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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2016/09/24(Sat)

(No.386) 経営者・リーダーを育てる (その12)

大きな会社や組織では、経営者やリーダーを外部から招聘することがありますが、中小零細企業の多くの会社や組織では、生え抜きの人材が経営者やリーダーを務めておられる所が多いと思われます。

 

  経営者やリーダーは高度に専門化された役割をもった人達です。それにも関わらず、多くの会社や組織においては、経営者やリーダーとしての基礎を学ぶことなくその役割に就きます。これは自動車運転免許を持たずに公道で車を走らせるのと同じく大変危険なことであります。継続・発展を前提とした会社や組織における最大のリスクになります

 

  法人にも色々と種類がありますが、例えば公益法人の組織は、営利を目的とした会社法人とは性質が異なります。組織の構成員である役職者は雇用関係にあるわけではありませんので、業務命令が通用致しません。

 

  その繋がりは、形のある給与・報酬によるものではなく、形のない社会的使命や、やり甲斐によるものです。その繋がりによって組織がまとまっているのです。そんな非営利組織においては、「を通す」ことと「気が通う」ことが特に重要になります。この二つは似た言葉ですので、理解が難しいと思いますので、個別に説明をしておきましょう。

 

  まず「気を通す」とは、経営者やリーダーが「社会で果たすべき役割は何か」「どのような姿勢で取り組むのか」「どのような将来像を目指すのか」を明確にすることを指します。これにより、経営者やリーダー自身は勿論のこと、組織として共に歩む人々が過去・現在・未来に気が通り、心を自在に使えるようになります。

 

  次の「気が通う」とは、同じ目標に向かって共に歩む人々の心が一つになることを指します。どれだけ優秀な人材が揃っていても、気が通わなければ機能しないでしょう。気が通うとは「仲良しになる」ことではありません。多くの人間が集まるところ、必ず得手・不得手や好き・嫌いは生じるものです。同じ方向に心が向いているかどうかが重要なのです

 

  以上の様に、これらが重要なのは、何も非営利組織に限ったことではありません。株式会社などの営利組織でも当然重要なテーマであります。近年では「働く目的」や「働き方」が多様化しており、高い給与・報酬を提示するだけでは望む人材が得られなくなっています。会社においても、社会的使命ややり甲斐を求めて働く人が多くなってきました。

 

  そもそも、高額な給与・報酬だけを目的に働く人は、より良い条件を提示されたら、すぐに別の会社に移籍してしまいます。中・長期にわたって会社を支える人を育てるには、「気を通す」ことと「気が通う」ことの二つを徹底することが重要になるのです

 

  それでは、これまでコラムでお伝えしてきたことに基づいて、ご自分の会社・組織を実際にチェックしてみましょう。「気を通す」ことと「気が通う」ことの二つに分けて項目をあげておきますので、一つずつ振り返って診断をなさって下さい。

 

  まず【1】「を通す」ことについて

 

① 経営者・リーダーが「我々の組織が社会で果たすべき役割は何か?」また「どのような姿勢で仕事や活動に取り組むべきなのか?」「どのような将来像を目指すのか?」を明確にしておられますか?

② 経営者・リーダーは、それらを、共に歩む人々と同じように常に共有しておられますか?

③ 会社・組織内でそれぞれの人が自分の果たすべき役割を明確にしておられますか? などの項目になります。

 

  次に【2】「が通うことについて

 

① 会社・組織内で心身一如のコミュニケーションを交わしておられますか?

② 同じ目標を共有し、部分最適ではなく全体最適で動いておられますか?

     会社・組織の現場はプラスの気を発しておられるでしょうか? などの項目になります。

 

もし診断の結果、十分でなくて改める必要があると判断されたら、少しでも改善されるように努力なさることをお薦めしたいと思います。

 

  我が国では、テレビ番組で「この食べ物が体に良い」と放送されると、翌日にはスーパーマーケットで売り切れが発生すると言われます。私たちは「何かが良い」という情報を得ると、すぐに飛びつく傾向があります。

 

何か一つによって総てが良くなる「万能薬」などは決して存在致しません。経営・ビジネスでも同じことです。何か一つをやれば万事が上手く行くことなどはあり得ないのです。経営者やリーダーが学ぶべきことや、実践すべきことはとても多岐にわたって多いものだし、広くて深いものであります。

 

  その中でも、特に重要な学びの一つが「気を通す」ことと「気が通う」ことになります。従来の経営学では一切触れられていない新しいテーマになるでしょう。経営者やリーダーが会社や組織を上手く導いていくための必要条件になるでしょう。中には天性で備わっている人もおられますが、多くの場合は訓練によって身につけてゆくものです。経営者やリーダーになってから突然に備わるものではなく、時間をかけて習得していくテーマになります。いくら焦っても促成栽培は不可能の様であります。

 

 もしその人が専門分野に優れているからとか、業績を上げているからとか、トップの補佐を長くしているからというだけでは得られないでしょう。習得し身につけるには実践の場と、実践によって得られた経験が不可欠になることでしょう。

 

(次回に続きます

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