FC2ブログ
  • プロフィール

    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

  • 検索フォーム

  • QRコード

    QRコード
  • FC2カウンター


2017/09/02(Sat)

(No.432) 戦略シリーズ まとめ編 (1/2) 

これまで経営戦略について、戦略シリーズとして9回にわたって述べて参りましたが、皆様が実践するに当たって、今後の参考のために要点だけをピックアップしてまとめ編として、コンパクトにしておきたいと思います。

 

戦略シリーズ(その1)より 戦略を構築するための押さえるべき「戦略の三原則」について

  第一原則:成長戦略である・・・勝てる場の発見と勝つための条件づくりのこと。企業たるもの常に成長への挑戦が欠かせないということ。また、そのスタートは「企業の強みを勝てる場の方向へと充てること」になります。

第二原則:競争戦略である・・・ライバルの弱点に自社の強みをぶつけること。ライバルと明らかに違う“顧客に選ばれる違い”をつくる戦略のこと。ライバルにできないことをいかに差別化して提供するのかがカギとなります。

第三原則:撤退戦略の可能性もある・・・戦略のミスは戦術ではカバーができないからです。戦略とは、言い換えれば「どの山に登るのか?」であり、「戦略のミスは登る山を間違えている」ということを意味します。戦略の下位概念である戦術や戦闘がいかに強固で充実していても、戦略のミスは容易には取り返すことができないということを意味しているのです。

 

戦略シリーズ(その2)より 資源配分を伴っていないと戦略とは呼べない

“守り”の経営だけでは会社が倒産する危険性は低くなりますが、その反面、増収や成長軌道に乗せることができなくなる恐れも同時にあります。だから絶対に攻めが必要であるということです。また、戦略とは基本的に資源配分を伴うものであるとも言えますし、同時に事業にはリスクが最初から付きものであります。小手先の資源配分は、それだけのリターンしかありません。戦略実現のための思い切った資源配分により、未来に向かってさらなる発展を図って頂きたいと思います。

 

戦略シリーズ(その3)より 戦略実行の第一ステップは「撤退」

「判断」や「決定」は「決断」するまでのプロセスであり、「決断」という強い意志こそがリーダーシップそのものになります。戦略を実行していく上での最も重要な「決断」とは、“やめる・やらない”という意志をはっきりさせることであり、「強い意志を持って撤退する」ということを意味しています。

 

実は戦略実行の第一ステップは「撤退」することなのです。なぜかと言いますと、中堅・中小企業は経営資源に限りがあるために、撤退することなくして新たな事業や新たな商品を増やし続けますと、必ずどの事業も中途半端になるという“中途半端病”に陥る危険性が非常に高いからです。よって「撤退し、集中し、拡大する3つのステップ」は、中堅・中小企業における「戦略実行の三大原則」になります。

 

戦略シリーズ(その4)より 「人づくり」「人材育成の重要性

企業経営を進めていく上で最も大切なことは、“戦略”と“経営”が両方分かる人材育成を行うことです。次世代の経営幹部育成をするには、経営に積極的に関わらせる取組みをしなければ、幹部の育成は実現しないと考えて下さい。

 

幹部育成をする時は「7対2対1の経験則」という教えがあります。「7対2対1の経験則」は「リーダーを育てる3要素」とも言われます。具体的には、経験7割に対して、優れたリーダーの下に付けて感化や薫陶を受けるのが2割、研修で力を付けるのは、ほんの1割に過ぎないということです。

 

本人にいかに、経験や体験をさせるのかが重要であり、ポイントなのだと言うことです。研修で知識は増えるでしょうが、知識と実践・実行はまるで違うのですよと言うことです。私が常々、口にしています「知行合一」の教えと同じ考え方です。

 

戦略シリーズ(その5)より 「人づくり」「人材育成の重要性 (つづき)

人材育成は経営戦略の一部である、人材育成なくして戦略の実現はあり得ない、人材育成には短期ではなく長期的思考が必要である」などの言葉を思い出してほしいと思います。人材育成なくしては、経営戦略の実現は決してあり得ないのだと考えて良いと思います。このことは私の体験を振り返ってみても、まったくその通りでありました。常に即効性を求めておられる方々には、信じたくない考え方になるかも知れませんね。

 

  なぜ経営戦略の一部として考えなければならないのかと言いますと、人間は促成栽培ができませんから「人材育成」とは十年サイクルの事業の一つであると考えることが必要だからです。「経営とは人を育てることである」とも言われますが、同じことを指摘していると思います。

 

戦略シリーズ(その6)より マネジメント(経営管理活動)の欠如はないか?

