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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2018/03/23(Fri)

(No.461)中小企業の大廃業時代到来にどう備えれば良いか? (2/2)

もし親族が引き継がない場合はMA(合併・買収)を活用するのも事業承継の一つの案にはなるでしょう。MA(合併・買収)では利益をあげているうちに事業を譲渡することが重要になります。赤字も1年ならまだ許せますが2年3年と赤字が続いて、売上高やキャッシュフロー(現金収支)が減り始めると、MAは難しくなるでしょう。「どうしようもなくなったら、考えるよ」と話される経営者もおられますが、それでは手遅れになるようですから注意が必要になると思います。

 

いずれにしても、注意しなければならないのは、事業承継はすぐにはできないということです。過去のデータによりますと、MAでは相手を見つけるのに平均で2年、さらに実際にバトンを渡すまでに最低1年は必要になるとのことです。身内に引き継ぐ場合でも時間はかかるものと思って下さい。

 

トップは引退の時期を自分で決めるものですが、その引退時期の3年ほど前から準備を始めないと間に合わなくなる可能性が高いことも覚えておいて下さい。事業承継に伴う贈与税、相続税の納税猶予とか事業承継税制に関しても政府が真剣に本気で検討を進めている様であります。政策やアイディアを総動員して中小企業の廃業を防いで頂きたい、中小企業を守って頂きたいと念じております。事業承継支援の拡充をどんどん進めて頂きたいと思います。

 

ところで、事業譲渡には他社への譲渡 (MA)と、起業を志す個人への譲渡の2種類があります。いずれも難しいとなれば、残念ですが廃業や休業になると思います。本コラムの主題の大廃業時代の到来に一歩近づくことになると思われます。

 

では次に、足元である「長崎県内の休廃業と解散の状況について」触れておきたいと思います。東京商工リサーチの調査によりますと、2017年に休廃業・解散をした長崎県内の企業件数は220件と前年比でほぼ横ばいとのことです。経営者の高齢化や後継者の不足、人口減少に伴う市場規模の縮小を要因に挙げており、今後も発生件数は年間で200件台で推移しそうだと予測しています。

 

もし予測通りに推移するとして、手をこまねいて政治面・経済面・経営面で有効な手当てをしないとなると、今後の10年で約2000件近くが休廃業に追い込まれるため社会的、経済的に大きな影響が想定できます。これでは、長崎県内が元気どころか病気になってしまうでしょう。今でも「あまり元気がない」と思っているのに大変困ったものであります。早い対応が望まれるのは言うまでもありません。

 

休廃業や解散は、法的整理や私的整理を伴う倒産とは異なりますが、事業を停止することになります。2017年は倒産件数が31件で低水準だったのと比べますと、休廃業・解散件数はその約7倍の220件であり、反復になりますが、県内経済の厳しい一面をうかがうことができます

 

業種別で見ると建設業、サービス業、小売業の順に多かったとのことです。個人企業が最も多く毎年増加傾向であり、次に法人がくるとのことです。代表者の年代別では60歳以上が90.4%を占めているとのことです。

 

ちなみに九州・沖縄8県全体の休廃業の発生件数については、前年比13.6%の減少で2743件であったとのことで、倒産件数の4.8倍だったとのことです。長崎県が約7倍だったのに対して九州全体で4.8倍ということは、いかに長崎県が高いかということでもあります。長崎県経済の厳しい一面を示していると考えて良いと思います。

 

産学官が連携して、まとまって知恵を出し行動することが、今こそ求められているのではないかと思っています。もちろん中小企業の経営者をはじめとして、我々経営コンサルタントを含め、長崎サミット会議などのメンバーに期待したいと思っています。


  最後にまとめと致しますが、人口減少にまつわる日々の変化は、極めてわずかであるために影響を感じにくいが故に、危機を感じにくいと思います。しかし、こうして手をこまねいている間にも、確実に人口は減り続け、じわりじわりと国民一人ひとりの暮らしが蝕(むしば)まれてゆきます。

 

恐らく10年後、20年後には日本の変化が誰の目にも明らかになり「少子化高齢化とはこういう事なのか」と思い知らされる事態に陥るのではないだろうかと考えております。中小企業だけではなく色んな方面をも含んだ社会全体に変化が生じてゆくと考えております。

 

私たちはいま、静かなる有事に直面していることを自覚しなければならないと思います。中小企業においては、スムーズに事業を承継するだけでなく、肝心なのはそれを契機に経営人材を強化して、新たな投資や採用を通して、競争力を高め、生産性を向上させることが大切になると思います

 

中小企業の経営者の年齢は刻一刻と上昇を続け、現在は60歳代後半の人が最も多いようです。よって総合的な対策は待ったなしであります。皆さん、この大廃業時代到来に知恵と力を合わせて乗り越えてゆきましょう。どうかご一考を。

 

 

 

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