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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2019/09/13(Fri)

(No.538) 大企業の不祥事はなぜ続くのだろうか? (1/3)

  【名門企業の不祥事が相次いで発覚する理由は?】

 

この数年来、東芝や日産、神戸製鋼、日立、スバル、ススギ、三菱自動車、三菱マテリアル、スルガ銀行、かんぽ生命といった大手企業の不祥事が相次いでいます。実名を書くことをお許しいただきたいと存じます。まだまだこのコラムに書ききらないほどあるのではないでしょうか?この様に世界に冠たる名門企業が信用を失い、凋落してゆく様子には残念ながら言葉もありません。

 

企業による不祥事は今に始まったことではなく、一昔前まで企業の不祥事と言えば、生産地や賞味期限などを偽る食品偽装が最も目立っていたのを覚えておられると思います。生活に身近なだけに国民の関心も高く波紋も大きかったわけですが、食品を取り扱うのは主に中小零細企業で、一企業の不祥事が世界にまで影響を及ぼすことは、まずありませんでした。

 

ところが、近年発覚する不祥事はそれとはレベルが異なっていることに気づかされます。重厚長大産業として日本の経済力の根幹を支えてきた超巨大企業の問題が次々に明るみになり、その信用失墜、経済的損失は日本経済の屋台骨を揺るがす事態にまでなっている様な感じです。

 

アルミや鉄鋼製品の検査データを改ざんし国内外の取引業者や消費者に甚大な影響を及ぼした神戸製鋼の問題に至っては、実に30年前から続けられていたと言います。長年溜まったウミが、ここにきて一気に噴き出した形ですが、悪質な不正がなぜいま明るみになったのでしょうか。そこにはいくつかの要因が考えられると言われています。

 

一つにはバブル時代からその崩壊とリストラにより従業員の団結心や忠誠心が燃え尽きたためです時代の流れ、働き方の多様化とともに、かつて日本企業の強みだった団結力や会社を守ろうという忠誠心は確実に低下して、それに伴って社員による内部告発の機運が高まっているのです

 

加えてSNSなど情報ツールの普及で不特定多数の人に向けて発信しやすくなったことも、発覚リスクが大きくなった理由になります。SNSで炎上した情報に後からメディアが飛びついて騒ぎ始める、というケースもこのところ目立つようになってきた様です。

 

【日本企業のガバナンス・システムは機能していない】

 

不祥事の案件は大きく「ガバナンス(企業統治」の問題と「コンプライアンス(法令遵守)」の問題の二つに分けることができます。ガバナンスという言葉には社長が企業を統治するとのニュアンスがありますが、そうではありません。社長こそ、株主や社外取締役から統治を受ける立場にあり、ガバナンスとはこの牽制(けんせい)作用になります。統治を受けた社長が主体となって役員や社員のリスクマネジメント(危機の管理)を行うのがコンプライアンス(法令遵守)なのです。

 

2015年に発覚した東芝不正会計問題は、赤字決算を認めようとしない社長が取締役会や社外取締役と情報を共有することなく、現場に無理な利益確保を要求したものです。これなどは外部者によるガバナンス(企業統治)内部統制システムが機能しなかった典型的な事例になります。一方、コンプライアンス(法令遵守)の問題としては現場独自の判断でマンションのくい打ち工事を手抜きしたり、食品の原料を偽ったりするケースなどがあげられるでしょう。

 

(次回に続きます)


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