多くの企業が抱える課題の一つに「マネジメント(経営管理活動)の欠如」があります。また、経営管理者の真の役割とは一体何なのでしょうか? それは「戦略を描き、戦術をつくること」になります。

 

また、経営管理には2つの“本質”があるという点も非常に大事なテーマです。“本質”の1つ目は、① 経営管理とは「事前に障害を除去する活動」であるということ。つまり障害や問題が発生する前に、取り除いて除去してしまえと教えるものです。

 

特に重要な考え方は「結果を管理するのではなく、計画を管理せよ」という点になります。結果は変えられませんが、計画はどんなにでも変えることが出来るからです。今後は結果よりも計画に、より注力していただければ有り難いと思います

 

2つ目は 経営管理とは「機会損失を極力減少させる活動」であるということ。経営の究極は業績の実現です。利益の最大化か、損失の最小化になります。「機会損失」のことをチャンスロスとも言います。

 

この2つの「事前障害除去活動」と「機会損失減少活動」を少しでも改善できれば、つまり「経営管理」活動の水準を上げ、機能を強化することで、まだまだ業績を向上できる会社や企業が世の中にはごまんとあるということです

 

(次回に続きます)

 

 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 


Home | Category : 経営戦略 |  Comment  |  Trackback
2017/09/09(Sat)

(No.433) 戦略シリーズ まとめ編 (2/2) 

戦略シリーズ(その7)より  経営のバックボーン」(背骨)について

経営とは、トップの考えを、幹部を通して、社員全員の協力により実現させることと定義づけされています。その経営トップの考えている設計図を「経営のバックボーン」(背骨)として確立し、きちんと整理されていなければいけません。バックボーン(背骨)の体系は以下の6つになります。

 

(1)グランドデザインの立案と明文化・・・経営理念とビジョンを含みます。

(2)経営戦略・・・このシリーズでご説明をしてきました。

(3)目標・・・中期経営計画の立案作成のことです。

(4)組織・・・戦略を実行する体制づくりのことです。

(5) 単年度計画・・・全社方針を部門方針へと落とし込むこと、単年度の売上利益数値計画も含みます。

(6)日々の実行と成果・・・マネジメントサイクルの実践によって、計画を確実に実行させ成果を出すことです。

 

以降では(1)グランドデザイン(3)中期経営計画(6)マネジメントサイクルの三大重要項目に絞って要点のみを解説致します。

 

まず最初に(1)グランドデザインの立案と明文化について

経営理念(経営の目的、使命は何か? 何のために経営をするのか?)

ビジョン(どんな会社にしたいのか? 将来の実現したい状態は? 目指すべき姿は何か?)

③どんな価値を世の中に提供したいのか?(いかなる社会貢献をなすのか?)

④誰のために自社は存在するのか?(存在意義は何か?) 以上の4項目の答えが骨格になります。

 

  これらを明文化したものがグランドデザインになります。トップの経営哲学が含まれたものです。組織というものは全て、このグランドデザインが原動力であり、組織構成員一人ひとりの結束力、すなわち全社の組織力もこのグランドデザインなくしては決して生まれることはありません。大事なものです。

 

その企業の根幹にグランドデザインがあるかないかによって、組織全体の働きはまるで変わってゆきます。当然ですが業績も変わります。

 

  会社経営というのは、第一ステップとして、まずこのグランドデザインが土台にあり、それに基づいて第二ステップとして、経営戦略・戦術の順に上に組み立ててゆくものになります。

 

戦略シリーズ(その8)より (3)中期経営計画を持ち、将来の目標は明確になっているか?

