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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2019/12/27(Fri)

(No.553)人口減少時代の処方箋は、誰が考えているのか?(3/3)

  .【外国人労働者より、「女性活躍社会」を】

 

今年、2019年4月から施行された「改正入管法」(出入国管理及び難民認定法)によって、農業や介護などの14業種で外国人労働者の受け入れが始まりました。改正は人手不足解消を目指したもので、政府は今後5年間で最大約35万人を受け入れるとしています

 

このことについては、私は「人手不足解消にはまったくつながらない」と思います。その理由については以下の様に考えられるからです。

 

これはすごく単純な話であります。例えば最近の5年間で、いわゆる「生産年齢人口の15歳から64歳までの人口は、だいたい年間に約70万人ずつ減っています。つまり5年間で350万人が減ってしまったわけです

 にもかかわらず、今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れても、それは減った数の10分の1でしかありません。つまり、ほとんどが「焼け石に水」と言うことなのです

 

政府の見通しでは、5年先には150万人の人手不足が見込まれるらしいですが、そもそも、その150万人という見積もり自体が甘すぎると思われます。「団塊の世代」が約700万人いて、その大半がすでに70歳を越えていますが、それでもまだ何割かは働いています。

 

しかし、さすがに5年後には大部分の人々が退職するでしょうから、それだけでも最低見積もっても、200万人は不足する計算になります。労働力不足を埋めるには、まるで足りない外国人労働者にたよるより、先ほどから言っている様に、女性の就業率上昇を目指すべきなのです


 また、人数の問題に加えて、外国人労働者の受け入れには負の影響も大きいのです。特に多大なコストが問題なのです

 

そのコストとは賃金のことではなくて、就労先の市町村が負担するコストのことです。外国人労働者の住居確保とか、医療や福祉、年金などの対応コスト、それに教育コストもあります。安価な労働力ではなくて、低所得の住民が増えるのですから、その分、公費負担が増えて行くのです。

 日本語の教育も必要になり、家族への教育はまるまる自治体負担です。放置すると言葉のしゃべれない住民が増えてゆきます。

 

従って、お金以上にマンパワーの負担が大変になるでしょう。公共機関や医療機関が外国語で対応しなければいけない場面も増えるでしょう。その様な社会的コストの増大が地方自治体にのしかかってゆくことでしょう。

 

しかも、それだけのコストをかけても、先述したとおり日本の人手不足は解消されませんから、労多くして功少ない状況になります結局、得するのは外国人労働者を受け入れる企業だけということになるかも知れません。企業の人手不足のツケを地方自治体に回す様なものだと思われます

 

だからこそ、日本の若い女性たちの就労・子育て支援に注力すべきだと主張しているのです。その方がよっぽど、日本の明るい未来に繋がっていくからです。

 

私たちは誰もが「人生100年時代」を豊かに生きて行くために、社会を支える現役世代が生き生きと活躍できるステージを用意しなければいけないと考えています。私たちは今、次世代育成を他人ごとにするのではなく、社会全体で若者や子どもを育ててゆくという覚悟が求められていると思います。どうか、ご一考を。

 


【執筆者からのご挨拶】

今年も1年間、お読みいただきまして、誠にありがとうございました。来る2020年があなた様にとって、良い年であります様に心からお祈りします。どうか皆さん、良いお年をお迎え下さい。

 

 

 

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