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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2019/01/04(Fri)

(No.502) 21世紀の幸福学が教える「幸せの法則」とは? (1/3)

 人間はどうすれば本当の幸せ、争いのない幸福な社会を実現することができるのでしょうか?今まで、あらゆる哲学者や宗教家、心理学者などがチャレンジしてきたこの問いに、一つの明確な答えを出した人が日本におられます。科学者の立場から幸福についての研究を続けてこられた人で、前野隆司(まえのたかし)氏(1962年山口県生まれ)と言う方であります。

 

慶応義塾大学大学院の教授で、「幸福学の第一人者と呼ばれ、ロボット工学者でもあり、とてもユニークな人物であります。前野氏が導き出された誰もが幸せになれる法則、幸せな社会の創り方について、当コラムにてご紹介をしてゆきたいと思います。

 

実は、私も経営コンサルタントという仕事がら、人間学や人生学の領域においては、「人生いかに生きるべきか、また自他の幸せをいかにして追求すべきか」を研究している者として、大いに共通点があり、私にとっても興味関心の高いテーマであります。

 

物は豊かになったのに、日本人は幸せになってはいないと言うことはどういうことか?

 

日本は小さな島国で資源もありません。だから科学技術の力で新しいものを創り、工業の力で国を繁栄させなければなりません。「物が豊かになれば、国も豊かになるはずだ」、とこの様に国民はみな考えておりました。しかし、前野氏はある時、「科学技術は本当に人々を幸せにしているのだろうか?」という疑問が湧いてきたとのことであります。

 

というのは、生活の満足度についてアンケートを取った結果を分析してみると、日本の実質GDP/人は、過去の50年間の高度経済成長の中で約6倍になっているにも拘わらず、生活の満足度は横ばいのままになっていましたから、前野氏はその結果に愕然としたとのことであります。物はどんどん豊かになってきたのに、日本人の生活への満足度、つまり「幸せ度」は1950年代と最近とでは、比較をした結果、ほとんど変わっていなかったとのことであります

 

前野氏によりますと、「いくら科学者として、良いものを創ったとしても、人々の幸せに貢献していないとしたら、自分はエンジニアとして何をしてきたのだろうか?と足元をすくわれた思いがしました」と述懐なさっておられます。そこで彼は、人間の幸せをしっかりと考えた製品やサービスの設計をしてゆく必要性を痛感し、そのために人間の心、幸せを感じるメカニズムを明らかにする研究に移っていったとのことであります。大学で幸福について本格的に研究を始めたのは、2008年で46歳の時であったとのことであります。

 

【因子分析で明らかになった、幸せになる四つの因子とは?

 

彼はエンジニア出身ということもあり、「幸せ」に関して哲学者や心理学者とは違ったアプローチを試みました。まず彼が取り掛かったのは、世界中の幸せに関する研究を調べることでした。すると「自己肯定感が高い人は幸せである」とか「感謝する人は幸せである」など、膨大な研究結果を得ることができました。

 

しかし「感謝する人は幸せ」の研究であれば「感謝」という観点でしか幸せを捉えておらず、幸せを総合的に捉えた研究は、少なくとも日本では行われていないことに気づいたのです。一つのテーマを掘り下げていくことはもちろん大切ですが、バラバラに研究したままでは、その成果を社会で生かすということは容易ではありませんでした。

 

それなら自分が過去の幸せに関する研究を体系化しようと思い、そのために活用したのが、「因子分析」という手法だったとのことです。因子分析は、多変量解析の一つで、多くのデータを解析し、その構造を明らかにするための手法でした。

 そう言うと難しそうに聞こえますが、統計ソフトを用いれば、因子分析は簡単に行えるとのことであります。具体的には、幸せに関する過去の研究やアンケート結果をコンピュータにかけ、専用ソフトで計算するということを実践されました。

(次回に続きます)

 

 

 

【新年のご挨拶】

 