経営の改善というものは、経営体質の強化改善になるため、半年や1年そこらで解決できる問題はほとんどありません。体質を改善してゆくには、大きなテーマばかりで6項目もあるために、最低3~5年は時間が必要なものばかりです。従って「経営体質改善計画」である「中期経営計画」が是非とも必要になると言うことです。経営の体質には以下の6項目があり、この6項目で経営体質が構成されているのです。

 

 ① 商品力の強化 (目的)

 ② 営業構造の改善 (目的)

 ③ 経営陣の経営能力向上 (手段)

 ④ 管理者の管理能力向上 (手段)

 ⑤ 一般社員の帰属意識能力向上 (手段)

 ⑥ 財務体質の向上 (結果)

 

企業を思い切って成長発展拡大させたいと念願されるのであれば、是非ともこの中期経営計画を立案なさってチャレンジして下さい。必ずやびっくりされるほど効果があります。きっと驚かれることと思います。騙されたと思ってやってみて下さい。

 

毎年毎年、単年度の売上利益の数値計画だけであれば、横ばいの業績が毎年続いて行くだけでしょう。成長拡大は望むべくもないでしょう。その理由は、数値だけの計画であれば、目標設定のみになり、経営体質の改善は不可能だからです。

 

戦略シリーズ(その9)より (6)マネジメントサイクルはきちんと機能しているか?

日々のマネジメントサイクルの実行で成果がでているのか? というテーマです。そもそも経営管理には「6つの機能」があり、マネジメントサイクルと呼ばれています。6つの機能とは、①目標 ②計画 ③組織 ④実施 ⑤統制 ⑥調整の各機能のことです。この機能は、仕事の流れや、時間の流れを示したものであり、マネジメントサイクルとも呼ばれます。下記に概要を示しておきましょう。

 

① 目標機能 ・・・将来の実現したい状態を「定量的」に数値で表現することを言います。
② 計画機能 ・・・重要な経営機能であり、社長や経営陣の大切な仕事になります。最終的には「5W1H」まで落とし込んで下さい。計画は最後は行動計画までブレイクダウン(具体化)する必要があります。良く言われていますが、アクションプランのことになります。
③ 組織機能 ・・・計画を達成するための役割を明確にする機能のことです。
④ 実施機能 ・・・組織を動かす、部下を動かす、人間を動かす、人間を知る、“ 素晴らしいリーダーシップ ”を発揮する機能のことです。部下からの視点で言うと“ 私に強い動機付けをして下さい ”ということになります。
⑤ 統制機能 ・・・計画通りに実施がなされているか否かを、部下と一緒に振り返りをする機能のことです。「レビュー機能」とも言います。
⑥ 調整機能 ・・・従業員の数が増えて少し規模が大きくなりますと、この機能が必要になってゆきます。他部署との調整をする機能のことで、管理者の大事な仕事の一つです。ある程度規模が大きな組織では、会議体系を整備することで解決することができます。

 

これまでの説明を通して、自社のマネジメントサイクル「6つの経営管理機能」の現状を正確に認識して下さい。もし弱い機能や改善すべき点が発見されたり、業績が低迷しているならば、早速、強化改善をして下さい。きっと従来にない成果が得られると思います。恐らくその効果に驚かれることと思います。それは管理機能の水準のレベルが向上するからなのです

 

また、マネジメント(経営管理活動)は、経営戦略構築をする以前の基礎的なテーマになります。マネジメントが基礎編で経営戦略は応用編になるからです。つまり「マネジメントの存在なくしては、戦略はあり得ない」ものであります。

 

以上で、要点のまとめの整理を終わりにいたします。今回のコラムは3項目全て、経営者にとっては最重要な項目ばかりでした。身に付けて実践できるまで何回も何回も振り返りをなさって下さい。活学実践で成果を出されんことを心から期待しながら筆を置くことにいたします。

 

 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

  ・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 
Home | Category : 経営戦略 |  Comment  |  Trackback
2017/09/16(Sat)

(No.434)リーダーは陽だけでなく、陰を発揮せねば組織は発展しない (1/2)

  今まで組織におけるリーダー論を何回かにわたって述べて参りました。今回は、西洋流のマネジメントではほとんど触れられていませんが、リーダーにとって特に必要な点や心得について述べることで、組織におけるリーダー論をさらに深めてゆきたいと思います。「易経」に学んでみることに致します。

 

「易経」では「リーダーは陽だけではなく、陰を生み出し、陰に転化することが必要である」と書かれています。では陽とは、陰とは、それぞれは一体何を意味しているのでしょうか?ここでは、陰陽についての基本的な概念について少し振り返りをしておきたいと思います。

 

  大事なポイントは「陰と陽は別々のものではない」ということです。便宜的に陰陽に分けているだけで、この二つはもともと一つのものなのです。この点を押さえておけば「易経」が理解しやすくなると思います。

