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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2019/12/06(Fri)

(No.550)人口減少で日本に何が起こるのか? (4/4)

  .【この難問を次世代に押し付けてはいけない】

 

我が国の、戦時中の軍部は「産めよ、殖やせよ」と国民に強制しましたが、決して上手くはいかなかったと言われております。子供をもうけることは人の心の問題であり、社会が安定し、未来に希望が見いだせなければなかなか前向きにはなれないものです。故に、いま最も大切なことは、社会の機運を盛り上げていくことに尽きると思います。

 

「結婚したいのに出来ない」、「子供が欲しいのに持てない」、「二人目が欲しいのに一人で我慢せざるを得ない」など、そういう若い世代の問題に一つひとつ対応し、日本がこれからも豊かな社会であり続けると実感できる環境づくりにまい進することが大事であると考えます。これこそが有効な少子化対策と言えるでしょう。

 

そのためにも、雇用環境を充実させ、安定した働き口を供給していくことは不可欠であると思います。企業がこの20年、アジアに安い人材を求め続けた煽(あお)りで、日本の有望な若者たちを「就職氷河期」なる状況に追い込んでしまったことは、日本の将来に重大な禍根を残す痛恨事でありました。

 

これによって、団塊ジュニア世代を中心とする数多くの若者達が非正規の不安定な仕事に追いやられ、少子化、人口減少の元凶(がんきょう)となったのでした

 

彼らの中には生活力が低く、40才代半ばになった今も親の助けがなければ暮らしていけない人が相当数おられます。このままいけば、約20年後になりますが、日本の高齢者人口がピークを迎える2040年代には、貧しい高齢者が大量に誕生するのではないかと言われています

 

既にマーケットは様変わりして、従来の様に物が売れなくなっているのです。企業は結局、自分自身の首を絞める結果を招いたわけであります。

 

社会は人がいて初めて成り立ちます。そして、若い世代は未来の貴重な担い手になります企業経営者はこのことを心に刻み、日本の未来に対する社会的責任を自覚して頂きたいと思います。

 

今のままでは日本は確実に衰退します。沈没しかかっています私たちが生きている現在の2019年の延長線上に、日本の未来はないでしょう。現在、社会を主導する我々世代は、断じてこの難問を次の世代に押し付けてはいけないと思います。

 

この難問と正面から向き合い、新しい社会づくりへと勇気を持って踏み出していくことで、日本が小さくともキラリと輝く豊かな国、世界からも尊敬される国であり続けられるのではないかと信じております。

 

明治維新のように、やればできると思っております。力を結集できるか否かにかかっているのです。私だけでなく、大勢の人達と共に危機感を共有し、一緒になって対策を練って行動をしてゆきたいと念じております。

 

最後に致しますが、今回のコラムの振り返りがしやすい様に、1~4までの、サブタイトルだけでも掲げておきたいと思います。

 

.【このままでは、日本という国家は破綻する?】

.【我々が直面している、静かなる有事とは?】

.【“戦略的に縮小する”ための方策について】

.【この難問を次世代に押し付けてはいけない】の以上でした。

 

 

 

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・人間学  ・経営学  ・経営戦略  ・人材育成  ・組織運営 

 

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2019/12/13(Fri)

(No.551) 人口減少時代の処方箋は、誰が考えているのか?(1/3)

   前回のコラムに引き続いて、人口減少と少子高齢化について考察を進めてゆきたいと思います。日本の将来については、少子高齢化によって国力の衰退が心配されています。解決のヒントは果たしてあるのでしょうか?解決のヒントは島根県にあり、それは「地方創生女性の活躍である」という点に絞り込んで考えてゆきたいと思います。

 

.【今の日本の問題は何か?】

 

大きな問題、それは人口減少少子高齢化の二点であります。その結果、現象としては企業の人手不足・労働力不足の状態が続いていることです。そのことで最も深刻なダメージを受けるのは地方自治体と考えられています。

 

ところが少子高齢化をものともせずに経済再生に成功した地方があると情報発信している人物がおられます。なかなかユニークで見識の高い有識者ではないかと思います。その方の提言や意見を元に、参考にさせて頂きながら考察を進めてみたいと思います。

 

地方で成功している人達の共通点は何か?との問いに、それは東京ではなく、「世界に目を向けているから」と言われています。どういう事かというと「自分たちの住む町が、世界からどう見えているのか?」「世界から見てどんな価値があるのか?」ということを敏感に感じ取っている人達であるとのことです。

 

ほとんどの地方の人達は、東京と自分の住んでいる町しか見ていないとのことです。その外側の世界がほとんど見えていないと言われています。考えてみますとそうかもしれませんね。

 

.【日本の未来を拓く鍵は島根県にありとは?】

 

また「島根県には日本の未来の希望がある」と盛んに言われています。失礼とは存じますが、一般に島根県は都道府県の中でも影が薄いイメージがありますが、島根のどういうところが凄いのでしょうか?まず第一に、島根県には国際競争力の高いハイテク製造業の拠点があることです。世界的な電子部品メーカーの村田製作所の主力工場や、鋼鉄生産技術に立脚した日立金属の工場などがあります。

 

第二に島根県は、令和時代の成長産業の拠点でもあります。それは製造業ではなく、お米以外の農林畜産業のことです。和牛と国産豚の一大産地であり、林業も伝統的に強い地域なのです。

 

一般に島根県と言えば高齢化の県とのイメージが強いですが、合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の推計数)は47都道府県で常に2位(1.74)であり、沖縄県につぐ高さの県です。全国平均は1.42です。どうしてそんなに高いのでしょうか?

