• プロフィール

    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

  • 検索フォーム

  • QRコード

    QRコード
  • FC2カウンター


2018/05/04(Fri)

(No.467) 人間を滅ぼす、三毒と五鈍使(ごどんし)とは? (1/2) 

  仏さまは人間を滅ぼすには、三つの毒があると言われました。それは「(とん)」「(じん)」「(ち)」の三つのことになります。三つ合わせて三毒(さんどく)と言われます。

 

(とん)」は貪(むさぼ)る心、欲望のことです。次から次へと欲望を抱いてゆく。それが人間を滅ぼすと言われます。

 

(じん)」は怒りのことです。人間は自分の思いのままにならないことを怒り、恨んだりします。

 

(ち)」は愚痴のことです。なんで愚痴が出るのかと言いますと、正しいことを見極められない愚かさから愚痴が出るのです。だから「痴」という字には「知」にヤマイダレがついているのです。

 

仏さまは、この「貪・瞋・痴」(とん・じん・ち)の三つが絶えず人間の心の中に起こってきて、人間という生命体を滅ぼしてしまう毒になると言われております。言われてみると、なるほどなぁとうなずくばかりであります。この「三毒は我々人間の敵である」また、「敵は自分の体の外ではなく、自分の内側の心の中にいる」と考えても良いのかも知れませんね。

 

(とん)」に関してはもう少し補足説明が必要ですが、この欲望にも、いい欲望と悪い欲望があります。いい欲望を使うと上手く行きますが、悪い欲望を使うと悪いことが起こるのです。欲望を刀に見立てて、いい欲望を正剣(せいけん)、悪い欲望を邪剣(じゃけん)と呼んでもいいのかも知れません。

 

ここで良い欲と悪い欲をもう少し考えておきましょう。私利私欲で自己中心で利己のことばかりでは悪い欲望になるでしょう。反対に公利公欲で世のため人のため社会のためにと考えて、他己中心で利他の精神であれば良い欲望と呼んでもいいでしょう

 

しかしながら、欲望は悪いものばかりでもありません。この欲望があったからこそ、長い歴史の中で人間の文化は発達してきたのですから、一概に欲望は悪いものと全否定することもできません。その欲望をどん欲に貪(むさぼ)ろうとする時、つまり自分の欲望のままに突っ走ったときは、必ず悪いことが起こってゆきます。悪い欲望が邪剣になって、それを使ったから必ず悪いことが起こってゆくのです。逆に世のため人のためと思って、欲望を正しく正剣として使ったならば上手くいくものであります。

 

以上でこの「貪瞋痴」(とん・じん・ち)の三毒で話が終わるところですが、仏さまはそこにもう二つの言葉を加えられました。それを総称して五毒と言わずに「五鈍使」(ごどんし)と言われました。その意味は人間の命を鈍くして、愚かにしてしまう五つのものということです。もちろん、この「五鈍使」(ごどんし)も人間を滅ぼすものであると考えて良いと思います。

 

その一つは「(まん)」です。傲慢、高慢、慢心の「慢」です。この「慢」が人間を滅ぼすと仏さまは言われました。もう一つは「(ぎ)」です。すべてを疑うことが人間を滅ぼしてしまうと言われました。

 

(まん)」を少し補足しますと、人間はどんな人でもすぐに慢心をするものです。特に経営者はすぐに慢心をします。経営者がよくかかる病というのがあります。それは「驕り」「慢心」「甘え」の三つです。経営が順調に推移して、上手く行っている時には、驕り、慢心し、甘えが出てくるものです。これらは心の病なのです。もう一つの「(ぎ)」というのは、読んで字のごとくで、すぐにすべてを疑ってかかるということです。

 

この様に「貪・瞋・痴」(とん・じん・ち)の三毒に二つを加えて、「貪・瞋・痴・慢・疑」(とん・じん・ち・まん・ぎ)の五つのことを「五鈍使」(ごどんし)と言うのです。

 

(次回に続きます)

 

 

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 山口一道 経営コンサルタントのホームページ

Home | Category : 人間学 |  Comment  |  Trackback
2018/05/11(Fri)

(No.468) 人間を滅ぼす、三毒と五鈍使(ごどんし)とは? (2/2) 