 

 一つのものには陰の面と陽の面があるという考え方になります。マイナス・プラスの従来の連想から想像して、陰が悪くて陽が良いという考え方はいたしません。陽は陰によって陽の力を、陰は陽によって陰の力を発揮する。相互に依存し合って存在し合う関係を結んでいるのです。だから「陰陽が一つにならないと何も生まれないのです」と説かれています

 

仮に世の中のものすべてを陰と陽に区分けしますと、天は陽で地は陰、男性が陽で女性は陰、経営者は陽で従業員は陰、明るい、賢い、強いは陽で、暗い、愚か、弱いは陰になります。その他にも、善悪、大小、正邪などたくさん分類できますが割愛させて下さい。

 

この様に陰と陽は表裏一体であり、その両方がなければ物事は成り立ちません。男性だけ女性だけでは社会は成り立ちませんし、会社も経営者がいて従業員がいるからこそ営んでゆけます。人間もまた陰陽両方の気質や性格を持っていて、時に合わせてどちらかが強くなったり、弱くなったりするものです。

 

また陰陽は転化をします。例えば母親と息子の場合、性別でみると息子が陽で母親が陰になりますが、親子としてみると母親が陽で息子は陰になります。このように視点や状況が変われば転化し、また陰と陽は常に対立し合って、また同時にお互いに相待って作用し、補完し合うことで変化が生じてゆくのです。この考え方は、東洋思想の根本思想であり「陰陽相対(待)性原理」と呼ばれています。これまでの説明で陰陽の位置づけと関係などが理解されたのではないかと思います。

 

では、リーダーに関して陰陽のイメージを説明してみようと思います。ろうそくの火を思い浮かべてみて下さい。真ん中の芯の部分は暗くなっていて、その周りが明るく燃えていますよね。芯そのものは光を発しませんが、火が付けば明るく燃え上がります。暗い芯の部分が陰になります。組織を最も長く保つのが、この「ろうそくの芯タイプのリーダー」と言われています

 

 「ろうそくの芯タイプのリーダー」は、自分の力を主張せずに人の能力の火付け役になります。組織の方針を決め、リーダー役、管理役に徹してあとは部下に任せます。人の能力を最大限に活かせるリーダーは、まず環境作りがうまいのです。仕事を与えるのではなく、場を与えます自由闊達な環境の中で、仕事を通して人が育ってゆくからです。部下の失敗の最終責任は自分が負うという、中心の芯の役割りを務めるリーダーなのです。他人に責任を転嫁する他己責任型ではなく、自己責任型のリーダーになります。

 

(次回に続きます)

 

 

 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

Home | Category : 経営学 |  Comment  |  Trackback
2017/09/23(Sat)

(No.435)リーダーは陽だけでなく、陰を発揮せねば組織は発展しない (2/2)

そもそも、トップリーダーには器量(陽)と度量(陰)の二つの力が求められています。二つは車の両輪の関係であり、どちらが欠けても組織のリーダーの仕事は上手く機能しないのです。二つの力が融合・調和・統一されて初めて、経営や人生を創造進化(造化)させることが可能になるのです。前述しましたが、東洋思想の「陰陽相対(待)性原理」のことになります。

 

器量(陽)と度量(陰)を少し補足しておきたいと思います。まず、器量とは“ ”と呼ばれており、知識技能のことであり、経営学・経営力の領域になります。仕事の遂行力・対処能力のことを言います。陽の力になります。話すことや人に教えることを指しています。組織のトップやリーダーには基本的に必須の条件として求められている力になります。

 

もう一方の、度量とは、人間性や人格のことであり“ ”や人徳、徳性と呼ばれています。人間学・人間力の領域になり、人を活かして、育てる力のことを言います。陽の力ではなくて陰の力になります。人の意見を聞く力や、それ以外には、とっても難しいことですが、自分自身に対する苦言や諫言を素直に受け入れる力や、人や物から学んだり、人から教わる力のことになります。

 

一般的にほとんどの方々は、「人を育てる力は、陽の力である」と理解されていると思います。しかし実は、人を育てたりする力は陽ではなくて、逆に陰の力の方なのです。にわかには信じられずに、エッ本当なの?と少し驚かれたかも知れませんね。

 