新年あけましておめでとうございます。当経営コラムも早いもので11年目に入りました。これも読者の皆様方の温かいご支援のおかげと、心より感謝いたしております。

たくさんの方々から、感想や励ましやお礼の言葉などを賜りまして、ありがとうございました。この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。

本年も、一心不乱の気持ちで執筆させて頂きますので、ご愛読の程よろしくお願い申し上げます。

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2019/01/11(Fri)

(No.503) 21世紀の幸福学が教える「幸せの法則」とは? (2/3)

【幸せになる四つの因子とは?】

 前野氏は学生たちと共に因子分析を行った結果、2012年頃、この要因を満たせば誰もが皆幸せになれるという「幸せの四つの因子」が得られたとのことであります。それは次の四つの因子でありました。

1. 第一因子『やってみよう!因子』(⇒自己実現と成長の因子)

2. 第二因子『ありがとう!因子』(⇒他者との繋がりと感謝の因子)

3. 第三因子『なんとかなる!因子』(⇒前向きと楽観の因子)

4. 第四因子『ありのままに、あなたらしく!因子』(⇒独立と自分らしさの因子)・・・この四つの因子でした。一つずつ概略を説明することに致しましょう。

 第一因子の『やってみよう!因子』は、人生の大きな目標や日々の目標を持ち、それを実現していくための自分の強みが分かっていたり、また、強みを生かすために学習・成長しようとしている人は幸せであることを示しています

 第二因子の『ありがとう!因子』は、人に感謝して、人のために何かをしたい、誰かを喜ばせたいという気持ちが強く、様々な人と交流を持っている人は幸せであるということです。第一因子が自己実現や成長といった自分に向かう幸せだったのに対して、第二因子は感謝と利他、他人に向かう幸せだと言ってもよいでしょう

 第三因子の『なんとかなる!因子』は、幸せには前向きさや楽観性が必要だということを示しています。自己実現や成長、他者との繋がりを育む場合にも、「よし、何とかなる!」と、前向きで楽観的にチャレンジしていけることが必要です。そういう意味では、第三因子は幸せになるための味を引き出す役割であるスパイス(調味料)のようなものだと言えるでしょう。

 最後の第四因子『ありのままに、あなたらしく!因子』は、周りの目を気にせず、自分らしく生きることが幸せに繋がることを示しています。例えば、第二因子の実現のために周囲の人と仲良くすることはよいのですが、それが他の人のペースに合わせてばかりになっては幸せになれないでしょう。人と仲良くしつつも、同時に自分らしさも持つことで幸せになれるということです。

 また、「人の幸福度は簡単に高めることができます」と語る前野さんですが、本当にそうなのでしょうか?そのためには日々のちょっとした意識づけが大切なのだそうであります。

【幸せの四つの因子を満たす会社経営や製品づくりとは?】

  この四つの因子の話しをすると、「意外にも普通ですね」とか「そんなの当たり前ではないですか」と言う人がいますが、それもそのはずです。「私はあくまでも皆様が日頃漠然と考えておられる『幸せの要因』を因子分析に基づいて統合しただけです。正しいことや真実というのは、やはりシンプルであり、美しいものだと思っております。

 そして重要なことは、この四つの因子は“多分こうだろう”という思いつきではなく、あらゆる幸福に関する研究やアンケートの結果をコンピュータにかけ、データの因子分析によって導き出した統計的な法則、つまり『幸せの法則』と言っても良いものであります。」と言われております。

 実際に企業などの調査研究でも、社員が「四つの因子」を満たしている企業は、社員同士のコミュニケーションが活発で、仕事に充実感ややりがいを感じているケースが多いことが分かっているとのことです。また、四つの因子を満たしている幸せな人は、不幸な人より寿命が長く、新しい物事を生み出してゆく創造性も高いことが分かっているとのことです。いいことずくめの様であります。では幸福度を高める具体策については、次回のコラムにゆずりたいと思います。

(次回に続きます)



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2019/01/18(Fri)

(No.504) 21世紀の幸福学が教える「幸せの法則」とは? (3/3)

 人の幸福度は簡単に高めることができるとは?