   以上の「貪・瞋・痴・慢・疑」(とん・じん・ち・まん・ぎ)の五つが人間を滅ぼすものであると、仏さま(お釈迦さま)は言っておられるのです。仏さまは2500年前からこのお話をされているのです。つまり人間の本質なんて全然昔と変わっていないのです。人間の心とは、絶えずこういう「三毒」(さんどく)と「五鈍使」(ごどんし)に染まっていくものなのです。そして自分の運命を駄目にしているのだと言うことを仏さまはずっとおっしゃっておられるのです。

 

結局、人間の心が人間を滅ぼすということなのです。だから人間にとっては、自分の心は天敵なのです。心を正しい方向に導いていかない限り、人間は運命を狂わせてしまうものなのです。この人間の心を正しい方向に向かわせて行くというのが、人間学なのです。ですから本当の人間学を学んでいかないと、人間の心を正しく育んでいくことはできないということなのです。例えば「あっ、こういう状況の時は、人間は慢心しやすいものだな、これではいけないと自己反省して軌道修正をしていく」その物差しになるものが人間学になります。

 

人を滅ぼすのも、逆に人を高めていくのも結局は人間の心ということなのです。運命を上に高めて進むのも、運命を下に落として下降してゆくのも、心ひとつの置きどころということなのです。心は皆さんが思っておられるよりも、その影響力はかなり大きいものと考えても良いと思います。

 

ここで短歌を一首。「人生は 心ひとつの 置きどころ 良くも悪くも 使い方のみ」なのであります。心は道具ですから道具に使われたらいけません。逆に使いこなさなければいけません。

 

では我々は、どの様にして心を養ったらよいのでしょうか?

 

結論から一言で言いますと、「感謝」をするということです。感謝というのはすごいものなのです。例え、どんなに絶望的な状況の中にいても、その人が本当に心の底から「この絶望的な環境は自分を生まれ変わらせてくれるチャンスなのだ。あぁ、ありがたい」と思うと、その瞬間に絶望的な環境は拝みたくなる様な環境に変わるのです。闇を光に変えてくれるものが「感謝なのです。

 

どんなに嫌な人がいても、その人がひょっとしたら自分を育ててくれるかもわからないと思って、その人に心から感謝するとその人は仏さまになるのです。「あぁ、ありがたい、この人が私を導いてくれる人だ」と思って感謝することです。

 

何があっても「感謝することです。それを続けると人生が上手く進展すること間違いなしです。だから感謝ってすごいのです。だけど人間はなかなか感謝ができません。本当に感謝したら、あらゆる状況を光に変えてしまうのですが、我々はなかなか感謝ができません

 

皆さんも今後、良くも悪くも色々な状況に置かれることでしょう。でもどんな状態の中にいても、本当に心の底から、「あぁ、この環境によって自分は救われる、きっと将来成長できる」と思った瞬間に、その環境は素晴らしい光に満ちた環境に変わってゆくのです。

 

だから、感謝ほど素晴らしいものはないのです。それなのに先述のようになかなか感謝ができません。口で言うのは簡単で易しいものですが、実践するとなると、なかなか難しいのが感謝するという行為なのです


  だから練習をするのです。感謝の練習をするのです。しょっちゅう感謝していたら感謝する習慣ができます。そうしたら自然に、その人に感謝することが身についてゆくのです。何事にもすぐに感謝ができる様になれるものなのです

 

私の体験談をお話しますと、私の場合は、「感謝ノート」を作りまして、毎日、日記の様に書いてゆきました。サブタイトルは「ありがとうノート」と呼んでいました。良いこと嬉しいことに感謝するのは誰でもします。このプラスにだけ感謝するのは良くないのです。マイナスやネガティブや、嫌なことにも同時に感謝する、これが正しいと教わりました。

 

だから、いい面、悪い面二つを含めて感謝することを長い間実践してきました。ノートに書くタイミングは各人の自由にされていいかと思います。何らかの参考にしていただければと思います。実践なされたら、きっと感謝の達人になられるだろうと推察いたします。

 

善いものは善い方向に循環して行くようになっているものです。悪いものは悪い方向に循環して行くようになっているものです。その悪い連鎖を断ち切るのが「感謝する」という行為なのです。だからこそ、これを練習して当たり前にできる様にしなくてはいけないということであります。人生修養の一つであります。「五鈍使」の活学を期待します。

 

 

 

 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 山口一道 経営コンサルタントのホームページ

Home | Category : 人間学 |  Comment  |  Trackback
2018/05/18(Fri)

(No.469) 経営者やリーダーに必要な二つの大事なこと (1/2)

言葉に敏感になれ

 

