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    山口一道

    Author:山口一道
    山口経営コンサルタント事務所 代表
    YMCグループ 代表理事

    長崎大学経済学部卒
    経営コンサルタント業歴35年
    リーダーシップをはじめ幅広いテーマに対応 
    リーダーのあり方に警鐘を鳴らし、若手経営者の育成に力を注いでいます。

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2020/01/17(Fri)

(No.556) 作家・三浦綾子さんの幸福論に学ぶ 

   禅の研究と著述に96年の生涯を傾注され、日本の禅文化を海外に紹介された鈴木大拙(1870年~1966年)仏教学者(文学博士)が、こういう言葉を残されています。

 

「人間は偉くならなくとも、一個の正直な人間となって信用できるものになれば、それでけっこうである。真っ黒になって黙々として一日働き、時期が来れば“さよなら”で消えていく。このような人を偉い人と自分はいいたい」平明で分かりやすい文だが、しかし深遠な一つの幸福論であります。

 

この文に触れますと、天命・与命・使命・天真・天性・天稟(てんぴん)で生きよ、との次の短歌が思い出されます。「偉い人 名高い人に なるなかれ 天から受けた 宝ひき出せ」というものです。

 

“幸福論”という言葉を書いて真っ先に思い出す人に、作家の故三浦綾子さん(平成11年1999年77歳にて没)がおられます。三浦さんの人生は難病の連続でした。24歳で突然高熱に倒れたのが発端でした。それがその後、13年に及ぶ肺結核との闘病の始まりでした。当時、肺結核は死に至る病でした。入退院の繰り返しの中で、三浦さんは自殺未遂も起こしています。

 

さらに悲惨が重なります。脊椎カリエスを併発。ギプスベッドに固定され、動かせるのは首だけで寝返りもできず、来る日も来る日も天井を目にするのみ。排泄も一人ではできず、すべての世話はお母さんがなされました。そんな生活が4年も続いたとは、私たちの想像を超えるものです。

 

 そこに一人の男性が現れて結婚を申し込みます。光世さんです。その日から薄皮を剥ぐように快方に向かい、二人は結婚します。綾子さん37歳、光世さん35歳でした。そして綾子さんの書いた小説『氷点』が新聞社の懸賞小説に当選されて、作家への道が開けて行きました。

 

しかし、その後も病魔はこの人を襲い続けます。紫斑病。喉頭がん。三大痛い病といわれる帯状疱疹が顔に斜めに発症、鼻がつぶれます。それが治ったと思ったら大腸がん。そしてパーキンソン病

 

次々と襲いかかる難病。それだけで絶望し、人生を呪(のろ)っても不思議ではありません。だが三浦さんは常に明るく、ユーモアに溢れておられました。凄いものです。これは我々一般人では想像すらできないことです。ここで次の短歌を振り返って、三浦さんをしのび、今後の人生の教訓にしてみたいと思います。全部で10篇です。

 

人生は 受け止め方で どんなにも 変化するもの 有り難きかな受け止め方一つなのです。

会えば ただちに変えよ 感謝して 喜びにして うけとめること」 万が一、苦に遭遇しても感謝と歓喜で受け止めよとの歌です。なかなかできることではありません。

 

笑うこと 笑えば神と 一つなり われの笑いは 宝なりけり笑え笑え、笑うにつれて人生の幸福と運命がドンドン開けてゆくからです。「笑門来福」とも言われていますよね。


 「順境も 逆境でさえ ただ一つ いつも喜び 何でも感謝
順逆を越えなさい、順逆一如という、一円観の教えです。

禍福でも 歓喜感謝で 受け止めよ それが人生 価値高くする」 心が受け入れない限り禍や福はありません。

逆境は 人間変える (恵み)なり 真剣になり 本気になれる逆境は神の恩寵的試練である、神から頂いたプレゼントなのですよとの意味です。    

逆境で 心の鎧 できるのだ 節が作られ 折れなくなるの苦や逆境が人間をつくるからです。

    

人間は 本気になれば 最高だ 自分が変わり 周りも変わる」 本気と一所懸命は違います。

人間は 本気になれば 最高だ 愚痴や不満は 出なくなるもの」 強固な意志力と積極的自己犠牲をとの教えです。

本気なら やれないことは 何もない 不可能なんて ありはしないぞ命かけたら本物だ。本気と懸命は違います。本気は自らの意思であり、懸命は他からの力が働いているからです。以上です。

 

「これだけ難病に押しかけられたら、普通の人なら精神的に参ってしまいますよね」と言うたくさんの人々の質問に三浦さんは平然として笑顔で答えています。

 

神様が何か思し召しがあって、私を病気にしたんだと思っています。神様にごひいきにされていると思うこともあります。特別に目をかけられ、特別に任務を与えられたと……。私っていい気なもんですねぇ(笑)」とケロッとして答えておられます。病気で意気消沈している人とはまるで違います。

 

誰の人生にも絶望的な状況はあります。だが、心が受け入れない限り、絶望はないのです。同様に、誰の人生にも不幸な状況はあります。しかし、心が受け入れない限り、不幸はないのです」と三浦さんは教えています。三浦さんの生き方はそのことを如実に教えてくれているようにも思います。その三浦さんが、こんな言葉も残しておられます。

 

九つ、90%まで満ち足りていて、十のうち一つ、10%だけしか不満がない時でさえ、人間はまずその10%の不満を真っ先に口から出し、文句をいい続けるものなのです。自分を顧みてつくづくそう思います。なぜ私達は10%の不満を後まわしにし、90%の感謝すべきことを先に言わないのでしょうか?」と。なるほどと、うなずくばかりであります。

 

三浦綾子さんの幸福論、凄いものですね。幸福な人生をどう生きるのか。各界先達の英知に学び活学を致しましょう。


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