実は私も若い時には、人を育てる力は陽の力の方であると誤解しておりました。部下を持たずに一人で活動していましたから、自分の力量さえ向上すればそれで良いのだと思い込み、陽の力ばかりを求めていたのでした。今から思えば、反省することばかりです。皆さん常識というのはホントに怖いものですね。今後、皆さん方が、部下や人を育てようと思えば、陽ではなく陰の力を学んで発揮せねばいけないのだと覚えておいて下さいね

 

ここで注意すべき点は、単に知識や技能を教え込んで、“ ”を身に付けさせるのであれば、陽の力を利用して教育や研修をすることで解決できますが、本当に人間を育て、人格人物を育て、“ ”を身に付けさせるには、陽の力ではなく陰の力が必要であるという点になります

 

反復しますが、「易経」では「リーダーは陽だけではなく、陰を生み出し、陰に転化することが必要である」と書かれています。つまりリーダーは器量(陽の力)よりも度量(陰の力)の方が重要で必要なのですよと教えているのです。表題の様に、リーダーは陽だけでなく、陰の力を学んで発揮しなければ、組織は発展しないということなのです。

 

トップやリーダーになるためには、陽の力は絶対に必要なのですが、組織を永続的に保ち、部下や人材を育て、より成長発展させ、長期にわたって維持するためには、陽の力だけでは力不足であり役に立たないのですよ、徐々に陰の力を発揮しなければ組織運営は難しいのですよと教えています

 

この点は従来の欧米のマネジメント学や経営理論では触れられてないテーマであります。しかし現在、米国のハーバード大学では「論語」などの東洋思想や東洋哲学の講義が絶大なる人気を誇っているとも言われています。経営学の流れの中でも、歴史が長くて本質を指摘している東洋思想が見直されているのを感じております。やはりそうなのかとの思いであります。経営思想においては、今後は東洋思想が中核になってリーダーシップを発揮しそうな感じが致します。

 

「易経」では、いつまでも陽の力に依存した「飛龍」(ひりゅう)がトップリーダーでいるのは難問であり、陰の力を大人(たいじん)や賢人から学んで発揮しなければ、「飛龍」のリーダーは「亢龍」(こうりゅう)に変化して、下り龍となって墜落してゆくのですよと教えています。以前「乾為天」(けんいてん)の「卦」(か)で、ご説明を致しました通りであります。

 

昔の人は人物をもの凄く良く観察して、人間学・帝王学として確立させ書にまとめていたのですね、驚くばかりであります。(「乾為天」については、当経営コラムNo356をご参照下さい

 

現在の経済界、実業界では実績主義に重点が置かれているため、器量型(陽の力)のリーダーが多いと言われています。しかしいかに器量が大きくとも、人や部下は心から上司にはついていかないと言われます。知識やテクニック中心で、マニュアル通りで理性中心主義で、リーダーシップを発揮されても、人は動かない様ですね。それは理性は冷たくて温かみがないからでしょう。

 

逆に度量型(陰の力)のリーダーであれば感性も高いし人間力もあり、温かみを感じられるため部下も従い易いのでしょう。尊敬や信頼が醸成されているからでしょう。このタイプのリーダーは、人間力が基礎やベースで底辺を固め、その上に仕事力経営力が乗っている形をしています。安定感のある正三角形の形をしています。

 

器量型のリーダー仕事力や経営力が大きくて、本来は下部にあってベースで底辺になる人間力が小さくて弱く、仕事力と経営力が大きくて上部にあり、頭でっかちの形で逆三角形の形をしているのです。見るからに安定感を感じられない不安定な形をしています。いつひっくり返るかもしれないし、決してすすめられるタイプではありません。

 

この様にリーダーには二つのタイプ、形があるのが理解されたことと思います。さて、あなたはどちらのタイプに近いリーダーなのでしょうか? あなたの周りのリーダーの診断も含めて、ご自身の自己診断をなさってみたらいかがでしょうか。御社の将来が見えてくるかも知れませんよ。

 

 

 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

 ・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 
Home | Category : 経営学 |  Comment  |  Trackback
2017/09/30(Sat)

(No.436) 洞察力がなければリーダーは失格である (1/2)

「易経」の合計、六十四卦の中には、「観る時」つまり洞察について説いている教えがあります。物事を観ること、その心を教えているのが「風地観(ふうちかん)」という「卦」(か)になります。ご紹介してゆきましょう。

 