今まで六つの精進である「六波羅蜜」を見て参りましたが、これからのビジネスリーダーや社会の指導者になる人達には、この六つの精進に加えてあと二つ大事なことがあると思っております。

 

その二つとは一体何でしょうか?一つは「」(びん)です。「敏」でない人は運命も良くならないし、経営も絶対に発展しないと思います。この「敏」にはいろいろとありますが、言葉に敏感というのもその一つです。この世の中で偉くなっている人は、全員が言葉に敏感な人達ばかりです。自分自身を向上させていく言葉に敏感なのです。逆に表現しますと、自分自身を堕落させる様な言葉に敏感なのではありません。

 

自分自身の人間性や人格を向上させる様な言葉がパッと心の中に響くのです。腹の中にストーンと落ちるのです。言葉に敏感でない人はエネルギーが生まれてこないのです。人間のエネルギーは言葉によって触発されて生まれてくるのです。だから言葉に敏感でない人は絶対に大成しないと言われているのです

 

この様に、にわかには信じられないかも知れませんが、言葉には凄い力が含まれているのです。その証拠に昔から言葉のことを言霊(ことだま)と言っております。言葉には霊性や魂が含まれているとの意味になると思います。言葉が持っている凄い力と申しましたが具体的に言いますと、言葉には暗示力、感化力、同化力、影響力があるということなのです

 

過去に当コラムで書いたことがありますが、言葉思考を決定し、その思考がその人の人生を決定する。よってその人の言葉が結果として、その人の人生を決定する」という三段論法の文章です。よって言葉を決して蔑(ないがし)ろにしてはいけませんよと言われているのです。

 

言葉に敏感な体質になるには習慣づけをすることが大事になります。パッと言葉をつかまえたら「よし、自分のものにしよう」と習慣づけてゆくことが大事になります。「この言葉、私がもらった」というふうに、言葉というものを受け止めていかない人は大成ができないのです。偉くなった人で言葉に鈍(どん)感な人なんかは一人もおられないのです。

 

長い人生の中において体験する、いろいろな苦しい状況の中で、人には言えない悩みを持ちながら自分一人と対峙した時に、本で読んだり、人から聞いた短い一つの言葉に救われてゆくものです。「寸言は人を感奮興起してくれる」ものです。言葉によってエネルギーをもらえるのです。勇気や元気をもらったり、新たな考え方に初めて触れたりできるからです。それが人間なのです。だから結果として言葉に敏感になってゆくのです。

 

もう少し具体的に説明いたしますと、心の支えになる言葉、自分を鼓舞する言葉、勇気や希望を与えてくれる言葉、自分の人間性を高め、広くしてくれる言葉などを、普段から身に付けて持っていることがポイントになるでしょう

 

これらは新聞や本を読んでいる時に、「あっこの表現はすごい、今までになかったもので初めて巡り会った言葉だ。私がもらって自分のものにしたい」とこの様な場面がきっとあると思いますから、その時がチャンスになるでしょう。

 

アンダーラインや赤印を付けておき、あとでゆっくり自分のノートや手帳に転記しておいて、反復を重ねることで自分の言葉にしてゆくことが良いと思います。できれば専用のノートやファイルを作ることをお薦めしたいと思います。


  口を使った話し言葉の場合での注意事項は、言葉の内容が消極的なら
積極的な言葉、悲観的なら楽観的な、批判的で否定的なら肯定的な、マイナスイメージならプラスのイメージ、後ろ向きなら前向きな言葉を常に口にする様に致しましょう。万が一、マイナスイメージを口にした時は、すぐさま訂正をするように心がけて下さい。きっと人生が変わってゆくものと思います。

 

(次回に続きます)

 

★ 
経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 山口一道 経営コンサルタントのホームページ

 
Home | Category : 経営学 |  Comment  |  Trackback
2018/05/25(Fri)

(No.470) 経営者やリーダーに必要な二つの大事なこと (2/2)

ところで前向きな言葉を常に口にしましょうと申しましたが、この前向きな言葉には凄い威力があるからなのです。この前向きな言葉に触れるだけで、無意識のうちに意欲が高まり、生きる姿勢が積極的になるというものです

 

この考え方は「自動動機理論」と言われるもので、モチベーションに関する新理論とも言われております。本人の意志に頼らずに、また意識するか否かにかかわらず、前向きな言葉を見ただけで心と体が活発に動き始めるとの理論です。無意識のセンサーが働くからでしょう。習慣はまさに自動動機状態の行動です。前向きな言葉を見るだけで、心が活発に動き始めるのも同じ理屈と考えて良いと思います。

