間違いも早く発見でき、それを訂正する時間が残ります。いかに優れた決定でも、土壇場になってからでは、それを実現する時間がありません。躊躇逡巡チュウチョ シュンジュンこそが社長の大敵なのです。逡巡して何も決められない社長は会社を潰してしまいます。

 

この様に社長が最も戒めないといけないのは、優柔不断であります。決定に伴う危険や、部下の不満を考えてイタズラに迷っていたら会社をおかしくしてしまうのです。また「決定は部下に任せてはいけません。任せるのは実施であり、決定ではありません」この点は、どうかくれぐれもご注意下さい。

 

では、任せるとはどういうことなのでしょうか?言葉の意味も分からぬままに、やたらに使うから会社をつぶしかねないような事が起こるのです。この誤解が広くあまねく世間に行き渡って、大きな実害を流し続けているのです。

 

だから「任せる」という言葉の定義づけをしておかなければならないのです。その定義とはどんなものでしょうか?

 

事業というものは、やり方の上手下手で運命が決まるものではありません。決定によって運命が決まるのです。その決定を行う人こそ社長です。社長が決定を誤れば会社はつぶれるか、つぶれないまでもピンチに陥ったりします。あるいは、いつまでたってもウダツの上がらないボロ会社でいなければならないのです。決定というものは実施に移されます。その実施社員の役割です。決定は社長、実施は社員の役割です。そして任せるのは実施であって、決定ではありません。絶対に間違わないで下さい。

 

話しが少し転じますが、その企業の過去の数字が優れているということは、現在も優れた企業であるという実証ではありません。現在優れているかどうかは、企業の未来に対して、どのような決定がなされているか、によって決まるのです

 

未来に対する正しい決定がなされている企業こそ、優秀企業なのです。いうまでもなく、その正しい決定とは、市場の変化の方向を正しくとらえ、顧客の要求を見極めてこそ、初めて行えるものです。つたない社長や悪い社長は、今年のことだけを考えて、未来を考えていません。優秀な社長やいい社長は、今年のことは考えず、わが社の未来を考えています。なぜなら今年のことはすでに三年前に手を打っているからであります。

 

厳しく表現しますと、今日の収益は赤字でない限り、社長にとっては大した重要性はないのです。本当に重要で大切なのは、あくまでも会社の将来の収益なのであります。活学実践を期待いたします。

 

 

 

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2016/06/11(Sat)

(No.371) 経営の思いがけないコツとは? (1/4) 

 経営実践において、普段は意外に気づいてなく、又、意識すらしていない考え方や見識があるものです。今回は表題の様に、オヤッと感じる「思いがけないコツ」について考察を進めていきたいと存じます。

 

まず最初の一番目。「部門の業績は、その部門の長の責任である」という考え方がありますが、実は全くの誤りであります。見当違いもはなはだしいと思います。というより、この考え方は社長の責任回避以外の何ものでもないと思われます。

 

優れた社長は、部門業績の不振は自らの責任として反省をし、将来の業績向上を必死で考えるものです。逆に、拙(ツタナ)い能力の低い社長は、部門の長の責任として、これを責め、自らは真剣に考えようとしないものです。自責の社長か他責の社長かで区分けしても良いと思います。

 

 みなさん考えてみて下さい。部門の長に自らの意志で一体何が決められるというのでしょうか?その部門の事業も、商品構成も、価格も、人的資源の数も、テリトリーも、そして事業の方針自体も、基本的にはすべて社長が決めているのが現実なのです。

 

 いや「自由にやらせているから」という人がいるかも知れませんが、その自由とはすべて上のような枠組みの中での活動の自由にしか過ぎないのです。これが社長と部門の長の現実の姿であります。

 

もし今まで「部門の業績は、その部門の長の責任である」と、このような考えで経営をなさってこられた方は、この際考え方をガラッと変えてみられてはいかがでしょうか。恐らく反論なさる方もおられるとは思いますが・・・。

 

次の二番目は、上のテーマと関連していますが、「責任範囲の明確化」という経営理論についても触れておきたいと思います。組織論者達は、「責任の範囲を明確にしないからこそ仕事がうまく行われないのだ」と思い込んでいます。

 

 これは全くの見当違いでありまして、責任の範囲を明確にすると「それ以外のことには責任がない」ととるのが人間というものです。他の部門がいくら忙しくとも、また、他人の仕事がいくら忙しくとも、それは「自分の責任の範囲外のことである」として、「われ関与せず」ということになってしまうのです。