 

実は島根県は日本で最初に「過疎」という言葉が生まれた場所なのです。高度経済成長期に若い人達を山陽側や京阪神地区、首都圏に送り出してきて、それ以来、県内は慢性的に人手不足になったのです。そのために県内の企業は早い段階で、女性が結婚後も働き続けることのできる職場環境づくりを始めたのです

 

例えば、企業内の保育所を持つ企業が県内には多いことです行政も子育て支援には熱心で、現在に至るまで待機児童はいないとのことです。大したものであります。

 

そのおかげで島根県は、25歳から39歳までの女性就業率が、47都道府県で第一位なのです素晴らしい結果だと思います。最近ではなくて昔からずっと一位だということです。驚くばかりです。具体的な就業率は82%です。東京は70%、大阪が68%であり、この大都市の二つは全国でも最低の水準です。

 

この様に島根県は「若い世代の女性が日本一働いている県」になり、出産時の退職が少ないことから生涯勤める女性も多くなり、一家の収入も安定して、二人以上の子供のいる家庭が多いのです。逆に大都市圏では、出産時に一度退職して、中年になってから非正規雇用で復職する女性が多く、世帯の収入が下がるので、子供の数が少なくなりがちであるとのことです。

 
 もし仮に、日本全国の25歳以上の就業率が島根県と同じ水準(82%)になったとすれば、全国では423万人もの労働力が湧いて出ることになるそうです2025年までに計323万人の人手不足が発生すると推計されていますが、それが一気に解消されてしまうレベルに相当します

 逆に全国の水準が東京並みに下がると(
70%)、300万人近くの労働力が蒸発し人手不足が発生するとの推計になっております。極力この予想が外れることを望むだけであります。

 

要するに、島根県に倣って若い女性の就労と子育てを、国を挙げて支援することこそが、人手不足解消の妙案であるということなのです。しかも、出生率の向上までもが望めるのです。東京の方が優れているとの思い込みは禁物であります。

 

(次回に続きます)




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2019/12/20(Fri)

(No.552)人口減少時代の処方箋は、誰が考えているのか?(2/3)

.【では、人手不足解消の明確な解決策はあるのか?】

 

日本の最大の問題と言われています「少子高齢化と人手不足解消」の処方箋は、若い女性の就労・子育て支援と、世界に目を向けた地方創生ということになります

 

人口比でいうと女性の方が少し多いわけですから、本来ならば就労者も男女同数であって然るべきなのです。ところが、現状の男女比は5対4くらいです。逆に言えば、女性の側にはまだまだ就労できる余力があるということなのです。

 

従って、労働力不足の解消のためには、若い女性が仕事をしやすいようにするということが何よりも大切なのです。そんなに分かりやすい解決策があるのに、国も企業もなぜそれをやらないのか、不思議でなりません。

 

男尊女卑の組織風土や企業文化が未だに残っているのかも知れませんね。日本では女性の管理職の割合が他国に比べて少ないと言われますが、男尊女卑の文化が影響しているのかも知れません。滅私奉公で在籍時間が長い人ほど、ご褒美で出世するという悪しき企業文化があるからではないでしょうか?

 

早く家に帰ると仕事を済ませていても評価がなされない。「生活を犠牲にしてでも昇進を」という考え方に男の方がとらわれすぎなのかも知れませんね。

 

その一方で、大学生が就活に際してどういう基準で会社を選ぶのかと言えば、次の4つが主な条件なのです。①「倒産しない企業」②「給料の多い企業」③「残業が少ない企業」④「休暇がとれる企業」なのです。

 

つまり外形的な目先で損得の条件ばかりで、本人が「何をやりたいのか」という本来は一番大事なことが基準に入っていないのです。そんな意識や考え方だから会社に入ってからも仕事が面白くないのです。

 

企業の方も、「何をやりたいのか」が見えない所も多いものです。過当競争をしているだけで、なくても誰も困らない会社がたくさんあります。そういう会社は当然仕事もつまらないものです。しかも、そんなつまらない仕事をとにかく机に座って長時間続けられる様な人ばかりが昇進するのかも知れませんね。

 