 

もし皆さんが成長と向上を望むのであれば、前向きな言葉に触れる機会を増やすことです。「勇気、不屈、挑戦、成功、勝利、達成、希望、前進、夢を叶える、この仕事は天命で天職だ」など自分にとって力の湧く言葉を紙に書いて貼るのも効果があるものです。前向きな言葉を常に目にして、触れるチャンスを増やすように心がけて下さい。知らず知らずのうちに、きっと効果が望めるものであります。

 

話が少し横道にそれますが、経営について少しだけ触れておきたいと思います。実は「経営とは人を育てることなり」と言われます。また、「人を育てるとは、人の心を育てること」とも言われます。そして「その心は言葉によって育てられ、磨かれる」とも言われます。

 

それは今まで述べてきましたが、「言葉には凄い力が潜んでいるから」なのです。よって我々にとって心を潤す、できる限りたくさんの良い言葉や美しい言葉に巡り会うことが大切で重要なことであると言われているのです。この文章は、経営言葉密接な関連をつないだ文章ですが、なかなか的を射た文章でありますから、皆さんもご自分の言葉として身に付けておいて下さい。

 

自分を向上させるものに敏感であれ

 

「敏」というのは何も言葉に敏感なだけじゃありません。自分自身を向上させてゆく機会や、向上させてゆくものに対して、常に心と体を働かせることも「敏」になります。

 

論語の中で孔子がこう言っております。「我は生まれながらにして、これを知るものにあらず。古(いにしえ)を好み、にして、もってこれを求めたる者なり」つまり、自分は努力もせずにいろいろな知識に通じて行ったのではありません。

 

聖賢の書を絶えず吸収しようと求めていたからこそ通じて行ったのですよと。生まれながらにして知っていたわけではありません。何も知らずに自分が苦しかったから、「何かを学ぼう、何かを学ぼう」として「敏」にして求めていたからこそ、身について行ったのですよと言っているのです。我々も孔子のこの考え方を参考にして学んでゆきたいと思います。やはり「敏」であることは大事なテーマの一つなのですね。また、孔子は「なれば即ちあり」とも言っております。「敏」の人は必ず成果が表れてくるという意味なのです。

 

今まで大事な一つ目の「」について説明して参りましたが、次の二つ目の大事なことは「徹する」ということになります。ほとんどの人が、途中でやめたり投げ出したりして中途半端で終わることが多い様な気がしております。それは一つのことに徹しないからだと思います。何をやっても中途半端で一所懸命やっているふりだけという人が圧倒的に多い様です。

 

他人の命令で一所懸命やっているだけで、自分の強い意志本気で全力投球している人は少ない様です。この様に本当に徹している人は少ないのかもしれませんね。自分の仕事に本気で徹しきる、これをやらない限り、人生は発展しないと言っても良いのかも?知れません。やはり、真の志、夢、使命感などが明確になっていないと仕事に徹してゆくということは難度が高いのかも知れませんね。年齢などに関係するのかも知れませんが・・・。

 

私の好きな言葉があります。「本物は続く、続けると本物になる」という言葉です。続ければ本物になるという意味と、続けなければ本物にはならないという意味だと思います。徹して、なおかつ続けることが意味があると言うことなのですね。

 

現在は人生100年時代到来と言われています。60歳から65歳で定年退職をしてからの人生がずっと長く続くのが一般的になりました。定年で仕事を止めると何か中途半端で仕事を止めるような気になって、仕事に徹して頑張ったとは言えないのかも?知れませんね。定年は一つの区切り、折り返しの点にすぎないのかも知れませんね。

 

健康寿命を維持して心身ともに健康である限り、終身現役、生涯現役で何らかの仕事をしながら生きてゆく人が多くなってゆくのでは、と予想しております。まとまった収入に結びつかなくてもボランティアでも結構だと思います。その仕事が世のため人のため社会のために、少しでも貢献し役に立っているものであれば、どんどん実践してゆきたいと思います。お互いに努力して頑張りたいと存じます。

 

 

 

★ 経営コラムのカテゴリーの種類は以下の通りです。カテゴリー別に御覧いただけます。

・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

 

★ みな様のご意見・ご質問・ご感想をお待ちしております。 yamacon@har.bbiq.jp

 

★ 山口一道 経営コンサルタントのホームページ

 
Home | Category : 経営学 |  Comment  |  Trackback
Home Home | Top Top