 

こうして人々は自分の部門のこと、自分の仕事だけしか考えなくなり、会社の業績を上げようという意識などなくなってしまうのです。ましてや「お客様にサービスをする」という企業本来の役割を果たすことなど考えてもみなくなってしまうものです。この様に会社の業績を落とし、人々の魂を腐らせてゆくという、大きな罪悪を犯すものが「責任範囲明確化論」なのであります。この点もご注意下さい。

 

次に三番目として「組織の論理」について考察してみましょう。

 

組織というものは、一旦これが出来上がりますと、奉仕すべき対象よりも、「組織それ自体の存続」の方が常に優先して最重要な命題となってしまうという恐ろしいものなのです。組織を存続させるための最重要条件は、「変化を阻止する」ということなのです。変化は常に組織のピンチを意味し、指導者失脚の危険を伴うからです。

 

 組織の暴威は、会社の業績を低下させることなど朝飯前、会社を潰しかねない危険極まりないものなのです。本来、企業体はお客様がなければ、それ自体が存続しません。お客様の要求に応えなければ企業は潰れてしまいます。

 

そして、お客様の要求は常に変わり続けます。変わり続けるお客様の要求に応えるためには、企業体自身もこれに合わせて変わり続けなければならないのです。よって我々は「変化に対応できる」全く新しい組織理論を持たなければならないということになります。

 

(次回に続きます)

 

 

 

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2016/06/18(Sat)

(No.372) 経営の思いがけないコツとは? (2/4)

次に四番目として「社員の仕事ぶりと給料」について考えてみることに致します。

 

一般的に「一人ひとりがみな経営者である」という言葉をよく耳にすることがあります。が、私はこの言葉はどちらかというと、響きはいいですが、あまり好きにはなれません。企業経営の現場を知らない人が、この言葉を聞きますと、あたかも社長以外に経営者がたくさんいる会社で、企業の体質も強くて、毎年業績がすごく良いように表面的には聞こえることでしょう。よって、この言葉は素晴らしい考え方であり、理想的な会社であると思われることでしょう。

 

しかしながら、このようなことを社員に要求する方が間違っているのですから、私はあまり好きな言葉ではありません。皮肉にも、こういう会社に限って、必ずといってよいほど業績不振の会社が多いものです。現実の企業経営の実態は、経営理論の教科書の様にはいかないものなのです。

 

  むしろ、「一体全体、あなたは、社員にいくらの給料を与えているのですか?」と社長に問い正したいものです。ろくな給料も出さずに、一般社員に経営者の姿勢を要求するとは何事なのでしょうか。こういう社長を搾取型社長といっても良いのかもしれませんね。自分の役割や責任を放棄しているようにも聞こえてくるものですね。

 

  従って、社員にそんな給料を与えていないのなら、みんなに、給料なみの仕事以上を望むのは明らかに間違っていると思います。そのくせに、社長自身は、社長の仕事を何もやっていない人もおられるようです。能力が伴っていない肩書だけの社長で、素人社長が多すぎるからでしょうか?

 

  社長という人種は、社員に低い給料しか与えていないのに、反対に社員の能力に過大な期待を持ち過ぎるようです。この点も、どうかご注意願いたいと思います。解決策の一つとして、もっともっと労働生産性を向上させて、社員の給料をアップさせるよう努力して頂きたいと思います。また、労働生産性を上げずに給料をアップしますと、赤字になり倒産に近づきますからくれぐれもご注意下さい。

 

五番目に、「社長の指令や指示」について考えてみたいと思います。結論を先に示しますが、「口頭による指令は忘れられ、文章による指令は守られる」ということです。

 

  口頭というのは、もともとあやふやなものです。そのあやふやな口頭で社長の大切な指令が出されるというのは、一体どういうことなのでしょうか。社長自身は「口頭の指令ではそれが的確に実施されない」ことをイヤというほど思い知らされているものなのです。

 

  だから、それを改めないというのは、「社長の指令は的確に行われなくてもよい」と、社長自身で思っているからだと皮肉りたくもなるのです。本当のところは「口頭の指令は独り言にしか過ぎない」ということを知ってもらいたいと思います。

 

私は声を大にして「指令メモ」を書くように社長にお勧めしてまいりました。メモを書くことなど、簡単なものなら数秒で済むし、一分以上かかることなどは滅多にないことでしょう。社長が自らの指令を的確に行わせるためには、「指令は絶対に書いて行う」ことをやらなければならないと考えております。ここまで五つのテーマについて触れて参りました。皆さんの活学実践を期待いたします。