 

幸せの法則」が分かっても、現実には人間はそんなに簡単に幸せになれるものではない、と思われるかもしれません。しかし、実は意外にも簡単に人間の幸福度は上がるとのことであります。1番目の『やってみよう!因子』を高めるワークでは、数人のグループになり、お互いのや身近なことで目標にしていることなどを発表し合いシェア(共有)してもらいます。職場同士の人で行えば、「君にそんな目標があるとは知らなかったよ」と盛り上がり、目標が明確になり、お互いの理解が深まることで、幸福度が上がることが分かっているとのことです。

 

また、2番目の『ありがとう!因子』や4番目の『ありのままに、あなたらしく!因子』を高めるワークでは、グループ内で感謝の言葉や助言を伝えあったりして、簡単なワークなのですが、やってみると驚くほどの効果があるとのことです。


 要するに現代人は、日々の時事的なニュースや娯楽的な話題にばかり関心が行き過ぎて、お互いの夢や目標を語り合ったり、感謝の言葉を伝え合ったりという、幸せにより良く生きて行くための根本的な会話を、あまりしなくなっているということなのでしょう。ですから、お互いに褒め合ったり、感謝の言葉を伝えあったり、そうした日々のちょっとした意識付けで皆が幸せになれるということなのです。あまり難しく考えなくても良いみたいですね。

 

21世紀は幸せ社会へのパラダイムシフトの時代である】 ・・・パラダイムシフトとは価値観を根本から改めることを意味しています。

 

冒頭に日本人の幸福度は、この50年間ほとんど変わっていないということを述べています。しかし、もともと日本人は誰もが「四つの因子」に基づく「幸せの法則」をごく当たり前に実践してきた民族であります。例えば、古来日本人の生活には神道や仏教、儒教などの東洋思想がしっかりと溶け込んでおり、「人には親切にしなさい」「食べ物に感謝しなさい」「あなたらしく、あるがままに生きなさい」といった、四つの因子を満たす教えがごく当たり前に日常の中で身についていたのです

 

それが終戦後、アメリカに占領され、西洋型の考え方が急激に入ってきたことで、日本人の生活や教育の中からすっかり失われてしまいました。それでも、しばらくは高度経済成長や科学技術の発達により、生活が良くなってゆく実感があったために、本当に幸せに生きるにはどうあるべきかを、真剣に考えずに済ますことができました。

 

ところが、この20年間で日本社会が成熟社会になり、また、科学技術の進歩が環境破壊や健康被害など、現代が抱える様々な問題の要因となっていることが分かってきたのです。さすがにこれまでの価値観、生き方を続けていては幸せになれないのでは、ということに多くの人々が気づき始めてきました。今はまさに、皆が自分のやりがいを見つけ、個性を発揮して、本当の幸せを実感して生きられる社会へパラダイムシフトをする時代に変化してきているのです。価値観の変化が進んでいると考えて良いと思います。

 

ただ、そうは言っても、仏教や儒教などの東洋思想の教えが生活の中にごく当たり前にあった時代に再び戻ることはできないでしょう。そこで仏教や儒教などに代わり、21世紀版の「幸せの法則」、つまり、よりよく生きるための科学的な法則を提示するのが四つの因子だと思います。

 

特に今の若者たちは、そのことを敏感に感じているように思います。近年、一流大学の学生が大手企業や中央省庁に行かずに、農業や環境問題に取り組む中小企業や団体に就職したり、積極的にボランティアに参加したりするケースが増えております。また、出世したり、お金を稼いで高価な車や家を購入するよりも、自分の好きなこと、やりがいを大切にする傾向も見られます。これは素晴らしいことであると私は思っています。

 

これからの日本を創ってゆく若い人達が、皆が幸せになれる新しい社会の実現のために、同じ方向に走り始めているのだと思えば心が本当にワクワクいたします。そのためにこれからも、「幸せの四つの因子と幸せの法則」を一人でも多くの人に知っていただくことで、よりよい日本社会を実現し、そして究極的には世界の人々が争ったり妬(ねた)んだりしないで、皆で幸せを目指すような世界が実現するようになってほしいと願っております。