もう生活を犠牲にしてまで働くのがバカバカしくなって、女性たちは先にやめてしまうのでしょう。女性の就業率の低さの背景にあるのは、意外にもそんなところにあるのではないかと思われます

 

これからは、この様な「なくてもいい仕事」がどんどん淘汰されていく「ガラガラポン」が起きると思われます。それがまだ起きていませんから、みんなが働くことに疲れてしまって、こんなに子供が減っています。

 

特に合計特殊出生率1.2と全国で最低のままの東京は異常なのです。先述しましたが島根県は1.74で第2位です

 

これほど少子化しているのに、かといって若い女性(25から39歳)就業率も東京は低水準のままで70%なのです。(島根県は82%で日本一です)しかもいつまで経っても待機児童が解消できないのも異常なのです。若い人達も東京一辺倒にならずに、もっと地方に目を向けるべきだと思います

 

高齢者人口の増減についてですが、首都圏一都三県の75歳以上の人口は、年率5%のペースで急増中です。病院や介護サービスは足りずに、土地やマンパワーを子育て支援に回すことができません。

 

そんな首都圏に地方から若者が流れ込むのは、時代錯誤も甚だしいのです。親世代の東京コンプレックスと決別して地方の豊かな可能性の鉱脈を掘ってほしいと思います。

 

ともあれ、日本が直面している少子化、人口減少の危機は「人がいない、子どもがいない」と実感した時には、すでに遅いという状況であります。だから「我々は若者や子育て世代を、地域を挙げて応援します」というメッセージを社会全体に広げていかなければならないと思っております。

 

(次回に続きます)

 

 

 

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2019/12/27(Fri)

(No.553)人口減少時代の処方箋は、誰が考えているのか?(3/3)

  .【外国人労働者より、「女性活躍社会」を】

 

今年、2019年4月から施行された「改正入管法」(出入国管理及び難民認定法)によって、農業や介護などの14業種で外国人労働者の受け入れが始まりました。改正は人手不足解消を目指したもので、政府は今後5年間で最大約35万人を受け入れるとしています

 

このことについては、私は「人手不足解消にはまったくつながらない」と思います。その理由については以下の様に考えられるからです。

 

これはすごく単純な話であります。例えば最近の5年間で、いわゆる「生産年齢人口の15歳から64歳までの人口は、だいたい年間に約70万人ずつ減っています。つまり5年間で350万人が減ってしまったわけです

 にもかかわらず、今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れても、それは減った数の10分の1でしかありません。つまり、ほとんどが「焼け石に水」と言うことなのです

 

政府の見通しでは、5年先には150万人の人手不足が見込まれるらしいですが、そもそも、その150万人という見積もり自体が甘すぎると思われます。「団塊の世代」が約700万人いて、その大半がすでに70歳を越えていますが、それでもまだ何割かは働いています。

 

しかし、さすがに5年後には大部分の人々が退職するでしょうから、それだけでも最低見積もっても、200万人は不足する計算になります。労働力不足を埋めるには、まるで足りない外国人労働者にたよるより、先ほどから言っている様に、女性の就業率上昇を目指すべきなのです


 また、人数の問題に加えて、外国人労働者の受け入れには負の影響も大きいのです。特に多大なコストが問題なのです

 

そのコストとは賃金のことではなくて、就労先の市町村が負担するコストのことです。外国人労働者の住居確保とか、医療や福祉、年金などの対応コスト、それに教育コストもあります。安価な労働力ではなくて、低所得の住民が増えるのですから、その分、公費負担が増えて行くのです。

 日本語の教育も必要になり、家族への教育はまるまる自治体負担です。放置すると言葉のしゃべれない住民が増えてゆきます。

 

従って、お金以上にマンパワーの負担が大変になるでしょう。公共機関や医療機関が外国語で対応しなければいけない場面も増えるでしょう。その様な社会的コストの増大が地方自治体にのしかかってゆくことでしょう。

 

しかも、それだけのコストをかけても、先述したとおり日本の人手不足は解消されませんから、労多くして功少ない状況になります結局、得するのは外国人労働者を受け入れる企業だけということになるかも知れません。企業の人手不足のツケを地方自治体に回す様なものだと思われます

 

だからこそ、日本の若い女性たちの就労・子育て支援に注力すべきだと主張しているのです。その方がよっぽど、日本の明るい未来に繋がっていくからです。

 

私たちは誰もが「人生100年時代」を豊かに生きて行くために、社会を支える現役世代が生き生きと活躍できるステージを用意しなければいけないと考えています。私たちは今、次世代育成を他人ごとにするのではなく、社会全体で若者や子どもを育ててゆくという覚悟が求められていると思います。どうか、ご一考を。

 


【執筆者からのご挨拶】

今年も1年間、お読みいただきまして、誠にありがとうございました。来る2020年があなた様にとって、良い年であります様に心からお祈りします。どうか皆さん、良いお年をお迎え下さい。

 

 

 

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