 

 (次回に続きます)

 

 

 

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2016/06/25(Sat)

(No.373) 経営の思いがけないコツとは? (3/4)

六番目のテーマです。「人材(人財)の下には人材(人財)が隠れていても育たない」について。

 

人材は、優秀なるが故にその部門をすべてうまく切り回すものです。それはそれで結構ですが、だからといって、便宜主義でいつまでも人材を一つの部門に留めておきますと、その人材のみならず、その人材が上にいるために、あたら伸びるべき若い人や新人の芽まで摘んでしまうという二重の損害を、これまた誰も知らぬ間に受けてしまうことになるのです。

 

人材の下には人材が隠れていても育たない」ことを知るべきであります。さあ、こうなったら、もう社長は人事異動をためらうべきではありません。人事異動当座のわずかな仕事の停滞など恐れてはいけません。「一文惜しみの百文失い」にならぬように、即、人事異動を行うべきです。

 

人事異動のための障害や制約条件などは、決意さえあれば、どうにでもなるものです。躊躇せずに踏み切るべきです。適性がどうだとか、経験がどうだとか、あとが困るからと言っていたら、何もできないのです。

 

七番目のテーマは、「人材(人財)の抜擢」について考えます。そもそも実力は年齢とは関係がないものです。「まだ若い」というのは経験が浅いという意味であることは分かりますが、優秀な人は一年の経験で、普通の人間の三年も五年もの経験、いや十年もの経験と同じことをチャンと学びとっているものです。

 

それでも人間的に熟練度が足りないというかも知れませんが、それを補って余りある若さと情熱と馬力があることを忘れないで頂きたいのです。若さの持つ強みを早く活かしてこそ、優秀な人間は、さらに精彩を放つものです。「若い」ということは抜擢をためらう理由ではなくて、抜擢を決める理由であることを忘れないでもらいたいと思います。

 

八番目は、「なぜ人材が育たないのか?」について。

 

社長が一日中、会社の中にいるということは、いかに管理職を信頼していないかを、言外に示しているものです。ちょっとでも社長の意にそわないことをしようものなら、「なぜ社長の了解なしにやったのか」と言われるに決まっています。だから、社長にお伺いをたてるのです。この方が楽だし、責任を追及されないからであります。こんな状態では管理職が育つはずがありません。

 

「いつまでたっても世話をやかせる」とか「うちにはどうして人材が育たないのか」という社長の悩みは、社長自身がその原因なのです。社長が社内にいる限り、人材は育たないのです。ご注意を。

 

九番目は、「社長の定位置は社長室ではなく、お客様のところ」について。

 

私は仕事柄たくさんの社長さん方にお目にかかってきました。しかし、それらの社長さん方で、定期的にお客様を訪問している人は極めて少ない方々でした。会社に出勤しても、そのほとんどの時間を社内で過ごされます。

 

この人達を、わたしは「穴熊社長」と呼んだりします。穴熊は穴の出入り口から見える外部の景色しか知りません。まったくの世間知らずの人であります。

 

この世間知らずの社長に正しい経営などができるはずがありません。残念ですね。多くの社長さん方は、自らの定位置を社長室だと思い込んでおられるのでしょうか? 時々社内を見回っては、社員の仕事ぶりを見ておられます。一生懸命に働いている社長の目から見ますと、社員の欠点ばかりが目に入ってきます。

 

これを、社長は我慢ができません。そして小言をいいだします。来る日も来る日も、これを繰り返しています。そして、それが社長として最も大切な仕事だと思い込んでしまいます。お客様のことなど「遠い他国のことだ」と言わんばかりであります。この際、ご自分の行動を振り返ってみてはいかがでしょうか。「穴熊社長」にだけはなられません様に。一つ前の八番目のテーマとも関連しております。

 

今までの九つのテーマを整理してまとめておきますので、ご確認下さい。

①「部門の業績は、その部門の長の責任である」という考え方のミス

②「責任範囲明確化論」の大きな罪

③「組織の論理」の弊害

④「一人ひとりがみな経営者である」という間違った考え

⑤「口頭による指令は忘れられ、文章による指令は守られる」ということ

⑥「人材(人財)の下には人材(人財)が隠れていても育たない」について

⑦「人材(人財)の抜擢」について

⑧「なぜ人材が育たないのか?」について

⑨「社長の定位置は社長室ではなく、お客様のところである」について

 

(次回に続きます)

 

 

 

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