人の意見を聞き、人の意見に耳を傾け、周りの全ての人や物事に学ぶことで、「人みな我が師である」という教えを実践し、その結果として、磨かれてゆくリーダー自身の力は、時を見極めて、未来の兆しを察する洞察力になります。

 

洞察力という力は、組織を良い方向へ導いてゆく役割があるリーダーには、欠かせない資質になります洞察とは、見通すこと、見抜くこと、肉眼では見えないものを心の眼で観ることを言いますが、何を見通すのかと言えば、現象の裏側にある、時の一定不変の法則性のことになります。視覚で見る、聴覚で聞くことではなくて、示されたことを通して物事の本質を察することが洞察なのです。

 

  例をあげて見ますと、「今、私達の会社は、成長の夏なのか?栄養を蓄えるべき冬の時代なのか?攻める時なのか?逆に守るべき時なのか?」などをトップやリーダーが判断できなくては、リーダーシップを発揮して組織を率いてゆくことはできないからであります。

 

現在は、政治も経済も社会も科学技術面においても、過去には体験したことがない激変の時代といっても過言ではないでしょう。人間社会の変化を捉えるということは、そう簡単ではなく難しいものだと思います。それだからこそ、リーダーたるものは、時を把握する洞察力と、吉凶の兆しを察する直観(感)力を、あえて養わなければリーダーの役割は果たせないかも知れないと、私は日頃考えています。

 

何故ならばリーダーとは、将来の変化を見通して洞察をし、変化の兆しや兆候を観る力がなくなってしまい、時の進み方を見失った場合には往々にして判断ミスをするものだからです。よって今回の表題の様に、「洞察力がなければリーダーは失格である」と数千年前から教えが残されているのです。昔からの教えであり、なにも今に始まったことではないのです。

 

その点「易経」は「時」を見極める洞察力と、「兆し」を察する直観(感)力を養ってくれる教科書になります。「易経」には、「窮まればすなわち変じ、変ずればすなわち通ず。通ずれば久し」と書いてあります。つまり全ての物事は、極まった瞬間に必ず変化するものですよ、と変化の理・ことわりを教えています。物事は変化すれば塞がることなく、必ず通じて通って行きますよ、また通って行けば塞がることはなく、いく久しく長く存続できますよ、と教えています。

 

よって易は「時の変化の原理原則」を説いた専門書とか「時と兆しの専門書」とも言われています。良いことでも悪いことでも、必ず起きる前には「兆し、前兆、予兆、前触れ」があります。そのかすかな変化を見逃すことなく、つかむ力を身に付けなさいよと教えております。そして、それに対して対処や対応を間違ってはいけませんよ、と書かれています。だから「易経」は実践の哲学書とか「帝王学の書」とも言われているのです。

 

では「風地観(ふうちかん)」という「卦」(か)の中身の説明に入りたいと思います。この「卦」は見えないものを観る、洞察力について書いてあります。「風地観」という「卦」(か)の中には「国の光を観る」という言葉が出てきます。これが現在も使われています「観光」という熟語の出典になっております。

 

  この「観光」という熟語ですが、本来の意味は、国の王様が自分の国がきちんと治められているかどうか、自分の政治がきちんとできているかどうかを、巡回し視察するために行われたものです。昔は狩りの形を借りて、王様が国の隅々まで出かけて行って、その土地に住んでいる人々の、表情や家々の状態や農作物の生育状態などを観て、民が苦しんではいないのか? 幸せに暮らしているのか? 自分の(王様の)徳が地域の隅々にまで伝わっているのかどうか? を視察して回っていたのです。それが国の情勢を推し量り、洞察することであり「観光」と言っていたのです。

 

 現在使われている「観光」という言葉の意味と、昔の「観光」という意味は、相当の違いというか、隔たりがあることに驚ろかされてしまいます。なるほどそういう意味や目的が根本にあったのかと考えたりしております。昔は政治的な意味合いが強くて使われていたのですね。現代は有名な場所とか、由緒ある所を見て回るという意味合いが強いようで、政治に活かされている様には思えないようですね。

 

  だが、その地域の経済の活性化のために、観光や観光関連ビジネスが、産学官が連携をとりながら、研究・検討が活発になされている様であります。政治よりも経済的な意味合いが強い様であります。

 

(次回に続きます)

 

 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

Home | Category : 人間学 |  Comment  |  Trackback
Home Home | Top Top