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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事
    一般社団法人アジアビジネス連携協議会(ABC) 顧問

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴40年超
    人間学・経営学など幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2013/03/16(Sat)

(No.202)  どうすれば組織を より活性化できるのか? (その5)

前回の「権限とは?」に続いて(3)「権限とは与えられるものではない」の説明を致します。
 
  一般的によく耳にする言葉で「責任ばかりが大きくて、権限はほとんど与えられていない」と聞くことがあります。実は権限は大きく2種類に分かれています。一つは設備や部下など眼に見える有形のものを動かして有効活用する権限と、二つ目は意志決定権や命令権などの無形のものがあります。
 
この無形の権限というものはその人の能力になり、その人が基本的に持っている能力そのものに落ちていくものなのです。権限とは与えられるものと考えがちですが、本質は与えられるものではないのです。ドキッとなさるほどの重大なテーマなのです。
 
少し補足を致しますと、「実体は部下が上司の権限を決めている」と言うことであります。命令権があるということは命令した通りに部下が行って初めて命令権があると言えます。命令を実行するのは部下であり、その部下の考え方、理解の仕方によって命令は左右されるのです。逆に考えれば上司が部下にどう思い、考えさせるか、納得させるかという能力が権限の本質になります。
 
この様に権限とは、その人自身が基本的に保有して身に付いた発揮能力のことをいうのです。決定する以前の保有知識・情報分析力・判断力・指導力・断行力などが必要になります。組織から求められている力なのです。「権限あって能力なし」や「肩書きだけで実力なし」では話にならないのです。簡単に「権限の委譲」とか「事業の承継」などと口にしますが本質は恐い言葉なのです。
 
前述の「責任ばかり大きくて権限はほとんどない」などと日頃、考えたり口に出す人は、素直に自分自身を、また自分自身の能力を告白している言葉なのです。表面上の責任や権限という前に奥に潜んだ深い意味を理解することが、社長を初め経営幹部の方々に求められているのです。
 
同族企業で割とスムーズに親の後を引き継いで、社長や専務を拝命された方は特に肝に銘じておいて下さい。自信のない方は毎日が勉強の連続でありますから、日々鍛錬をなさって下さい。努力あるのみです。遊び回るのは二の次なのです。
 
(4)「結果責任とは?」 (目的的責任)
 
前回の守衛さんの例にもどりますと、定時刻に必要な場所をチェック点検することは「手段的責任」でありました。しかし彼は数時間ごとに確実に巡回点検という責任を果たしたにもかかわらず、そのビルで盗難や火災が発生したとすれば彼の責任は一体どうなるのでしょうか?この様な防犯防災という「目的的責任」のことを結果に対する責任「結果責任」と言います。
 
 ほかの事例で説明しますと、例えば、多額の開発プロジェクトを任せている部下が、その仕事が上手く行かずに失敗して、会社に多大な損害を与えたと仮定します。この時、その部下は会社に与えた損害を賠償しなければならないのでしょうか?
 
 もしも、失敗した者に賠償責任が求められるのであれば、少額であるならまだしも、多額の賠償金を支払うことはほとんど不可能であると言えます。この意味で言うのであれば、一般の社員は真の意味においての結果責任をとることができないということになります。
 
この2つの事例の様なケースでは、当然、社長トップ結果責任を負うことになります。上層部になればなるほど職務権限も大きいものですが、結果責任(目的的責任)も大きいのが原則であり、当たり前の事であります。金額があまりに大きいケースでは企業破綻もあり得るのです。
 
そこで教訓として意識して欲しい事は、「社長たる者は、事件や事故に関わらず、有事の際の自己を普段から知っておく必要がある」と言うことです。何故ならば、無事・平時の際の自己をいくら知っていても、いざという時には全く役に立たないからです。
 
 それでは一般の社員が、失敗を犯した時に、組織が彼に求める責任とは何でしょうか?それは彼が「多いに反省し、次からは失敗をしない様に、一所懸命に本気で仕事に励むこと」に他ならないのです。
 
通常の会社組織では、各部門の果たすべき仕事としての手段的責任職務分掌規定で示されているものです。が、各部門の目的的責任は何かと言う点になると、ほとんどの企業では不明確であります。
 
 つまり組織単位ごとに結果責任(目的的責任)を明確にし、徹底しなければ理想的な組織運営は出来ないし、組織活性化も簡単には出来ないことを理解して頂きたいと思います。
 
最後になりますが、社長やトップが人間的に優しいが故に甘くなり、厳しさが不足し、ぬるま湯に浸かったような組織が多い様です。幹部から若い人まで、「上司の言うことを聞いていれば給料はもらえるだろう」という甘い意識でしかない人が多いものです。
 
外の環境が厳しいのに、内部の環境に厳しさが欠けている組織では、苦境や逆境を乗り越えて行くエネルギーを期待するなどは夢物語にしか過ぎません。優しさ厳しさ、両面持ち合わせて初めて本物の社長や経営者・幹部と言えるのです。さて、あなたは両面を備えておられますでしょうか?
 
 
 
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経営コンサルタント 山口一道 宛のメールアドレスは右記です。 mailto:yamacon@har.bbiq.jp
 
 
 
【 補足の資料添付について 】
 
お陰様で「経営学」のカテゴリーも80回を越えました。今回のコラムは「経営組織論」の分類になります。
今後、皆様が経営の基礎であり基本で、かつ重要なテーマをぜひ身に付けて頂き、活学して事業発展を実現なさることを心から祈っております。
そこで何時でも手軽に振り返りが出来るように過去の重要なテーマを並べてみました。リンクしていますのでクリックしてご活用下さい。
 
(経営管理編)日常の仕事や管理の仕方について。
 
 
(組織風土編)組織風土と経営戦略は発展の必須2大要件です。一方が欠けても進展発展はありません。
 
 
(経営戦略編)中期経営計画の説明とその必要性について。中経のない会社に明日の発展はありません。
 

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