 

また、いま我が国では、企業など様々な分野で不正やパワハラなど、多くの問題が起こっていますが、それも前野先生が導き出された「四つの因子」を満たすような経営や組織運営をしていけば、解決することができるはずだと思います。そうすれば、皆が本当の意味で幸せに働き、幸せに生きて、社会をより豊かにしていけるのではないかと考えております。皆さんいかが感じられましたでしょうか?

 

 

 

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2019/01/25(Fri)

(No.505) 幸せとは一体何だろう?どう認識したらいいのだろうか? (1/3)

  今回も引き続き、幸せとか幸福について考えてみたいと思います。現代の価値観において一般的に考えられている、幸せの条件とは何でしょうか?それは、健康・衣食住・家財・結婚・家族・仕事・収入・お金・地位・名誉などが挙げられるでしょう。全ては自分の外側にあるものばかりです。それらが揃っておれば、「自分は幸せである」とほとんどの人が考えている様ですね。私も若い時代にはその様に考えており、長い間、生活して参りました。

 

がしかし、それらの幸せの条件は幸せそのものではないのです。「幸せ」を思い違いしているのです。条件が揃っていても幸福を心で感じなければ幸福ではないのです。つまり「有るから幸せではなくて、心で感じるからこそ幸せなのです。要は幸福とは自分の外ではなく内側にあるものなのです。だから幸せとは自分の外に求めることではないのです。逆に自分の中や内側に求めることなのです。その理由は外的条件は人間の思い通りに得られるものではないからです。

 

今回のコラムは、幸せに関する五七五七七の短歌を少しずつ、途中で挿入しながら進めてみたいと思います。

 

幸せは 外ではなくて 内にある 外に求めず 内に求めよ」   ということです。

「知足とは 今あるものに 感謝する 無いものばかり 求めないこと」ちそくとは、足るを知ることです。

幸せは あるものだけを 数えるの 知足知らねば 幸せ来ない」 と言われます。

 「ないものを 数え上げれば キリがない あるものだけを 数えてごらん」 まさに知足の教えです。

 

従って、幸せとは何かを得ることとか、欲しいものを手に入れることではなくて「今の自分が幸せの中にいる」ことを「知ること」、「気づくこと」、「感じること」になるのです

 

 よって、内的条件の整備が必要になるでしょう。心の内容の豊かさ、心を整えることが先決になるでしょう。心の主導権をつくることです。「幸せとは一体何か?」をそれぞれ各人が自分なりに再定義する必要があるのではないでしょうか。

 

幸せは 豪華な中に 求めるな 質素単純 その中にある」 少欲知足で欲を少なくし足るを知ることです。「今の今 歓喜感謝で 生きるのだ それが根本 幸せの道」と言えるでしょう。

 

要するに幸せとは、知覚現象ですから、理性ではなく感性で、過去でなく未来でもなく、今ここの現在瞬間で感じることなのです感情なのです。幸福感 感謝 嬉しい 楽しい ありがたい 喜ばしい 幸せだ ツイている 愛している 美味しい まずい 辛い 悲しい 苦しい イヤだ などと同じ知覚現象のことなのです。

 

幸せは 理性ではなく 感性だ 心で感じ 知覚するもの」     幸せは感性なのです。

「理性では 幸せ感は つかめない 思考ではなく 感情なのだ」    幸せは感情なのです。

感情は 嬉しい楽し ありがたい 常に幸せ 歓喜と感謝  いつも積極的でプラス思考の感情をキープして下さい。

 

プラス思考の感情とは、今ここで現在感謝、現在幸福、現在愉快、現在歓喜を感じる心の働きでプラスで積極的な知覚現象のことなのです。反復しますが、心で感じるからこそ幸福で幸せなのであります。

 

(次回に続きます)

 

 

 

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